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境界線上のミドルスクール - Middle School MTG on the middle of nowhere(第1回「名作杯」特別企画)

Author:とけいまわり(@tokeimawari)

0.プロローグ(ちょっとした昔話)

 中学時代にMtGを遊んだ仲間がいた。高校、大学と同じ学校に進学したが、大学受験を機にMtGはお互い引退していた。大学時代はあまり交流はなかったが、1年に2回ほど会っては近況報告などをする仲ではあった。

 そんな彼と、お互いに大学院に進学したころにやりとりをした際のメールの文面を、今でも覚えている。

「そういえば、大学の研究室で久しぶりにMtGをやったよ。知らない間にいろいろカードが増えてて、装備品とかプレインズウォーカーとかわけわかめだった。とりあえず、ボーラーで殴っておいた。」(原文ママ)

 そういえば彼は根っからの赤単使いで、中学時代から彼の《ボール・ライトニング/Ball Lightining》に何度も殴り倒されていた。

 その後、社会人になった彼はレガシーフォーマットでレーティング1800超のプレイヤーになり、いつの間にか彼のデッキからは《ボール・ライトニング》が抜け、代わりに《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》が入っていた。時として、時間は残酷である。

 その後、久々に会った彼に、MtGの変化について聞いた。続唱の強さを嬉々として語られた。しかしそれでも、彼の好きなカードは、未だに《ボール・ライトニング》なのだという。

 思い出。

 それは初めて出かけた遊園地のように、あるいはあの日の初恋のように、鮮烈に記憶に刻み込まれた思い出。誰もその記憶には抗えない。

 残念なことに、その記憶は、再現することはまずない。特にカードパワー上昇著しい近代MtGにおいては、夢のまた夢である。

 だが、しかし。

 その思い出を追体験することが、この令和の時代にできる――と聞いたら、あなたはどうするだろうか。

 記憶の彼方に追いやったはずの青春を、もう一度味わえるのかもしれないのだ。そんな場所があるなら、試したい。それが人間の本能ではないか。

 そんな舞台が、既にこの世に用意されている。

 その舞台の名は、「ミドルスクール」。

 君の追憶を現実にする、魔法のような舞台の名前だ。



1.ミドルスクール(Middle School MTG)とは

 前置きが長くなったが、ミドルスクールとは、米国のMtGコミュニティETERNAL CENTRALが制定した(と推定されるが、諸説あり)非公式フォーマットのひとつである。
 下記サイトにてルール説明や禁止カードリスト、またいくつかのイベントレポートなどが見られる。時間のある時に覗いてほしい。

 当然ながらすべて英語のため、以下日本語にてルール概要を綴る。

1-1.使用可能カード

 一言で表現すると、「オールドスクールとモダンの間のエキスパンションが使用できる構築フォーマット」である。年数で区分すると、次のようになる。

オールドスクール:1992~1995
ミドルスクール:1995~2003
モダン:2003~

 つまり、上記の約8年間で発売されたエキスパンション(基本セットを含む)および一部特殊セットに収録されたカードが使用できる。
 モダンの定義が「新枠」つまり枠デザインの大幅変更後のエキスパンションから、という定義のため、いわゆる「旧枠」のカードを使用することになる。

 具体的にセットを列挙すると、下記の通りとなる。

■基本セット
(第4版、クロニクル、ルネッサンス、第5版、第6版、第7版)
■エキスパンション
・ホームランド
・アイスエイジ・ブロック(アイスエイジ、アライアンス)
 ※コールドスナップを除く(新枠のため)
・ミラージュ・ブロック(ミラージュ、ビジョンズ、ウェザーライト)
・テンペスト・ブロック(テンペスト、ストロングホールド、エクソダス)
・ウルザ・ブロック(ウルザズサーガ、ウルザズレガシー、ウルザズディスティニー)
・マスクス・ブロック(メルカディアンマスクス、ネメシス、プロフェシー)
・インベイジョン・ブロック(インベイジョン、プレーンシフト、アポカリプス)
・オデッセイ・ブロック(オデッセイ、トーメント、ジャッジメント)
・オンスロート・ブロック(オンスロート、レギオン、スカージ)
■初心者向けセット
(ポータル、ポータルセカンドエイジ、ポータル三国志、スターター、スターター2000)
■その他使用可能なカード
・構築済ギフトボックスシリーズ
(アンソロジー、バトルロイヤル、ビートダウン、デッキマスターズ)
・世界選手権デッキセット1996~2003
(いわゆる「金枠」構築済。カードは上記セット内のもののみ)
・特別プロモーショナルカード
(《闘技場/Arena》《Sewers of Estark》《ナラスニ・ドラゴン/Nalathni Dragon》《大アナグマ/Giant Badger》《Windseeker Centaur》およびDCI会員プロモーショナルカード

