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私の2023年の記憶に残った8冊

仕事と育児や家事で忙しい中、インプットの時間を作るのは至難の業。ながら聴きが出来る方法も増えているけど、私はやっぱり本が好き。
移動中はオーディオブックを聴き、机の上には読みたい本がたくさん積まれています。

今回はオンラインコミュニティの仲間のよしぱんさんの企画「今年読んでよかった本Advent Calendar 2023」に参加し、特に印象に残っている本を紹介します。
選りすぐる予定が8冊になってしまったので、コンパクトにまとめるぞ。

仕事について考えを深めた2冊

2023年の私のテーマはアウトプットとチーム作り

アウトプットする時に自分自身やビジネス(担当業務)をどう見せていくのかのブランディングと、個々のメンバーの強みを発揮して成果を最大化するためのチーム作りについての考えを深めるきっかけになった2冊。

▶わたしらしく働くとはー山の上のパン屋に人が集まるわけ

長野の山の上で1人の主婦が始めたパンと日用品のお店が年商3億になり、今では遠方からもわざわざ訪れる人がいるお店になっている。
と聞くと、誰でもがんばれば成功する、というアメリカンドリームに聞こえるかもしれない。

けれどそこには、冷静な分析による仮説作りと数々の挑戦と失敗、揺るがない自分の価値観とそれに基づくビジョン(あるべき姿)がある
ご自身を「ふつうになれない」と表現される平田さんだから作れたわざわざの歩みが知れる1冊。

私はここまで尖れないと思うけど、これくらいブレない自分ブランドを作っていきたい。そうする事で人生はワクワクする。

読み終えた時、わざわざのお店に行きたくもなる。(すぐ行ける距離に住んでいる事がとてつもなくラッキーだ)

藤原印刷さんのイベントで、本をご本人から購入したのも2023年の想い出
▽その時の記事はこちら

▶働きやすいチームとはー心理的安全性のつくりかた

チーム作りの議論の際によく聞かれるようになった心理的安全性という言葉。アメリカのGoogleによって広まった概念を日本の企業、日本人の価値観に当てはめて解説した本。

社会人12年目の私は、社会の働き方の変化の渦の真っただ中にいると感じている。

就活の頃はブラック企業/ホワイト企業という言葉で自分たちがそこに行かないように、抜け出すために企業を計っていたが、不当な労働方法は法律で裁かれるようになってきた。
嫌だけどどこでもあるよね、と受け流してやり過ごすものだと思っていた叱咤やからかいはパワハラ・モラハラといわれ自分達を守るための権利になった。
メンバーは会社のコマや歯車ではなくなってきている。安心して働ける社会になってきていることは肌身で感じていただけど、次のチームの在り方はわからなかった。

飲み会に誘う、相手を知るためにプライベートな事を聞くなど、自分が先輩にしてもらったことを後輩にしようと思っても、伝え方を間違えるとパワハラ・モラハラになる。
価値観を認め合うために一人一人の意見を聞こうとすると、トップダウンで偉い人が決める会議より時間が倍以上かかる。
個人が安心安全で、互いを受け止めあい成果をあげるチームってどういうことか、という漠然とした疑問の答えをしめしてくれた本だった。

すべての働く人にお勧めの本だけれど、私のように社会全体の働き方の変化に迷っている人には読んでほしい。

自分を知り他者を受け入れるための2冊

前段の働き方やチーム作りといった自分にとっての外側について考える一方で、私は自分の内側を考える内省も大好き。趣味の一つは子育て中に学び始めたコーチングがある。

自分探しというと学生のような甘酸っぱさがあるけれど(いつまでも「ハチミツとクローバー」を思い出す私)日々環境が変わり年を重ねる「自分」について考える時間に終わりはない。

▶書籍実践でやりたい事が言語化できたー世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

八木さんの本は言葉がわかりやすく実体験も多く紹介されているので、本を読むというより先輩の話を聞くのような聞きやすさがある。
書籍読み上げアプリでも聞けるし、YouTubeでも紹介されているのでまずは解説として耳から聞くのもお勧めです。

そしてこの本の本髄は「やりたいこと」を見つけるためのワークにあります。本で紹介されている公式に当てはめて質問に答えて、出てきた自分の答えを組み合わせることでやりたいことを言語化されていきます。

私はオンラインコミュニティの自分軸手帳部でこの本の実践をしましたが、自分の大事な事は?好きは?強みは?を知っておくことはとても心強いことだった。自分について知るためにも、そして他の人の「やりたいこと」を知るためにも役に立つ考え方が満載だった。

▶感情と向き合い受け入れる私の原点ーママの自己肯定感がグンと高まるアドラー流「感情マネジメント」

出産して子育てスタートと同時につまづいた私は、原因が子どもや環境ではなく自分にあると考えた(というか、それしかなかった。生まれたばかりの子は個性も感情もない、ただそこにある小さな命でしかなかったから)。そこで私は、自分を整える為にコーチングを学んだ。
私が通ったママコーチスクールの主宰であり、コーチングの師匠愛川よう子さんが出版された本は、今の私の原点でありバイブル。

ようこさんの教え方は理論と実例がバランスよく体系立てられている。アドラー心理学のように一見堅くて難しいと感じる理論を、子どもが飲み物をこぼしてイライラするというような身近で具体的な出来事をワーク形式で整理してくれているのでとてもわかりやすい。
子どもへの対応方法ではなく、自分自身の考え方や認知の書き換えがメインなので、子どもの成長に合わせて発生する悩みや困りごとにもいつでも使えるのもありがたい。

