【MTG】ミドルスクール参入のススメ2024
こんにちは。皆さんミドルスクールしてますか?
僕はなんやかんやで毎週遊んでます。平日も遊べるって素晴らしい。
今回はミドルスクール参入を考えている人向けに、おすすめデッキのセールスポイントやデッキの探し方について書いていこうと思います。
まずミドルスクールってなんやねんという方はこちら。
ビビッと来た人は俺と同い年くらいかもしれません。
ざっくり説明するなら、古いカードで遊ぼう!って感じのフォーマットです。
とはいえどんなフォーマットでもそうだと思いますが、既に所持しているカード、現実的に(予算の範囲で)買えるカード・組めるデッキには個人差があるでしょう。もちろん好き嫌いやカード個々に対する思い出も大切にすべきです。
実際問題、ほぼ安価なカードだけで作れるデッキも存在します。ただ一般的なフォーマットでそうであるように、トップクラスのデッキを作ろうと思うとある程度お金がかかってしまう…というのもまた事実です。
しかしながらそのトップクラスのデッキも安価なデッキにコロッと負ける事があります。それも運の問題で取りこぼし的に負けるのではなく、デッキやカード個々の相性によって負けるケースも多いため、一概に「安価デッキ=弱い(勝ちにくい)」という図式にはなりづらいと感じています。
例えば僕がここ最近よく遊んでいたTheRockやTwoDeuceはそこそこ安価なデッキですが、実際の対戦ではかなりの好成績を収める事ができました。
この2つについては純粋に強いだけでなく楽しく遊べる等の理由から自信を持ってオススメできるので、今回の紹介に含めさせていただいております。
今回は
資産0ベースから始める人向けデッキ:安価系デッキ。最近MH3で友好色フェッチランドが再録されて手に入りやすくなったため、フェッチありデッキも含めてあります。
他フォーマットのカードを少し持っている人向けデッキ:レガシープレイヤーで《意志の力/Force of Will》を持っている人など。
なんでもいいから強いデッキ知りたい人向けデッキ:とりあえず金額とか関係なく今アツいやつ!
この3方向で書いてみようかなと。金額的にもだいたい松竹梅プランになる見込みです。
またそれぞれサンプルリストを載せておきましたので、価格が気になる方はデッキリストから晴れる屋のサイトに飛んでみてください。
もしかしたら家にあるカードだけで作れちゃうって人もいるかも?
『資産0ベースから始める人向けデッキ』
【青緑マッドネス】
スタンダード激安の殿堂、同時代の覇者。
最強の《灰色熊/Grizzly Bears》(異論は認める)である《野生の雑種犬/Wild Mongrel》、最強ドローエンジンである《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》などからマッドネスカードを捨てていくビートダウンデッキ。
捨てるカードは《尊大なワーム/Arrogant Wurm》《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》とサイズ感も申し分なく、また《堂々巡り/Circular Logic》のような軽量カウンターもある。これに加えてフラッシュバックを持つ《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》《綿密な分析/Deep Analysis》などもあり、「手札捨ててるのにリソースが減っていない」という謎事態に。
これらのクロックに《不可思議/Wonder》が加われば一瞬で殴り勝つ事ができる。
当時から既に「安くて強い」を体現したようなデッキでありながら、その姿はほとんど変わっていない。メタゲーム上最も隆盛したタイミングでは《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》がスタンダード落ちしていた事も手伝って、普通に組んでも「レア0枚」が普通に起きていた中々のリーズナブル仕様。当時のレア無し構築が高額なわけもなく、《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》も現代では度重なる再録により激安な状態だ。
活躍の場はフォーマットを飛び越え、当時スタンダードに居ながらにしてエクステンデッドでもその姿を見かける事ができた程の流行りっぷりで、更に一時期はレガシーでもその姿を見かけることがあったほど。エクステンデッドでは《尊大なワーム/Arrogant Wurm》の素のコストが重すぎて《破滅的な行為/Pernicious Deed》が効きにくいという珍事も起きたくらいだ。
ミドルスクールでは上記エクステンデッドの構成で作る事が可能で、フォーマット特有のプラス要素があるとすれば