※World Championship Decks 2003のみ新枠で印刷され、また第8版の一部カードを含む(ただし第8版は過去の再録カードで構成されるため、使用カード範囲に影響はない)。

 感動する人もぽかんとする人もいると思うが、使えるカードは「オールドスクール範囲外の旧枠カード」という覚え方が手っ取り早いだろう。とはいえほとんどはモダンで使えないカード(※)であり、一部のEDH・レガシー需要のある高額カードを除き、平均単価は非常に安い。

アイエエエ! ナンデ!? ヒムナンデ!?!?

 ただしご留意いただきたいのが、一部のオールドスクールリーガルのカードも使用できるという点だ。往々にして構築済「アンソロジー」や変則スタンダード時代の「ProTour NewYork Decks 1996」収録カードのせいなので、下記などで使用可能なカードをご確認いただきたい。

 具体的には上記セットが該当する。ぜひくまなく見てほしい。(参考まで、こちらで確認できたカードの一覧を下記に記す。一番使われるのは《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》なのは間違いない)

『レジェンド』からの再録
《Lady Orca》
《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
 
フォールン・エンパイア』からの再録
《アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers》
《Combat Medic》
《Order of Leitbur》
《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》
《Order of the Ebon Hand》
《ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade》
《Aeolipile》
《Ring of Renewal》

オンスロート版が市場に見当たらないようです

 なおデッキ構築の際は、新枠(いわゆる再録カード)を使用しても問題ない。


1-2.禁止カード

 非公式フォーマットながら、例に漏れず禁止カードも存在する。見る人が見れば「まぁそうだよね」となるカードが多いが、意外なカードも存在する。一覧をご覧いただきたい。

  • 《天秤/Balance》

  • 《渦まく知識/Brainstorm》

  • 《チャネル/Channel》

  • 《暗黒の儀式/Dark Ritual》

  • 《Demonic Consultation》

  • 《閃光/Flash》

  • 《ゴブリン徴募兵/Goblin Recruiter》

  • 《伝国の玉璽/Imperial Seal》

  • 《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》

  • 《魔力の墓所/Mana Crypt》

  • 《魔力の櫃/Mana Vault》

  • 《記憶の壺/Memory Jar》

  • 《精神の願望/Mind's Desire》

  • 《精神錯乱/Mind Twist》

  • 《露天鉱床/Strip Mine》

  • 《トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy》

  • 《吸血の教示者/Vampiric Tutor》

  • 《意外な授かり物/Windfall》

  • 《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain》

  • 《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》

  • アンティ関連のカード(《Amulet of Quoz》《青銅のタブレット/Bronze Tablet》《宝石の鳥/Jeweled Bird》《再誕/Rebirth》《嵐のイフリート/Tempest Efreet》《Timmerian Fiends》)

 なお、レガシーでも禁止実績のある《修繕/Tinker》は2020年5月22日に禁止解除となっているhttps://www.eternalcentral.com/banned-and-restricted-list-changes-to-middle-school-05-2020-update/)。

 いわく「サーチ先に確定勝利となるようなカードが存在しないため、環境多様性を促進するための禁止解除である」との説明である。


 意外なところ、というかレガシーでOKなカードの中では《渦巻く知識/Brainstorm》《暗黒の儀式/Dark Ritual》だろうか。前者の禁止は環境の青偏重の抑止、後者の禁止は即死コンボデッキの抑止が目的となっている。

