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約束の記憶 9話

小説の9話目です。

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1ヶ月出社せず、行方不明になっている梶川に会ったというキャストのララちゃん。

「え!!どこで?どこで会ったの?」

電話応対していた橋本が、電話を途中で切って、ララちゃんに詰め寄った。

「一週間前ぐらいに、超高級なスポーツジムで見かけたの。普通に入れるところじゃないし、どうやって入会できたのか聞きたかったんだけど…。梶川さんどうかしたの?」

「ははっ、それはヤツじゃないな。見間違いじゃないの?」
そんな訳ないと、笑いながら、どこかホッとしている橋本。

ラ「でもね、声はかけなかったけど、私に気が付いたみたいだったから、間違いないと思うんだけど…」

橋「それはララちゃんが美人だから、見とれていただけだよ~。ララちゃんこそ、この半年何してたの?」

ラ「実はね・・・んーーたぶん信じないと思うけど、寝て起きたら半年経ってたの…」

橋・か「え!!どういうこと??」

ラ「私にもわからないんだけど、沢山寝たなーと思って起きたら、日にちが変わってて。。どころじゃなくて、年越ししてた(-_-;)」

か「そんなことありえないでしょ。半年も寝ていたなんて」

ラ「何度も夢を見たような気はするけど、寝て起きたところしか覚えていないんです」

かずはは、そんなことないだろう・・って思いながら、言葉にするのはやめておいた。

橋「まっともかく、元気にきてくれたんだし、今日も頑張っていこう、ララちゃん!」

いつものにこにこ笑顔で橋本さんは、ララちゃんのテンションを上げてくれて、その場の?と変な空気をうやむやにしてくれた。

ララちゃんの話はよくわからないけど、ずっと寝ていたのではなく、記憶がないだけで、もしかして浦島事件と関係あるんじゃないのかな・・。
もうちょっと詳しい話をララちゃんに聞いてみよう・・と思ったその時、彼女からLINEがきた。

ーかずはさん、ちょっと話がしたいので、待機室まできてもらえますか?ー

「橋本さん、ララちゃんに呼ばれたので、話してきますね」
「うん、なんか言ってること変だし、様子探ってみてよ」
「わかりました」

彼女とは特別仲が良かったわけではないけど、信頼はしてくれていて、私ならわかってもらえるかと思って話をしてくれた。

待機室にはほかには女の子もいなくて、二人っきりで話をはじめた。

彼女からの話は、想像以上に衝撃的な内容だった。

つづく

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