《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》:1枚ならほぼ入れ得。《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》が4/5に化ける等引いた時の爆発力が凄い。《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》などを火力から守ったりと地味な活躍も。
《意志の力/Force of Will》:素で青いカードが多いためすんなり入れる事も可能。しかし枚数上の損は無視できず、不採用であるケースも散見される。この枠が《撃退/Foil》の人もいる。
この辺り。
大まかには当時のものと大きく変わらない。
構成はまちまちだが、
・王道の《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》4枚の超攻撃仕様
・ディフェンシブな《意志の力/Force of Will》《目くらまし/Daze》等カウンター派
・↑これらの折衷
というイメージ。体感は王道型が人気だが、環境には恐ろしいコンボデッキも多いのでカウンター積載型も活躍中。《堂々巡り/Circular Logic》はいずれのパターンでも入っているが、4枚でない事もある。
また《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》と《目くらまし/Daze》はコストの関係で同居しにくいため、この辺りが好みが分かれるポイントかもしれない。
オススメ味付けカード
《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》:後述するスタイフルノートが中々強いデッキであるため、マッドネスと相性の良い対策要員としてかなり有能。殴り合いにも強い。
《マスティコア/Masticore》:制圧力ナンバーワン。少し重いのと維持コストが難点だが、出したが最後こいつだけで完走するマッチも少なくない。
《物静かな思索/Quiet Speculation》:ここからの《綿密な分析/Deep Analysis》《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》により物凄いアドバンテージを得られる。また《天啓の光/Ray of Revelation》をサーチしてくる事も可能。
1000円以上するカード:
必須と言えるカードは無い。最低限のベースは安価なカードのみで作ることができる。《意志の力/Force of Will》を好みで入れるか否か、もしくは高いカードでもサイドボードに入るかもという程度。
【TheRock】
現代ではミッドレンジの代表格アーキタイプでもある黒緑のデッキ。
さすがに現代ほどクリーチャーは強くはないためコントロールデッキとしての側面が強いものの、当時からその楚と呼べるほどの制圧力を持ったデッキだった。
制圧力の鍵はなんといっても《破滅的な行為/Pernicious Deed》。
ほぼなんでも流れるというのはどの時代でも凄まじい効果であることに変わりはなく、並べるデッキへ圧は半端ではない。これを貼りっぱなしにした上で暴れ回る《魂売り/Spiritmonger》に泣かされた人も多いはず。
この全体除去の牽制の前に足を止めると《強迫/Duress》《陰謀団式療法/Cabal Therapy》が襲いかかってくる。
これに《花の壁/Wall of Blossoms》《ヤヴィマヤの古老/Yavimaya Elder》まで加わった堅牢さは言うに及ばず。
当時からエクステンデッドで活躍したデッキというだけあって骨組みができており、ミドルスクール特有の採用カードはあまり無いように感じる。《吸血の教示者/Vampiric Tutor》が禁止されている事もあり《生ける願い/Living Wish》からのサイドボードアクセスで勝ち手段を掘り下げる構成が一般的。
前述の通りクリーチャー自体は現代と比べるとちょっと弱めなため、ゲームを決めるクリーチャーに何を採用するかで好みが分かれる。
オススメ味付けカード
《占骨術/Skeletal Scrying》:ライフが一切減らないマッチもあるため期待値的にはかなりの枚数を引ける爆弾。インスタントは偉い。
《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》:The制圧ねーちゃん。定着すると大体勝ちだが、でかい以外の除去耐性は皆無な点に注意。
各種フェッチランド:デッキが対抗色なので色は合わないものの、しばしばマナフラッドに悩まされるデッキなので圧縮は悪くない。地味に《占骨術/Skeletal Scrying》とも相性がいい。残念ながらミラージュフェッチはお呼びでない。
1000円以上するカード:
(現状)無い。《破滅的な行為/Pernicious Deed》がNM800~900円くらい。
ただしばらく再録が無いのでこのままだと新枠版でも上がるかも?
