あめあめふれふれのとき

もしあなたがそうだったら、あれなんですが、「これくらいの雨は、オレ、傘ささないんだよね」と得意になる方がいる。

かと思えば、「横着は敵だ」と言って毎日折りたたみ傘を携帯し、少しの雨でも傘をさす人もいる。

どちらかといえば、私は後者で、少しの雨でも、傘を差す。なぜ、雨なのに傘を差さないのか、あまりよくわからない。傘を持っていなくて、家まで近いからダッシュする、ならいいんですよ。でも、持ってても差さない、あるいは、頑なに折りたたみ傘を携帯しない、これは、あれ、なんかなぁ。別に自由だからいいんですけど。

あるとき、好きな人に折りたたみ傘をプレゼントした。その人は、いつも傘を持ってなくて、コンビニで傘を買っていたのを知っていた。また、私は、百貨店で働いていたときに、男性が婦人物のブランドのオシャレな柄の傘をプレゼントに買っているのを見て、傘って高いのを自分では買わないし、素敵だな、と思って憧れていたのだ。

それで、アートの好きな人だったから、ミュージアムショップでアートな傘を買ってプレゼントした。

その人は、こちらから連絡しても、なかなか返事をくれない人だった。でも、ふと思い出したように連絡をくれて、ご飯に誘ってくれていた。だから私は、傘をプレゼントしたら、雨の日に、ふと私のことを思い出してくれないかな、連絡くれないかな、と思ったのだ。

その後、その人と雨の日に会っても、いつも傘は持っていなかった。そのたびに、ちょっとすねて何で持ってこないのーと言った。わざわざ、明日、雨らしいよ、とメッセージしていたのに、持ってこなかった。わかってくれない。罪悪感からでもいいから、雨の日に私を思い出して欲しかった。たまに、で、いいから。

それから後も、彼とたまに連絡を取り合うことはあっても、彼から雨の日に連絡が来ることはなく、そのうち、その人は結婚して、いつの間にか連絡を取り合うことがなくなった。

別にひきずってない。
雨の日に毎回、その人のことを考えたりなんかしてない。

ただ、noteに投稿するネタに困っただけだ。
雨の日らしい投稿に、したかっただけだ。

#エッセイ #雨の日 #急に寒くなって

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