約束の記憶 第三章 15話
この物語はフィクションです。
ここまでのお話はマガジンからどうぞ↓
https://note.com/saorin11/m/me6fc5f2a8b10
【Rプロジェクト本部】
「完了ですよね?室長」
微動だにしない空気に耐えられず、小坂が室長の中島に問いかけた。
一葉と連絡がつかず、最後はハラハラドキドキの連続だったが、なんとかミッションを終えることができた。
しかし‥。
下を見つめていた中島が、モニターに向き直って静かに言った。
「ミッション完了」
本部内の空気が緩んだ。
「小坂桃子、お疲れ様、ありがとう」
中島が小坂の肩をぽんとたたいて、出ていった。
小坂は今何が起こったのか。
あまりにも突然すぎてわからなかった。
中島がフルネームで呼ぶことがなければ、お礼を言われたことなど一度もなかった。
何が起こったのか?
考えてもわかるわけがなかった。
一ヶ月後、Rプロジェクトは解散した。
犯罪を未然に防いだり、自殺願望を無くすために作られた計画。
生きながら人生をリセットするためにつくられた。
睡眠状態から別の空間へ移動させ、夢の中のようで夢でなく、リアルに体験することができる。
人生をリセットできるシナリオを用意し、本人に気づかせることで、生きながら生まれ変わることができる仕組みを作った。
Rプロジェクトはその計画のもと、秘密裏に実験を行なっていた。
成功に終わったはずなのに、解散とは‥。
つづく
次回、最終回。
近日中にUPします!
あなたの好きなことが誰かの笑顔にする、ハッピーシェアリングの活動費にさせていただきます!