また《生ける願い/Living Wish》で持ってくるカード次第では…というところだが、メジャーであるカード群には影響なさげ。
フェッチランドを入れる場合はその枚数分だけ少々お高くなるが、そんなに枚数は入らないと思う。
【TwoDeuce】
環境最軽量のビートダウン。殴って焼いての由緒正しきデッキである。
どこぞの主人公が使ってそうなデッキにも見えなくはないが、見た目とは裏腹にテクニカルな要素もありとても繊細な一面を持つ。…のだが、概ねは拳で殴って黙らせてるように見えるので暴力系かもしれない。
大量搭載されたミシュラランドにより消耗戦に強く、また《呪われた巻物/Cursed Scroll》のような飛び道具も常備されているため、アグロデッキなのに比較的《神の怒り/Wrath of God》のようなカードが効きにくい。
《怨恨/Rancor》の使い方がミソで、適当なミシュラランドに貼っといて毎ターン《ボール・ライトニング/Ball Lightning》的に使っても強い。
環境のマナベースがダメージランド環境なのも追い風で、マナを出すだけでライフがすり減るデッキも多い。総じて赤いデッキは存在するだけでその辺りがメリットになりうるという事情から、このデッキもその恩恵を充分に受けていると言える。
かつてエクステンデッドにも存在したデッキだが、当時は《稲妻/Lightning Bolt》《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》がローテーション落ちしていたためにパワー不足感も否めないデッキであった。ミドルスクールでは両方とも使えるためかなりパワーアップしている。
また赤緑ビートダウンというアーキタイプは選択肢の塊で、他に
・《獣群の呼び声/Call of the Herd》まで入れた少し重いタイプ
・《ヤヴィマヤの火/Fires of Yavimaya》《はじける子嚢/Saproling Burst》で攻めるFires
が活躍している。この辺りはお好みで。
こういった直球ビートダウンの常か、ビートダウン同士やコントロールデッキ等のある程度フェアな戦いができる相手にはそこそこ有利。反面ライフ以外を攻めるのは苦手なため、コンボデッキには充分なサイドボードを取らないとかなりきつい戦いを強いられる事になる。
例えば《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》部分を《不毛の大地/Wasteland》《リシャーダの港/Rishadan Port》などに差し替える事でコンボ耐性を上げる(代わりにフェア耐性は下がる)事も可能。
オススメ味付けカード
《怒鳴りつけ/Browbeat》:5点か3ドローだが、ほぼ5点を稼げる偉いやつ。
《ジャングル・ライオン/Jungle Lion》:1マナ域の攻撃手段はメタゲームにより選別の価値あり。基本地形が多いと感じたら気分で《スカイシュラウドの精鋭/Skyshroud Elite》と差し替え。
《炎の稲妻/Firebolt》:案外土地が伸びるので裏撃ちも余裕。《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》とちょっと喧嘩する。
1000円以上するカード:
《呪われた巻物/Cursed Scroll》が晴れる屋NM3000円くらい。ていうか俺も今調べてビビった。昔の人気カードなので2000円台くらいのプレイド品が市場に出回っている事が多く、見た目よりは安く手に入れられるかも。ショーケースをチェックや!
あと《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》も入っているが、MH3板はかなり安くなっているので狙い目。
【ブレイズ】
どこぞの主人公が使ってそうなデッキの次はどこぞのライバルが使ってそうなデッキを紹介する。TheRockもそれっぽいっちゃそれっぽいか?
