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10年目の春

今日はお休みだった。
天気がよかったので午後から近所を散歩した。

わたしの散歩コースは大体2つ。
川沿いを歩くか、 高台にある神社へ行くかだ。
最近は運動したい欲が高まっているから、階段の乗り降りがある高台を選ぶことが多い。今日もそのコース。


住宅街を抜けて、階段に差しかかると60代くらいのご夫婦が前を歩いていた。

お二人とも既に結構ヘトヘトで
「あかん。しんどいわ。」と手すりに捕まりながら一歩一歩進んでいる。
その感じがなんだかほっこりして
「初めてですか?」と声を掛けてみる。
「せやねん。結構登るな~これ」とおばさま。

「思ってるほど登らないですよ!言うてる間に着くと思います。」と返す私。


「近くのもうひとつの神社にも行ってきてね!すごい綺麗な字で御朱印書いてくれたわ~!」と。
そっちの神社にも行くことがあるけど、御朱印をもらったことはなかったから、知らなかった。いいな。


大阪から来たご夫婦は関西の神社を回っていて、既に500くらい行ったというのだからびっくり!
近くのパン屋さんの袋を持っていることに気づくと
「そうそう!美味しそうやったから!
でも食べる余裕ないかもわからん~」と息を切らしながら笑っている。

今度はおじさまが「ここら辺は震災でも被害が大きかったんやないの?」と話し掛けてくれた。阪神淡路大震災のことだ。

向こうの街では火災がたくさんあったみたいで~、と。
こんなことが言えるようになったのか、とちょっと自分でも驚いた。



自分の住む街を褒めてもらえて嬉しかったこと。

袋に気付くくらい、パン屋さんが馴染みになっていたこと。

自分が生まれた年にあった、地震。
母のお腹の中にいたし、なんなら広島にいた。
でもほんの少しずつ他人事から自分事寄りになってきていること。

そして何より見知らぬ人にひょいっと話し掛けれたこと。(関西人や関西の雰囲気ならではと思う笑)


関西に住んで10年か~。
大学生の頃は「下宿先」という捉え方でしかなかったけれど、少しずつ「自分が住む街」として地に足がつき始めたのかなと感じたのでした。
10年目にしてやっとか。
相変わらず、亀のペースでいっております。


読んでくれてありがとうございます。



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