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石ころの呟き

石蹴りはもう飽きたの
次は影踏み鬼
そうして散り散りになる
子供のはしゃぎ声もやがて遠のき、

小石はそのまんま
置いてゆかれて
斜めに射す冬の日差しが
小さい影を描く 冷え切った路上に

まるでこの 石ころみたいだよ
アスファルトの上
いつまでもどこまでも蹲って

気付いたら凍えてる
指先も 唇も
髪の先までも

こんなに

…何 言ってんの、ばかみたい
そんなこと言うくらいなら
さっさと自分で転がればいいじゃない
体を温めたいなら
自分で転がってみればいいじゃない
あたたかくなりたいなら

転がらずに 転がれもせずに、いや
転がらないままに
鉛を呑み込んで
重く重く 沈んでゆく
重く重く 沈んでく

重く重く

沈殿して 沈殿して
やがて現れた上澄みは、ねぇ、何色?
それだけでも目を凝らして
目を凝らして
この眼で見極めてやる

転がれない 石でも
転がらない 石でも

たとえずっとこの場所で
蹲るだけの石ころ だとしても

見てるよ
見てる
君を 僕を
今この瞬間も
じっと見てる
じっとずっとじっと
君が背中を向けて遠く遠く去っていっても
米粒のようになった君の影でも
ただちょこねんとこの場所にずっと
伸びるばかりの僕の影であっても
じっとずっとじっと 僕は見てる
君を そして僕を

見ている

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