俯瞰して考えるのが苦手な人には見方を変えるきっかけになるし、私のように合理的で最短距離で成果を出したい人にはゴリ推しできる1冊です。

箸休めのミステリー

実用書だけでなくフィクションも好き。
ビジネス書を読んでいると頭を使って考えているから、時々フィクションの世界に浸って思考を休ませたくなる。
でも、選ぶのはミステリー。結局犯人やトリック探しに頭を使っている。
どこにいっても考えるのが好きらしい。

▶雨欠ワールドに魅せられるー「変な家」

年初に友達に勧められてハマった雨欠さんのYouTube。無表情の奇妙なお面に可愛らしい声で語られる緻密に組まれたトリックとリズミカルな展開という独特な世界観にハマり、寝かしつけの後の布団の中で動画を見漁りました。(目に悪い)

書籍は2冊あるけれど、私は後に出た「変な絵」の方がより好き。ネタバレが怖くて詳しくは語れないけれど、表紙に書かれた4枚の不思議な絵に対する印象は読み終わった後にはガラッと変わる。

かつて金田一少年のドラマにハマり、湊かなえさんのイヤミスにゾクゾクした私のイチオシ作品です。

▶令和のミステリーー#真相をお話します

タイトルに「#(ハッシュタグ)」が付くいまどきっぽい1冊。5つの短編はそれぞれ時世を映していて、実際に起こっていそうなリアルさがある。

特にお気に入りは最終話。近い将来、こんな出来事がどこかで起きる気がする。

目を逸らしたくない現実の社会

フィクションより時には恐ろしい現実。社会問題について考える事も好きだし、社会人として子育てをする親として、自分の意見が言えるようになりたい。(答えが無い問題だからこそ、思考の渦にハマるので読むタイミングは慎重に選びます。)

▶これこそ正解のない問題ー母という呪縛 娘という牢獄

出版後にSNSやテレビやネットニュースでも話題に上がっていた1冊。娘であり母である自分にとっては怖いけれど興味をそそるタイトルで、書店で迷った挙句購入したその日に300ページ近くを一気に読んだ。

本の中で語られる母親の言動は狂っていておかしいと思う。一方で、子どもに勝手に期待をして出来ないと裏切られたと感じる、子は親の言う事を聞くのが当然、しつけという大義名分でコントロールしようと考えてしまう思考もわかる。わかる自分が怖かった。
子どもにとって親は絶対的な存在であり、愛情は行き過ぎると束縛になってしまう。その表裏を認識しておこう。この本から学んだ事です。

罪を犯した娘の環境には同情しかなく、何か救いの手立てが無かったのかと思わずにいられない。罪を償って今度こそ自分の人生を生きてほしい。

また、罪を犯した一人女性の生き様をここまで深く掘り下げ、できるだけ客観的に文章にした元記者である著者の使命感と努力に胸が熱くなる。

一番の投資先はやっぱり絵本

紹介したのは自分が読んだ分厚い本だけど、沢山読んだのは絵本。
5歳の娘は自分でひらがなを読めるようになり、3歳の息子も絵とストーリーをつなげられるようになった。

▶ふさふさヘアーのーニンジンジン

今年の我が家のヒット絵本はニンジンジン。うさぎが好物のニンジンを追いかけるという単純な設定なのにシュールで奇想天外な展開がおもしろい。

我が家では表紙のようなニンジンウォークとウサギの歩き方を真似して追いかけっこをして家族でゲラゲラ笑っていた。平和だ。

さて、来年の課題図書

本の紹介はここまで。ここからは来年の自分への申し送りと宣言の2冊を。

▶遂に読みますー7つの習慣

学生時代に存在は知っていたけれど、ずっと手を付けずにいた「7つの習慣」。(万人が良いというものに疑念を持つ、ひねくれた20代だったんです)

避けてきたけれど様々な場面でやっぱり出てくる「7つの習慣」。そろそろ真剣に向き合ってみようと思っていた頃に2024年に書籍実践サークルをするという話を聞き、実践に向けてコヴィーさん(表紙に笑顔で鎮座しておられる)を家に迎える事にしました。
実践スタートまでに読みます。

▶原点回帰ー星野リゾートの教科書

星野リゾートの入社のきっかけとなった本。「経営の教科書通りやってみる」という考え方が、当時はまだおもてなしとか伝統という抽象的な概念が多かったサービス業には新鮮だった。
教科書通りに考えて実践するから誰か一人のせいにすることはないし、再現できるから仕組みになる。社風はそのまま私の価値観になっている。

入社から10年が経ち、私自身の経験もスキルも増えてきた今からだからこそもう一度原点に戻って読んでみようと思う。そして、基本に立ち返り教科書通りを実践していこうと思う。

おわりに

やっぱり本が好き!
SNSで目にする短時間で簡潔なメッセージはわかりやすくてワクワクするけれど、本を読みながら著者の世界観や思考の渦に没頭して想像したり考えたり頭を使う時間が好き。
まだまだ子どもに手がかかる忙しい毎日だけれど、あの手この手で読書の時間は作っていきたい。

良かった本を紹介するつもりで書き始めたけれど、自分の1年間の読書を振り返って思考を最深堀する時間になりました。アドベントカレンダーのきっかけをくれたよしぱんさん、ありがとう!

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