1-3.特殊ルール

 ミドルスクールは基本的に現行の公式ルールに基づくが、カードの挙動などを当時と揃えるため、3つの特別ルールが存在する。以下の3点については、2003年当時のルールが適用される。

(1)マナバーン・ルールが適用される。
(各フェイズの終了時(ステップではない)、そこまでに使用しなかったマナ・プールのマナ1点につき、そのプレイヤーは1点のライフを失う)

(2)「願い」サイクルはゲーム外領域を参照する。
(サイドボードから選べるだけでなく、現在の追放領域のカードを参照することができる)

(3)戦闘ダメージがスタックに乗る。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/damage-stack-2002-12-11参照。いわゆる「第6版ルール」。戦闘ダメージ、特に致死ダメージを受けたクリーチャーは現行ルールでは即時墓地に置かれるが、このルール化では「戦闘ダメージ(致死ダメージを含む)をスタックに積んだ状態」で互いに優先権が与えられる。何ができるかは、MTG Wikiの「当て逃げ」の項を参照されたい。)

 このルールにより、「当時のルール通りのカード挙動」を一部再現できる。
 具体的には《モグの狂信者/Mogg Fanatic》で《灰色熊/Grizzly Bear》と相打ちを取ったり、《意志の力/Force of Will》で追放した《隔離/Sunder》を《狡猾な願い/Cunning Wish》で取り戻したり、《エラダムリーのぶどう園/Eradamry's Vineyard》で強制マナバーンを起こすことも可能だ。

1-4.「プレモダン」との違い

 ミドルスクールと同じような枠組みで、「プレモダン」というフォーマットが存在する。プレモダン/PremodernはMartin Berlin氏により考案されたフォーマットで、使用セット、ルールなどに差異があり、別物なので注意されたい。


1-5.つまり、ミドルスクールとは

 上記がルールの概略となるが、要するに、

「皆の思い出のカードでMtGがプレイできる令和のコミュニティ」

 なのである。

 特に一度MtGから離れたことのあるプレイヤーは感じたことがあると思うが、「当時何千円もしたあのカード、今のMtGじゃ活躍してないんだ・・・」と虚しさを覚えたはずだ。

 この環境はそうではない。

 あの時のカードをさして変わらない環境で、プレイヤーとして強くなった(はずの)自分が、そのまま携えて、まだ見ぬ誰かと戦える。

 それだけで素敵じゃないか。

 もちろん、始めた頃には既に新枠だった、というプレイヤーにも、門戸は開かれている。見るカード1枚1枚が新鮮で、おかしな挙動をするカードも数多い。
 20年以上前のカードに触れて得られる経験や楽しさは他に代えがたいものがあるだろうし、古参プレイヤーの「昔〇〇っていうカードがさぁ」という昔話をよりリアルに感じることができるのも趣深い。

 そう、ミドルスクールは、人類が一足先に手に入れたタイムマシンだ。

 搭乗方法は至ってシンプル。自らのデッキを組むこと、それだけだ。

 さぁ、デッキを組んでみよう。

 ――とはいえ、ノーヒントでいきなりデッキを組むのもなぁ、という気持ちも理解できる。そこで本稿では、過去に類を見ないボリュームのアーキタイプ紹介を通じて、ミドルスクールの「今」を紐解いていく。





2.環境紹介

2-0.フォーマット・ブレイクダウン

 前提として、大きな大会が行われているわけではない。他非公式フォーマットと比べても、大会のレポートも限られる。

 つまり、メタゲームは「あってないようなもの」と表現してよい。

 しかし有志により、環境の掘り下げが国内外で行われている。本稿では大まかなメタゲームの掘り下げを独自に行った上で、アーキタイプ5分類別に、メジャーなデッキ戦略を紹介していきたい。

(おそらく、ミドルスクールのメタゲームに「総括的」に言及する世界初の記事になるかもしれない。不慣れな点はご容赦いただきたい。)

 さて、ミドルスクールで優位な戦略を探していくと、それぞれがお互いをメタらないという前提では、

  1. コントロール

  2. コンボ

  3. テンポ(クロックパーミッション)

