見出し画像

ミドルスクール調整録23

こんにちは。皆さんミドルスクールしてますか?

僕は転勤により東京に戻ってきましたが、逆に仕事が多忙すぎてイベントにあまり参加できず、時間を見つけて遊びに行こうと画策しています。

-----

ここで宣伝っ!!!
ヴィンテージのオンライントーナメントで有名な「添削杯」主催である添削(@kakikukeko2131)さんが、ミドルスクールのオンライントーナメントを開催します!

その名も「名作杯」!

僕は決勝トーナメントの解説として参加させていただきます!
今からどんなデッキが勝つのか楽しみで夜しか寝られません!

宣伝終了っ!!!




だいぶペースダウン&時間が空いてしまいましたが、今回は晴れる屋吉祥寺店にてSEありの大会に出場した際のことでも書こうと思います。


-----



◆《時間づまり/Chronostutter》

時間がなかった。

もちろん調整時間は無限すぎるくらいにあった。
先月ふらっと吉祥寺店のミドルスクールイベントに行った際、大会担当の方や参加者の面々と「次はSEありのイベントやってみたいね」という旨のことも話していたし、その決定と告知も迅速に行われていた。
また普段の僕は「構想時間>>>実際の練習時間」くらいのバランスで、暇さえあれば「《火薬樽/Powder Keg》強くね?」のようなことを考えていたりするので空き時間はとにかく有効に使えていた。
加えて今の僕は晴れる屋トーナメントセンター東京勤務であるため、日本で最も「必要なカードが当日まで揃いませんでした」という言い訳が通用しない立場(=出勤すれば即購入可能)と言っても過言ではない。
それくらいお店の在庫が充実しているので、このnoteを読んでくださっている方々は是非一度晴れる屋通販サイトや実際の店舗をチェックしてみてほしい。
普段よりご利用いただいている皆様、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

ともあれ調整時間はどう考えても「あった」のだが、とにかく「時間がなかった」。

そう。
当日の時間が。


【当日の予定(脳内)】
13時:吉寺店にてミドルスクール大会開始
18時半:高田馬場ミカドにてUNDER NIGHT IN-BIRTH(格ゲ)大会
※13時~18時半の5.5時間で大会を終わらせ高田馬場に向かう必要あり
※吉祥寺→高田馬場まで店舗ドアドア25分

無理では?????
…と思ったが、MTGの大会は50分で回るのだ。毎回延長ターンに入るようなデッキは稀で、それも当たり運によって起きるだけ。
なるほど、50分なら5ラウンド(5時間)あれば合計50分軽減されるから4時間10分で5ラウンド終わるな!

そこに立ちはだかるのは、僕たちの望んでいたSEの壁。
早回しも有り得るが、まあ普通に見積もってTOP4なら1時間~1.5時間、TOP8なら2時間強だ。

無理では??????????

そんなわけで始まる前から詰んでしまったのだが、これは時間を最大値で計算した場合の話。現実的にはいくつか抜け道があると考えられる。

1、参加人数が少ないかもしれないので、ある程度のラウンド早回しが考えられる
2、参加者が少ないかもしれないので、既定の回戦数より少なくなる
3、SEで音も立てずに瞬殺する

1は要するに50分経たずに全テーブルの試合が終わってしまうパターン。30分後には次のラウンドが始まっていることもある。高速環境のフォーマットかつ規模の小さい大会ではよくあることだ。
まあこれは僕側からは操作できないので運ゲー要素である。
2は少し寂しい話でもあるが、例えば参加者数が8人未満であった場合SEが行われない可能性がある。この場合はほぼ総当たりの4~5回戦であったりとか、3回戦で締めてしまう場合もあるだろう。
ただこれは大会参加者数が少ないという個人的に嬉しくない要素も含むため、逆に定員マックスまで参加者がいて僕が時間的ゲームオーバーする形の方が圧倒的にましである。
そしてこれも参加者数依存なので運ゲーだ。

ということは、3。
「SEで音も立てずに瞬殺する」。

これが今回のミッションとなった。



◆最速のデッキを探せ

最速とは、つまり最速である。

何を言っているんだこいつはと思われるかもしれないが、要するにラウンドが最も早く終わればいいのだ。

例えば(現実的にこれが最速になることはないが)最速で《対立/Opposition》《静態の宝珠/Static Orb》を揃え、「まだやるかい?」は最速ではない。
何故なら対戦相手がまだ息をしているからだ。アンタップステップに土地が2個起きたらまだ何か起きるかもしれないし、ライフだって残っている。

