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ちいさな詩たち🌜

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毎週月・水の23時に詩を投稿しています💭※写真は、「Pixabay」さんというサイトから使わせていただいています。
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〔2024/03/26🌧〕 “静けさ”が心と体の穏やかさ、健やかさを守ってくれているんだと最近思う。今を生きてるのだから忙しないのが当たり前なんてことはなく、自分の体のためにも“静かに過ごす時間”を大切にしていきたい。静けさ、穏やかさはなににも代えがたい、わたしたちの味方だから。

優しさが正義だ、万全だなんてそんなお花畑みたいなことは決して思わないけれど。でも土台として、せめてわたしとわたしの周りの世界だけにでも優しい色を添えられたなら、その世界はたぶん穏やかなものになる。そしてきっと、もっと生きやすい世界になる。それがわたしの望む世界なのかもしれない。

大事なものを見失いそうになったときは、お気に入りのネイルを指先にのせていく。ちいさな小瓶のなかにしきつめられた、繊細で、でもどこか力強さを感じられるピンク色のネイル。 月明かりに照らされた淡いピンク色の指先が、きっと明日のわたしも守ってくれる。

シュガーがたっぷり入ったミルクティーを飲みたいときもあれば、少しだけ苦いアイスティーを飲みたいときもある。私の心も生き方も人生も、そのときによって味わい深さや色味を変えていく。なにがいいわけでもなく、ただそのとき目の前に出された紅茶の味を堪能するだけで、人生はきっと変わっていく。

傘をぱっとひらいた、その瞬間。一粒のしずくがわたしの頬をつたった。それはまるで、ずっとがまんしていたわたしの心のなかを表してくれたように思えて、あわてて傘の下に顔を隠した。次第に強くなる雨音とわたしの嗚咽、そして涙が一秒ごとに時間のなかへ溶け込み、そして静かに消えていく。

キャンドルが静かで控えめな光を醸し出すように、わたしの心も輝きすぎず、穏やかな明るさを保っていきたい。控えめで、決して押しつけず、しなやかでやわらかいポジティブさ。 そのやわらかな光が消えないように心と身体で守りながら、日々を生きていきたい。

夜空に輝く星を眺めてきれいだと思う時間。大切なだれかに会いたいと思い焦がれる時間。大切なひとと優しい言葉を交わす時間。同じ空間を共にする時間。 いつその時間が終わりを迎えるのかだれにもわからないからこそ、一瞬一瞬を、そしてひとつひとつの思いを大事に抱きしめながら生きていきたい。

「大切なひと」「大切なこと」「大切なもの」。そのなかに自分自身のことも入れてあげられたのなら、きっと世界の色合いが1mmずつ変わってくるはず。朝焼けも、夕焼けも、そして数個の星空の見え方も。目に映る景色の意味合いが変わってくればきっと、自分はもうこの世界で生きていける。

大切なノートに、宝物のシールたち、そして手元で上品に光る、ピンクゴールドのボールペン。新しいページを一枚めくり、紙を優しくなでるように、一粒一粒言葉を記していく。いまこの瞬間に生まれる言葉たち。それを静かに受け止めてくれる宝物たち。それはきっとわたしを支えるお守りになってくれる。

ふわりと触れる言葉が、心が、手触りが、瞳が、すべてが優しく柔らかければいいのに。すべてに、安心するようなぬくもりがあればいいのに。そうすればきっと、だれかの一日に穏やかさをもたらしてくれるはずだから。静かに、ちいさな空間だけを温められたなら、もうそれでだれかが幸せになるから。

味方なんていない。世界にわたしの居場所なんてない。そう思うときがある。 でもね。たくさんの時間うつむいたあと一歩外に出てすこし歩いてみたら、ほら。どこかのお店の隅っこの隅っこで、あなたのことをずっとずっと待っていてくれてたものがそこにはあるから。 そっと、手を伸ばしてみよう。

ずっと引き出しの奥にしまってあった香水。そっと蓋をあけると彼との思い出が思い浮かんだ。笑顔も、会話も、手触りも、一緒にみた景色も、すべて。わたしから彼へその香りがうつるその瞬間が、なによりも幸せな時間だった。いまはもう存在しない時間。 優しく瓶を撫で、また引き出しの奥にしまった。

いまわたしの瞳にうつっている風景。わたしの耳に入ってくる優しい声に言葉。その人からほのかに香る甘い匂い。そのどれもが遠い遠い未来にはもう感じられなくなってしまっているかもしれない。わたしのそばから離れてしまうかもしれない。そうならないように、いまそばにいてくれることに感謝しよう。

もし暗闇のなかに放り込まれたような感覚になったとしても。 だれかの存在や言葉、温かい眼差しが私をそこから救いあげてくれることがある。暗闇はもしかしたら幻想だったのかもしれない、そう思わせてくれることがある。世界の見方を変えてくれることだって。 いつかわたしもそんな人間になりたい。