  4. アグロ

  5. ミッドレンジ

の順となる。これは、クリーチャーの質が現代より低く、スペルの質が比較的高いため起こる現象である。レガシーやヴィンテージで採用されているクリーチャーが軒並み「新枠」であることからも明らかだろう。
(最近は「〇〇ホライゾン」を中心としてスペルの質も向上しているが、依然として「現役」の旧枠スペルも多々存在することは事実である。)


  • アグロではコンボの速度に追い付かないためコンボ優位。

  • コンボ対コントロールでは、打ち消し有するコントロールに軍配が上がる。

  • コンボとコントロールに優位なクロックパーミッションは、クリーチャーの質に課題を抱えるため一工夫が必要。

  • ミッドレンジは必然的にコンボやコントロールをにらんだデッキとなり、ハンデス主軸orマナ否定戦略主軸のデッキとなる。

  • アグロは上記デッキに対抗するため、とにかく爆発力が求められる。(そのため、必然的に勝てるアーキタイプは絞られる)



2-0-1.ミドルスクール メタゲーム集計

 とはいえ、どんなデッキがあるのかは一通り知っておきたいところだろう。本稿ではこの記事独自のバリューとして、特定の大会にフォーカスし、デッキタイプの詳細分析を行った。
 対象はRomancing the Stones* 主催のミドルスクールの大会のうち、2021年から2022年8月までに行われた計5大会、203デッキのデッキリストを手作業で分析した。(デッキリスト代わりの画像から判別が必要で、データベース化は初の試みであると思われる)

* Romancing the Stonesはテキサス州オースティンにある店舗および同店舗の構築するコミュニティを差す。Discordサーバ上で開催されるオンライン大会の実施実績もあるため、ぜひアクセスしてほしい。
https://stonesmtg.com/

 コンボデッキが一番多く、次にコントロール。ミッドレンジとアグロが同数、テンポデッキは少数派である。
 とはいえ、大会上位にはコントロールやアグロが入賞することが多く、対象大会5回のうち優勝はコンボ1回(スタイフルノート)に対しアグロ2回(いずれもエルフ)、コントロール2回(ランドスティル、サイカトグ)である。コンボが多いがコンボばかりが勝っている、という環境ではない。

 各アーキタイプデッキ数をTop8入賞率で割ると、コントロールとアグロがよく勝っているのが分かる。「なんだよアグロ勝ってるじゃないか」と思われるかもしれないが、アグロはほぼ赤、次いで白が多く、いずれの場合もサイドボードのほとんどをコントロールとコンボ潰しに使っている。使用者が環境を熟知しているから勝てているケースが多いとみる。

 逆に苦戦しているのはミッドレンジであり、ハンデスやマナ否定戦略を擁しながらコンボに負けている。やはり速度でコンボに劣るのは厳しく、攻め手が緩いためコントロールにも隙を与えている、ということになる。

 続いて、色別の使用率集計を行った。デッキの半数以上が青、そして半数が黒という分布となっている。

 意外かもしれないが、青のどの2色の組み合わせよりも、黒緑(タッチ含む)の組み合わせが一番多い。リアニメイトや《適者生存》、《ドルイドの誓い》などの影響に加え、The Rockが根強い人気を誇っていることが要因である(ただし、The Rock自体の勝率はあまり高くない)。

 最後に、デッキタイプ分布と主要デッキの使用数をまとめた。Ux Controlと雑多に括っているが、Landstillは別アーキタイプとしてカウントしており、「《行き詰まり》を採用しない純粋なコントロールデッキ」を差す。Tog(サイカトグ)やStasis(ロック)、果ては《ゾンビの横行》など、勝ち手段は多種多様であるため、このような括り方をした。

 総じてコントロール戦略には根強い人気があり、Ux ControlとLandstillを含めた使用率は全体の14.3%とかなり高い。なお、上位入賞はLandstillのほうがUx Controlより多いことを付記しておく。