以前僕が使ったループジャンクションは成立速度も速く、安定性の面でも2種あるパーツが多くかなり成立しやすいコンボだ。
ただこれも「俺のこの強靭な体に傷を付けることができるかな?」という状態になるだけなので、《忍耐の試練/Test of Endurance》という勝利はありつつも相手によっては成立=即投了ものではないパターンがいくらでもある。

つまり。
最速で勝つには、「その場で」勝利条件を満たす必要あり。

候補に挙がったのはこの2つ。
・アルーレン
・リアニメイト

無料はずるい
軽すぎ

前者は何度か使ったことがあるし、後者もかなり回している。
この辺りの練度も候補の理由ではあるのだが、何より「超高速である」という条件には合致していた。

その上で、僕はこの2つなら(今回の選定理由の上で)リアニメイトを使うだろうな、と思った。
※時間的制約を抜きにして考えるとまた変わってくると思います。どっちもすごく強いデッキです。

以下はその理由である。

・ドブンがある
《納墓/Entomb》→《再活性/Reanimate》の1マナ→1マナの動きは、マナ域の問題もあり妨害されにくい。
赤系やビートダウンに対するこの動きは本当にこの世のものとは思えないほどの地獄のムーブで、2ターン目に《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》が出てきたら簡単にゲームが終わる。
アルーレンももちろんドブンが存在するし、3ターン目にはプレイヤーが跡形もなく消し飛ぶので最速と言えば最速だ。
ただ実際のゲームでは3ターン目《魔の魅惑/Aluren》出します→《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》出します以下略(ミドルスクール調整録17参照)のような説明フェイズが存在するかもしれないし、仮に僕が相手側ならギミックを理解しているとしても相手の勝ち手段は確認しておきたい。というかそれが普通だ。
つまりゲーム内の時間では最速だが、現実的に流れる時間の中では最速ではない。ザ・ワールドが漫画のページやアニメの時間を消費しているようなものである(適当)
それに比べてリアニメイトは(成功すれば)成立後はカードを引いてクリーチャーを横に倒すだけなので簡単だ。
早くやろうと思えば秒単位で可能。

・妨害行動に対する待ち時間
1ゲーム目については「カウンターされたらどうしよう」「除去があったらどうしよう」のような妨害に対する動きはリアニメイトの方が簡単かつ、軽さの問題でテンポがいい。
パーツ個々が1マナ2マナと軽量化されており、さらにそれをバックアップする《強迫/Duress》《陰謀団式療法/Cabal Therapy》も1マナだ。
《魔の魅惑/Aluren》は本体・《アカデミーの学長/Academy Rector》経由のいずれも4マナ必要になってしまい、仕掛けるまでに相手側の準備も完了してしまう。また一度妨害された後の切り返しは若干難しい。
リアニメイトはその気になれば分割払いできるのが強みで、落とすことにさえ成功すれば1発目が消されても複数枚入っている釣竿を待つことで再始動できる。

・サイド後
いずれも絶対に対策されるので、勝ち手段が《魔の魅惑/Aluren》のみのアルーレンは(対策を無視して始動することができないので)手札破壊のアシストなしにはメインボードよりは減速して動くことになるはずだ。
一方でリアニメイトは《トーモッドの墓所/Tormod’s Crypt》に涼しい顔で《ドルイドの誓い/Oath of Druids》をプレイできる可能性があり、プランのずらし角度は中々のもの。
リスクがあるとすればそもそも攻撃できなくなってしまう《罠の橋/Ensnaring Bridge》くらいだ。



◆いじってみた

とけいまわり(@tokeimawari)さん寄稿の記事内で紹介されていたリアニメイトが軽くて良さそうだったので、これをベースに作ることにした。

以下は改変後のリスト。

4《土喰い巨獣/Petradon》
4《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》
1《新緑の魔力/Verdant Force》
1《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》
2《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》
2《暴露/Unmask》
2《生+死/Life+Death》
4《入念な研究/Careful Study》
4《納墓/Entomb》
4《再活性/Reanimate》
4《死体発掘/Exhume》
4《強迫/Duress》
4《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
4《水蓮の花びら/Lotus Petal》
5《沼/Swamp》
4《真鍮の都/City of Brass》
4《宝石鉱山/Gemstone Mine》
3《知られざる楽園/Undiscovered Paradise》

4《ドルイドの誓い/Oath of Druids》
2《要塞の計略/Stronghold Gambit》
2《紅蓮破/Pyroblast》
4《火薬樽/Powder Keg》
3《棺の追放/Coffin Purge》

50%《グリセルブランド/Griselbrand》
背景がきれい!