このデッキはクリーチャーがそれなりに入っていつつも、アグロデッキというよりはコントロールデッキ寄り。手札破壊を兼ねた《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》を絡めつつ《陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion》に繋げる事で対戦相手を食い潰す事を目的とする。
かつてスタンダードにも存在したデッキで、活躍しているクリーチャーも同環境で腕を鳴らしたカードである事も多い。
その中でも例外の《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》はエクステンデッドでも相見えなかったブラックバス的な生物。《暗黒の儀式/Dark Ritual》がないため最速でプレッシャーをかけに行くことはできないが、(殺されなければ)ゲームをめちゃくちゃにする力を持っている。
サイズの関係でマッドネスや赤緑相手のストレートな殴り合いでは少々分が悪いが、コンボデッキはこういった嫌がらせクリーチャーの連打に泣かされがちである。よく出来たじゃんけんかもしれない。
黒単でも作れるが補色として色を足すことも考えられる。トーメントの《汚れた原野/Tainted Field》などのサイクル+ダメージランドにより、メインカラーが黒ならば残り4色はどれでもタッチしやすい。体感は《名誉回復/Vindicate》の白が人気。
オススメ味付けカード
《堕落した廷臣/Corrupt Court Official》:《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》の同型再版。散らしたい時にオススメ。
《押し寄せる砂/Choking Sands》:土地を攻めるならこれ。パウパーでも活躍中。《腐臭の地/Rancid Earth》でも良いが、スレッショルドの1点で自爆する危険性あり。
《幽体オオヤマネコ/Spectral Lynx》:黒白にする際にコンバット耐性を付けたいなら選ぶ価値あり。
1000円以上するカード:
必須と言えるカードの中では無いと思うが、実を言うとこのアーキタイプはまだあまり研究されていない。つまり高いカードが入る方向の伸びしろも充分に残されているわけで、現状よく入っているカードならまあ安いなと言える程度。
以上が価格的な入門デッキとして個人的に推せる4つ。
5つ目の候補としてバーンがあったが、《寒け/Chill》をはじめとした各種対策カードにかなり泣かされる。ゲーム良し悪しの寒暖差が大きすぎるため、バーン枠としてはTwoDeuceを掲載させていただいた次第。
以下は「レガシーその他のフォーマットを少し触っていて、資産をある程度持っている人が始めやすいデッキ」を紹介する。それに伴い価格的なレベルは少し上がるので注意。
もちろん現在の資産0でも「せっかくだから買って始めよう」でスタートしても問題ないくらい魅力的なデッキを紹介するつもり。
『他フォーマットのカードを少し持っている人向けデッキ』
【スレッショルド】
ざっくり言えば原初のレガシーのカナスレに近いクロックパーミッション。消して殴ってするクールなデッキ。
マナを縛る役割が《もみ消し/Stifle》《不毛の大地/Wasteland》→《冬の宝珠/Winter Orb》に置き換わっているのが特徴で、各種カウンターによりコンボデッキに強い点はほぼ据え置き状態。
スレッショルドクリーチャーや《野生の雑種犬/Wild Mongrel》により、同コスト帯の肉弾戦もしっかりこなせる。
また見逃せない特徴だが、《島/Island》+複数種の5色土地という超マナベースにより全色の軽いカードを採用できるため、メインから緑のクリーチャー+カウンター+《剣を鍬に/Swords to Plowshares》などが同居する凄い図になっている。更にサイドボードも全色投入可なので超強い。
《入念な研究/Careful Study》《留意/Mental Note》による即座のスレッショルド達成も珍しくなく、構えてたと思ったら急に3/3や4/4の群れに襲われて死亡…なんてケースはザラにある。
主な弱点としては、墓地を使用するデッキが一定数いることで墓地対策が苛烈気味に取られている事が多く、そのせいで割を食っている点。《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》《ファイレクシアの炉/Phyrexian Furnace》は軽すぎる故に回避しにくく、ここを如何にして切り抜けるかと言った所だ。故に2本目以降はそういう意味で消耗戦になる事があり、しばしの間1/1で耐える人々も出てくる。
価格的な話をすると《意志の力/Force of Will》4枚と《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》《汚染された三角州/Polluted Delta》どっちかが合計4枚くらいあればほぼ組める。あとは《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》がちょい高いくらい。
まあ大体《意志の力/Force of Will》なので、持っている人でクロックパーミッションが好きな人は試す価値あり。
【ランドスティル】
同様に《意志の力/Force of Will》デッキだが、こちらは青白コントロール側。
《行き詰まり/Standstill》を貼り《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》《正義の命令/Decree of Justice》などの呪文でないカードで攻撃していくデッキだ。相手側としては呪文を唱えないで勝つorそれらに対処することは(ほぼ)無理なので、まず間違いなく3枚引ける。
初期のレガシーに存在した由緒正しきデッキで、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《対抗呪文/Counterspell》《神の怒り/Wrath of God》《嘘か真か/Fact or Fiction》などのいわゆる青白コントロール的な要素も存分に詰まっている。
注目カードは《謙虚/Humility》。ルールの複雑さからプレイヤーとジャッジに愛され疎まれ続けた名カードだが、《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》などのミシュラランドはその相互作用により本来の能力やP/Tを維持したまま使用可能。ずるくね?