 コントロール戦略への対抗一番手として使用数が多いのはSligh(赤単)であり、やはり《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》の存在がこれを人気戦略に押し上げている。以下、Top10圏内の使用率としては緑系デッキがやや多いか。

 いずれにしてもTop10アーキタイプの合計使用率が54%弱であり、他の環境と比べても異様に低い。「どんなデッキと当たるかわからない」というのがミドルスクールの魅力であり、また難しさでもある。


 大まかに上記のような構図を頭に入れた上で、アーキタイプ別にどのようなデッキがあるかを見ていこう。



2-1.コントロール

 ミドルスクールはコントロールが強い。強いというか、生物の質の影響で「アグロよりコンボが強い」環境のため、それを抑え込める戦略に人気が集まり、そのひとつが打ち消しを有するコントロール戦略である、ということにすぎない。

 ミドルスクールのコンボデッキは、キーカードへの依存性から、安定性が高いものが少なくピーキーなものが多い。一方で、コントロール戦略は要所さえ捌けばゲーム再現度が高く、好まれる傾向がある。コンボに対しては要所のカードを打ち消してしまえばそのまま勝つことが多い。

 コントロールは下記の代表デッキに収束しやすい傾向があるが、多色地形の多さやユーティリティランドの特異性から、様々な形のコントロールが組まれる。


2-1-1.Landstill(ランドスティル)

フレーバーテキストがあまりにも有名

 一時期のエターナルでも流行した、環境屈指のドローカードである《行き詰まり/Standstill》をフィーチャーしたLandStillがメタゲーム上位、Tier1~1.5に位置している。ミシュラランドを採用して殴るデッキではあり派生も多いが、概してコントロール色の強いデッキであり、本稿ではコントロールに分類する。

 基本はミシュラランドを設置して《行き詰まり》を貼り、相手に対処を迫りつつ、大量の打ち消しでバックアップして殴り勝つ。かといって早期にゲームの決着を求めているわけではなく、盤面が詰まれば《神の怒り/Wrath of God》、手数が足りなければ《嘘か誠か/Fact or Fiction》など、盤面のコントロールを優先する。

 長期戦を想定するため、誰もが思いつく《正義の命令/Decree of Justice》との組み合わせがシンプルながら非常に強い。攻め手を《サーボの網/Tsabo's Web》などで止められた際の追加フィニッシュ手段としても有用である。



 メジャーな戦略のため、上記のようなコントロール然としたデッキがメインではあるものの、次のような行動回数増加をメイン戦略としたリストも存在する。

《踏査》は当時のルールと挙動が異なるので注意

 上記のように《踏査/Exploration》《どん欲な角笛/Horn of Greed》などで一気に土地を展開するバージョンも存在する。他にも《稲妻/Lightning Bolt》等火力でバックアップするバージョン、《悟りの教示者/Enlightened Tutor》でのシルバーバレット戦略を積極的に活用するバージョンなど、構築幅は広い。



2-1-2.Ux Control(多色コントロール)

 ミシュラランドに寄せたLandstillだけでなく、純粋なコントロール戦略も強い。アグロが下火な上、多色地形+《反射池/Reflecting Pool》が有用で、グッドスタッフ的なデッキを構築する余地が十分にあるからである。
 多くは青白2色に緑をタッチするのがメインだが、青いデッキがメタの上位にいるため、サイドボードに赤を仕込む4色が常套手段になりつつある。

 環境上、《花の壁/Wall of Blossom》が非常に硬い。ミシュラランドやパワー2or3が主戦力であり、パワー4で殴られる場面がそこまでない。能動的アクションとして2マナ域にこのカードを据えつつ、《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》を据え打ち消しを構え続ける、軽い動きのデッキが好まれる。

 サイドボードには様々な形があり一様には言及できない。アグロやミッドレンジ相手にアグレッシブサイドボードでオースに変形させるパターンもよく見かける。青が中心の環境とあって《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》は一つの嗜みであろう。



 青白系だけでなく、エクステンデッドでも猛威を振るった《サイカトグ/Psychatog》をフィーチャーした青黒コントロールもよく見られる。2色で組まれることが多いが、1マナ除去を求めて白や赤を足したりする構築もある。
 青白系と違い、ハンデスなどの妨害手段に長けるため、コンボ対抗力からこちらを選択するケースも多い。