それでも4はやり過ぎだろ…どう見ても…

実際に一人回しをしてみて、(手札に)次々押し寄せる《土喰い巨獣/Petradon》の前に《入念な研究/Careful Study》の捗りっぷりはなかなかだった。良い意味でも悪い意味でも。

元のレシピから自分なりに変えた点は以下。

・「弾」「釣り竿」「落とす手段」の枚数をできるだけ近くする
上記レシピの場合、それぞれ10枚になっている。
※《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を自分に撃つ前提だと落とす手段が少し多いが、一番危険なプレイなのでできるだけこれは控えたい。
各パーツを引けずに燻ってしまうと厳しいため可能な限りマリガンで揃えられるように調整した。

・勝ちたい相手に合わせてクリーチャーの選択を変える
以前リアニメイトを回していた際の知見として、釣り上げたいクリーチャーの区分としては以下のようなものがある。
A:「複数のマッチで機能するので、絶対に墓地に落としたい。そのため《納墓/Entomb》以外で落とす以外にも《入念な研究/Careful Study》《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》で捨てることを想定し複数枚採用したいもの」
B:「特定のマッチでのみ機能する、または複数のマッチで機能しにくいパターンが発生しうるため《納墓/Entomb》からのみ欲しいもの」

前者は多ければ4枚、後者は自動的に1枚だ。
ビートダウンを最も殺せるクリーチャーは《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》だと思う。《再活性/Reanimate》する瞬間だけは若干怖いが、ここを超えて殴り出すと一瞬でライフレースが狂ってしまう。
《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》も捨てがたい。ただこれと《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》であれば環境で使われている除去との相性を鑑みるに除去リスクはほぼ同一(いずれか片方のみ殺せる除去でプレイアブルなものが少ない)なため、赤相手に強制的にライフレースに持ち込める《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》が良さそう。
一応青緑マッドネスに対しては立つブロッカーである《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》の方が良いこともあるが、なんとなく吉祥寺での人口は赤>青緑だと思ったので《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》を優先した。

そして《土喰い巨獣/Petradon》。
恐らくこいつが一番コンボデッキを殺せる。はず。
スタックで除去されてしまうと《剣を鍬に/Swords to Plowshares》ならインスタントながら瞬間的に1マナ増えるという謎の仕様で苦笑いだが、大抵のコンボデッキに土地2枚マイナスはかなりのダメージ。
《粛清するものクローシス/Crosis, the Purger》という手もあったが土地が少なすぎて3マナ出せるか分からないくらいの状態だったので、その場ですぐ効く《土喰い巨獣/Petradon》に軍配が上がった。

サイドボードは特に言う事はないが、一言でまとめるならこのデッキがサイドインしてくる置物の強さは普通のデッキがサイドインしてくる置物の1.2倍くらい強いと思う。



◆RTA開始

9/24晴れる屋吉祥寺店ポイント争奪ミドルスクールに参加(13:00)

1回戦 ワイルドゾンビ
1戦目:適当なニショーバが適当に適当して勝ち。
2戦目:《隠遁ドルイド/Hermit Druid》のめくれが強く《灰燼のグール/Ashen Ghoul》が複数めくれて負け。
3戦目:手札が強すぎて勝ち。
〇×〇
手札破壊次第だが、ベースがクリーチャーデッキなのでまあ行けそう。

2回戦 青赤ランドスティル
1戦目:《土喰い巨獣/Petradon》がむちゃくちゃして勝ち。
2戦目:手札破壊ハマり、《土喰い巨獣/Petradon》のケツがでかくて勝ち。
〇〇
除去が火力なのでカウンターだけ対処すれば大丈夫そう。
サイド後は《要塞の計略/Stronghold Gambit》が狙える相手。