※例えば《謙虚/Humility》環境下で《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》をクリーチャー化すると「2/2茶の組立工作員、強化能力使えない、マナ出ない(ターン終了時土地に戻る)」となるため、他の1/1達を相手に戦闘を有利に進める事ができる。
また苦労して出したクリーチャーが「《正義の命令/Decree of Justice》のトークンと等価です」と言われてしまうと非常に悲しい。ここも《謙虚/Humility》を強力にしている一因。ゆえにクリーチャーベースのデッキは《謙虚/Humility》で機能不全になってしまうものも少なくない。
欠点としては前述の通りルールが複雑な点。使用前に一旦復習してみるのもいいだろう。
青白というカラーリングの都合上すぐに勝つのは比較的難しいが、色ゆえにサイドボードも強力なものを採用できるので「勝ってないけどほぼ勝ち」みたいな状況は結構発生しうる。逆に言えば時間切れに注意ということでもある。
アグレッシブサイドボードにて《賛美されし天使/Exalted Angel》モードに切り替えスピードアップするのもいいだろう。
《意志の力/Force of Will》《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》さえあれば比較的楽に組めるかも。《謙虚/Humility》が高いが、入っても1~2枚程度。
【サイカトグ】
《意志の力/Force of Will》デッキ3つ目。こちらもベースはコントロールデッキだが、コンボデッキの側面あり。
かつてのスタンダードの覇者、現代では超能力を持ってリメイクされているという噂。
元祖である《サイカトグ/Psychatog》もパンチ力は健在、というか瞬間最大火力は超能力を超えている。同コスト帯のクリーチャーで殴り合って勝てる生物はほとんど存在しない。
ゲームが進めばパワー無限大。こいつが一撃20点削る爽快なゲームは病みつきになるだろう。
注目カードは《嘘か真か/Fact or Fiction》。純粋なドロースペルでもあり最強の攻撃手段で、手札と墓地が増えることで《サイカトグ/Psychatog》が瞬殺可能なサイズまで膨れ上がる。青い《樫の力/Might of Oaks》と呼ばれる所以。
ダメージ推移も1点→1点→1点→15点(死)のような意味不明な経過を辿る時があり、《嘘か真か/Fact or Fiction》などのインスタントドロー呪文の存在により「死なないと思って通したらうっかり死んだ」というような事例も多い。
またミドルスクールでは《狡猾な願い/Cunning Wish》などの願い系サイクルのルールが旧ルールに近いものになっており追放領域を参照できる(当時は今で言う追放領域はゲーム外領域の扱いだったので願い系サイクルで参照可能だった)ため、《サイカトグ/Psychatog》の能力で《嘘か真か/Fact or Fiction》を追放し《狡猾な願い/Cunning Wish》でまた唱え直す事ができる。合計2回くらい撃つと大体即死サイズ。
タイプとしては2つ。
《激動/Upheaval》型:スタンダードで一斉を風靡した美しき勝ち手段。マナを浮かせて無人の野に《サイカトグ/Psychatog》を出し、次のターンに戻った土地等を全て捨てて一撃死
《シャドーの裂け目/Shadow Rift》型:ドロー呪文を連打して手札墓地を増やし、《狡猾な願い/Cunning Wish》からの《シャドーの裂け目/Shadow Rift》で一発貫通
いずれも《夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar》《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion》などで諸々のコストを下げてカウンターやドローを撃ちやすくする構成が好まれる。
そんなクソ強そうな《サイカトグ/Psychatog》だが、環境のメイン除去が《剣を鍬に/Swords to Plowshares》であり、またサイドボード後は《紅蓮破/Pyroblast》など軽い呪文にも逐一対処を迫られるため、各対処法を意外と漏らしやすい。事前準備は充分に必要だ。
また2本目以降は後出しの《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》などが有り得るので、殴って通るなら墓地は使えるうちに積極的に放出していく方が良いケース多し。
デッキ的には《意志の力/Force of Will》《狡猾な願い/Cunning Wish》《汚染された三角州/Polluted Delta》辺りを持っていると組みやすい。《狡猾な願い/Cunning Wish》なかなか再録されないなあ。
【ゴブリン】
ミドルスクールはスカージまで使用可能。
スカージで超強化された部族と言えばゴブリンだ。
