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浜田知明作品集に寄せて

浜田知明氏の作品で私が初めてこの目にしたものは、「初年兵哀歌(歩哨)」(1954年作)であった。比較的小さな絵の前で、私はしばし立ち止まらずにはいられなかった。こんなにも静かな、いや、無音の世界なのに、なんて哀しいのだろう、なんて切ないのだろう、何故こんなにも。そんな思いが、私の心中をいっぱいに満たし、同時にそれは、ぐるぐると私の中で回っていった。以来、折を見つけては氏の作品を見に行く。見に行くことが叶わなければ、その時はこの作品集のページをめくる。

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