3回戦 白単ウィニー
1戦目:ニショーバ
2戦目:《ドルイドの誓い/Oath of Druids》を適当に出したら
《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》×3
《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》

みたいな場になって草。誰だ4枚入れた奴は…。
〇〇
メインに《鞭縄使い/Whipcorder》、当然《剣を鍬に/Swords to Plowshares》もある相手なので超有利というわけでもない。
ただサイド後に相手は対策カードを入れるせいでメインより回りが悪くなるため、時間経過も含めてこれは相性が覆ることはないと思う。

4回戦 補充
1戦目:《納墓/Entomb》が欲しい相手だが《強迫/Duress》+《入念な研究/Careful Study》連射でキープしたら《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》釣りになってしまい、《強迫/Duress》で《パララクスの波/Parallax Wave》落とすも再度引かれてしまい減速→そのまま《補充/Replenish》まで行ってしまい負け。
2戦目:強めにマリガンしたものの《土喰い巨獣/Petradon》に辿り着かず負け。
××
一番《土喰い巨獣/Petradon》が輝くマッチになりそうだったが、成らず。

5回戦 The Rock
当たり的に相手がIDできないのでガチ。
1戦目:このマッチのために入れた《新緑の魔力/Verdant Force》が初手にあってラッキーを感じる。
《新緑の魔力/Verdant Force》釣り後相手《破滅的な行為/Pernicious Deed》設置→《納墓/Entomb》→《陰謀団式療法/Cabal Therapy》指定《悪魔の布告/Diabolic Edict》で全知全能になって勝ち。
2戦目:《納墓/Entomb》→《新緑の魔力/Verdant Force》で一生トークン出し続けてチャンプアタック繰り返して勝ち。
〇〇
1本目のプレイだが、実は《納墓/Entomb》にスタックで《破滅的な行為/Pernicious Deed》を0起動されるとフラッシュバックコストが払えず《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を持ってくる意味がなくなる(※その場合は次に釣りたいカードを持ってくる)ので、次のターンアップキープ誘発スタック《悪魔の布告/Diabolic Edict》で平らな場に戻っていた可能性があった。
とはいえ《悪魔の布告/Diabolic Edict》を指定されるパターンを予想できなければ難しいので、自分がThe Rockを使う時は気を付けたい。
まあ大筋としてこのマッチの《新緑の魔力/Verdant Force》は出ると大体無理なので仕方ない。

2位抜け(17:00)

準決勝 青黒スタイフルノート
1戦目:《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》を釣るがその後を連打できず、《ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought》をコピーした《ヴォルラスの多相の戦士/Volrath's Shapeshifter》により《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》が縮みきるまでゲームが長引いてしまい負け。
2戦目:大量の土地を抱えてしまい、5色土地だらけなので《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》が素出しできそうになってしまい負け。
××
地上戦になってしまった場合に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》が必要になるのだが、最速回りだった時に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》だと間に合わないのでライフレースと牽制になる《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》を優先したらその後の《納墓/Entomb》に辿り着けず。

ここで17:30。

ちなみにこの後決勝戦が行われたが、それを決着まで観戦してちょうど18:00。予定には余裕で間に合う時間。

このフォーマットは速い。そう思わせる一日だった。



◆生き急ぐな

主題であった最速かどうかはともかく使っていて非常にパワフルなデッキだった。オススメ度はかなり高い。

欠点があるとすれば早すぎて暇な時間が増えるかもしれないという点。まあリアルの大会ならベガ立ちで楽しむというのも一興かもしれない。
そういう意味でもハイレベルなトーナメントに持ち込んでも好成績が見込めるデッキだと感じた。

-----

改めての宣伝となるが、今週末オンラインでミドルスクールイベントである「名作杯」が開催される。
元になっている「添削杯」は主にヴィンテージ、たまにオールドスクールやINVブロック構築なども開催されている大人気のトーナメントだ。
国内ではSEありのミドルスクールイベントは少数であるため、どんなデッキが勝つのか注目の的。
興味のある人は是非参加を検討してみてほしい。

また興味はあるがミドルスクールをやったことがない、という方でも環境や採用カードを目で見る良い機会となること間違いなし。
配信は是非視聴すべし。



そんなかんじでーす(^o^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?