先攻《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》は今も昔も震え上がるほどの強さで、ひとたび通ってしまえばここからマナジャンプしていく動きを止める事は非常に難しい。
また《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》による速攻、《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》による超火力、《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》による大量ドロー…とアグロデッキらしからぬ多彩さも秘めている。
注目カードは《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》で、多彩さを支えている屋台骨。状況に応じて様々なゴブリンにアクセスした上で、本体が不要であれば《陰謀団式療法/Cabal Therapy》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》で処分してしまえばいい。
《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》との相性も素晴らしく、コスト軽減により《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》→持ってきたカードで計2マナ分もお得である。
赤いアグロデッキゆえに《寒け/Chill》は危険。また《仕組まれた疫病/Engineered Plague》《法の領域/Sphere of Law》と(一発投了ではないものの)中々に重くのしかかる対策カードも蔓延っており、2本目以降凄惨な場面に目を覆いたくなる事も多々。
でも虐待もゴブリンの華なので別にいいか…という目線で見ているプレイヤーも多い。
赤いデッキゆえに細かい対策部分への小回りが効きにくい事も多く、マナとしても使える《リシャーダの港/Rishadan Port》《不毛の大地/Wasteland》のような拘束要素をメインから取るタイプが一般的。加えてタッチカラーとして黒か緑で補助要素を取る事が多い。
価格的には《リシャーダの港/Rishadan Port》《不毛の大地/Wasteland》がそこそこ高い。もしレガシーでデスタクを使っていた、という方なら楽にスライドできるかもしれない。これらの拘束ランドを使用しない(ある程度土地を切り詰める)タイプも存在し、その場合は安価になる見込み。
各ゴブリンについては再録も多いため安価。高いところだと《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》が1200円くらい、《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》が1500円くらい。
以上が他フォーマットの資産を活かせそうな奴ら。
以下はある程度高額の専用カードが必要になるため、とりあえずわかりやすく強いデッキくれ!という方向け。
『なんでもいいから強いデッキ知りたい人向けデッキ』
【スタイフルノート】
強烈な《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》の、これまた強烈なデメリットを《もみ消し/Stifle》《幻視の魔除け/Vision Charm》でなんとかしようという暴力的なデッキ。
《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》のテキスト変更には紆余曲折あったが、現在では出た時の誘発型能力になっているため《もみ消し/Stifle》で消す事ができる。《幻視の魔除け/Vision Charm》の場合はフェイズアウトにより次のターンまで居なくなってしまう(その間ブロックには行けない)ものの、返しのソーサリー除去は受け付けないという隠れたメリットも。
注目すべきは1マナ+1マナという驚異的なコンボ要求マナの軽さ。素の土地置きだけでも2ターン目に決まってしまうため、この速度感を超えるデッキは僅少。12点ずつなのでその後2ターンで勝ってしまう。
これに加えて《意志の力/Force of Will》《目くらまし/Daze》などの軽量カウンターもあるため、場合によっては除去することすら困難だ。
普通に《対抗呪文/Counterspell》を構えながら相手の動きを制限→相手が吐き出し切ったところでコンボを決める…という柔軟な動きも可能なため、相手からすれば揃っているのかそれともカウンターを構えているのかよくわからない状態での戦いを強いられる。たまに両方だったりする。
弱点としてはいくら2枚コンボとはいえ《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》側のパーツが本体のみであるため、デッキに4枚のこれを求めて四苦八苦する事がある点。コンボ失敗時はカードを2枚失うという少々リスキーな面もありそれなりに苦しい。
