コピーロボット
子どもが、頷くことを覚えた。こちらの問いへの返答ではなく、ただ大人の真似をしているだけなのだが、夫に言われて初めて気づいた。「パパって言ってごらん」に対し「パーパッ!」と言い、夫が「そうそうそう」と頷くと赤べこのようにうんうん頷いている。
「パパ」も、決して相手を認識して言っているのではなく、「パーパッ!(後半強め)」とよく連呼している。この流れで「ママ」も言ってごらんとトライするが、良くて「マーパッ!」もしくは「バーバッ!」といったところだ。以前、大粒の涙を流しながら「ミャミャー」とハイハイですり寄ってきたので、「おおこれは私を認識している」と喜んだのだが、その後なかなか登場しないのでたまたまだったようだ。
近所の仲良しのおばちゃまで、カラスの鳴き声が得意という方がいる。うちの子をあやしてくれている際に、カラスの鳴き真似(ただのカーカーではなく、喉を震わせる高等な技)を聞かせたところ、なんと上手に真似をしたそうで、マスクをしていたのにすごい!」と褒められた。子どもの観察力と真似する能力は目を見張るものがある。
パソコンのキーボードは、大人のようにカタカタ指だけ動かす。左利きの私がメモして置いたペンをさっと掴み、同じように左手の指3本で持っていたのには驚いた。
じーっと目を見開いて真剣な顔でよく見つめている。その目に映る、自分より倍以上大きな生物の動作や音を自分のものにしていく処理能力は、どういうからくりになっているのか。宇宙の言葉のような喃語から会話できるようになっていく過程を見ていけることが、楽しみで仕方ない。