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パフォーマンスいわれ15 サディスティクサーカス8<春・温泉場>

2013年春。サディスカは新機軸を打ち出してきた。「皆んなで和気あいあいと酒飲みながら、楽しみたい。温泉でも入ってさ」人として小さな贅沢の極みである。これをサディスカでやろうというのだ。よくぞ思い切ってくれた。これは諸手を挙げてスタッフもお客様も大喜びであった。

しかし会場探しは大変であったろう。ショーの内容や人選を選ぶとしても、一般の「歌謡ショー」のようなわけにはいかない。しかし運よく翌春で営業を終わるスーパー銭湯があったのだ。いや、やり逃げとはいわないが、事細かにショーの内容を告げずにできるであろう。当日、銭湯は貸切ではないが、入り放題で、宴会場の貸切である。おつまみ&飲み放題付き。なんと贅沢なサディスカであろう。これができるのも、母体となっている、ヴァニラ画廊、ブラックハート、タブーと真摯なお客様が常連で支えてくれている、という事実があるからだ。訳の分からぬお客様が入ったら、温泉で酒が入り、なんてプチ事件の塊である。

私には「切腹ショー」の依頼があったが、酒宴の場。いつもの作り込んだステージでは逆に浮いてしまう。そこでフロアーショーで培ったノウハウがきく、ショー構成を作った。つまり頭と終わりをきちんと決め、途中はアクト、いわゆるお客様とのカラミ、雰囲気でやる、という構成。これはこれで、気が楽だ。私の好きな曲をつなげて、自分も曲を楽しみ、雰囲気を楽しめるからだ。むしろサディスカのお客様は、私のこの軽いショーを知らない。いつも重たい作品ばかりだから。

今回は曲の紹介も含めて解説する。なお、曲は原曲でなく、アレンジバージョンを使っていることもある。

1、さくらさくら     造花の桜枝を持って踊り                 2、アンチェンドメロディ  脱ぎ&客席                  3、恋唄綴り      脱ぎ客席&オナシーン                    4、夜明けのスキャット  感極まって腹切り

ポイントとして、曲調はあまり暗いもの、難しいものを選ばない、ということである。最終的に「死ぬ」私があるからこそ、曲調は前向きなものを選ぶ。酒宴なので、皆が口ずさむ位でいいと思っている。私は、フロアーショーの時には思いっきりくだける。1曲めの踊りが終わると、「さ、お待ちかねですよ」などといった一言をかけ、脱ぎに入る。人を見てべったりくっついて見たり、言葉をかけたり、お客様が「おおー!」という奇声をあげるような雰囲気なしたいと思っている。盛り上げるだけ盛り上げて、最後、腹切りの時には、引き込ませて見せる。これが酒宴でのテクニックである。緩急のつけどころが面白い。

このスパー銭湯では実に楽しかった。私たちスタッフも飲み放題で皆楽しんでいた。会場にいた、多分ママであろう人は「飲み放題、ウィスキーもあるのよ。進めて頂戴!。本当にもうビールばっかりで!」とちょっとご立腹であった。飲食業を知っている人ならこの意味を分かるだろうが、ビールは一番原価率が悪い。ビールばっかり飲まれては飲み放題は赤字である。しかし、温泉に入ったお客人である。ビールが美味しく、欲しいのは当たり前。店の樽がなくなるまで飲んでしまった。

この春のサディスカは大成功であった。いや、いつも大成功なのだが、ちょっと違った意味である。皆、にこやかな顔で和気あいあいと語り、飲み合い、「楽しかったー!!」とにこやかに去っていく。いつもの緊張感いっぱいのイベントとはまるっきり違う表情が見れた。そして私も、本当に楽しかった。久しぶりのフロアーショー感覚。お客様の声援を浴び、サイコーに気持ちよかった。これでまた秋のサーカスが楽しみになる。秋はまた、きっちりとしたショーを考えている。

スパー銭湯バンザーイ!!

2014年03月19日19時07分27秒(ドラッグされました) 4



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