とりあえず揃ったら見切り発車的に出す、もしくはカウンターを溜めてから出す等の選択は常に求められるだろう。
タイプとしては青単が最もポピュラーではあるものの、黒や白をタッチするプレイヤーもいる。黒の場合は《サイカトグ/Psychatog》、白の場合は《悟りの教示者/Enlightened Tutor》などが入る。
スタイフルノートはデッキ登録者数も多くバリエーション豊富。
【補充】
《パララクスの波/Parallax Wave》《パララクスの潮流/Parallax Tide》の二大拘束エンチャントを軸に立ち回るコンボデッキ。
これらの拘束エンチャントと《オパール色の輝き/Opalescence》を《大あわての捜索/Frantic Search》《調律/Attunement》で探し、あるいは墓地に埋めた上で《補充/Replenish》で釣り上げる。
注目カードはやはり上記の2種消散エンチャント。
《オパール色の輝き/Opalescence》が場にある状態で《パララクスの波/Parallax Wave》に充分なカウンターがある場合、簡単に言うとプロテクション白もしくは被覆のないクリーチャーは全て永久に追放されてしまう。その上で対戦相手のクリーチャー除去に対しては《パララクスの波/Parallax Wave》での出し入れで耐性ありの状態となる。
《パララクスの潮流/Parallax Tide》を出されてしまうと、それ単体でもほとんどのデッキは足止めを食らう。これに《浄化の印章/Seal of Cleansing》もしくは《パララクスの波/Parallax Wave》《オパール色の輝き/Opalescence》が足されると、上記の永久追放が土地に対して行われるという涙不可避の事態が発生する。
これらのエンチャントと《補充/Replenish》自体が全て4マナ…と数字上はなかなかに鈍重なのだが、2マナランドを駆使したり《補充/Replenish》ルートならそもそも逐一4マナ払わんが?等の力強い手法により運用されている。
恐らく現在のミドルスクール環境において恐らく最強に近い。それだけにそこそこ意識されてメタゲームが回っている。風当たりが強めなのは弱点と呼んで良いのか微妙な気もするが。
デッキ自身の弱点としてはやはり4マナ域の枚数過多であるためテンポ感はそれほど良くないため、それなりの枚数のカウンターが取られているデッキには少し厳しめ。《古えの墳墓/Ancient Tomb》を使いすぎるとライフが危なくなったりもするが、そこを狙われるというなんだか牧歌的な死に方も結構する。《大あわての捜索/Frantic Search》を連打する過程において必要っちゃ必要だがご利用は計画的に。
また似たような要因だが、充分なマナが出る事も円滑に動く条件であるため、4マナ目を縛られると動き出せない…ということもある。
このデッキの存在が墓地対策増加の一因でもある。ただし《補充/Replenish》だけでなく普通にエンチャントを素で連打して勝つパターンもカウンターされなければ充分に強いので、墓地対策だけで片付かないというのがデッキの強み。
いかがでしたでしょうか。
使ってみたいデッキが見つかれば幸いです。
また「読んだが見つからなかった!」「お前の紹介は参考にならん!!!」という方、いらっしゃいましたら申し訳ございません。
こんなこともあろうかと他力本願の秘策を用意してあります。
このフォーマットはまだ発展途上なためか、日々様々なデッキリストが猛者達によって登録されています。
そんな猛者達のデッキリストの探し方はこちら!
1:晴れる屋のデッキ検索ページを開く
2:下の検索欄の大会名のところに「ミドルスクール」と入力
3:あとは上から順に見ていこう!!!
それなりにデッキリスト登録数は増えてきたのですが、他フォーマットのような「パイオニアのラクドスが見たい」等の特定デッキへの導線は今のところなさげ。非公式ゆえ致し方なし。
あと手前味噌ながらこういうのもあります。
全て補完できているわけではないのであしからず。
そうそう、忘れてはいけないタイムリーな情報!
(恐らく)ミドルスクール人気の影響で一部旧枠のカードがそこそこ値上がりしてるの皆さんご存知でしたか?
例えばTheRockなどで活躍中の《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》。
何故か新枠(C13)版の20倍の価格。しかもいつ見ても週間販売数付きの売り切れなんです。凄い…。
もちろんルール上は新枠版も問題なく使用可能です。当時のバージョンを使いたい、という方が多いということの表れでしょうか。
それでは皆様の参戦お待ちしております。
もしイベントに興味が出てきた・一刻も早く腕試ししたいぞって方がいらっしゃいましたら、イベントページで「ミドルスクール」で検索!
----
そんなかんじでーす(^o^)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?