 基本はコントロール然とした動きをしつつ、隙を見て《サイカトグ》でフィニッシュする。《激動》からの《サイカトグ》、《サイカトグ》&《時間のねじれ/Time Warp》というコンボじみた動きが単純ながら強い。《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》《直観/Intuition》が強く使えるという点も手伝って、この状況を作りやすい。
 とはいえクリーチャーによるフィニッシュは常に《剣を鋤に》を気にしなければならないため、上記ノンクリーチャー戦略には後れを取る。



運用次第では《Ancestral Recall》を超える

 土地依存のデッキがトップメタにあるのなら、土地そのものを対策してしまえばいい、という点に着目したのがこの土地税コントロールである。《土地税/Land Tax》によってもたらされるアドバンテージを様々なリソースに変換し、コントロールするという点で他のコントロールと一線を画す。
 構造上《黄塵地帯/Dust Bowl》がミシュラランドに無類の強さを発揮するため、アンチLandstillとしての立ち位置を確立している。

テキストが長いが、かなり強力なドローソース

 基本は《土地税》で得た手札を《巻物棚/Scroll Rack》に変換するTax-Rackコンボが中核となる。早期に2枚を揃えて、クリーチャーは《剣を鋤に》《神の怒り/Wrath of God》《謙虚/Humility》(この効果については後述)、スペルは《禁止/Forbid》バイバックで封殺することを目指す。
 土地枚数調整に《交易路/Trade Route》《ズアーの宝珠/Zuran Orb》を使う構築もある。これらコンボパーツはすべて《悟りの教示者/Enlightened Tutor》で探し出すことができる、シルバーバレット戦略がとられている。

 フィニッシャーは《正義の命令/Decree of Justice》《Kjeldoren Outpost》が務めることが多い。もちろん《行き詰まり》を意識した選択である。自ら《謙虚》を置く必要があること、デッキに相当数の基本地形を入れる必要があることから、ミシュラランドや《不毛の台地/Wasteland》は使わない。

 《巻物棚》を使うことから、《うつろう爆発/Erratic Explosion》コンボとのハイブリッド型もある。《悟りの教示者》で《ドラコ/Draco》を積み込めるのも大きい。

 さらなる余談として、コントロールではないが、このコンボで手札を多く保ち殴るTax-Rack Weenie(白単税収アーマー)も存在する。一時期のシャドーウィニーを思い浮かべてもらえば大体想像できるだろう。当然《ハルマゲドン》が入っている。




2-2.コンボ

 ミドルスクールの花形はコンボデッキである、と考える。なぜなら、コンボにおいては多様性が認められているからである。

 「ミドルスクールとは、自身の好きなコンボで戦える環境である」

とさえ言える。これがミドルスクールの魅力ではないだろうか。

 コンボデッキは枚挙に暇がないため、とてもではないが紹介しきれない。往年のコンボデッキは(禁止カード絡みを除き)ほぼ存在する、といってもいい。
 コンボデッキ優位になる点はここで、それぞれ有効な対策カードが限られるため、すべてを対策しきれない(=汎用性のある打ち消しが重宝される)という構図になっている。それを受け、コンボデッキ側は《防御の光網/Defense Grid》のサイド投入が嗜みとなっている。

 ほぼ旧スタンダードやエクステンデッドで成立したコンボになり、真新しさには欠けるが、コンボのオプションが増えているのは非常に楽しいのではないだろうか。

 本稿では主流なコンボをいくつか紹介するが、これ以外のコンボデッキもいくらでも存在する点にはご留意いただきたい。

 なお、コンボ選定の基準として、

  1. 非生物によるフィニッシュかどうか(=《剣を鋤に》に対抗できるか)

  2. 打ち消しをかいくぐれるか

  3. コンボ成立スピードは速いか

 上記3点が重要視される。特に(1)についてがコンボのみならず重要で、猫も杓子も《剣を鋤に》の環境において、「白1マナ立てているだけでコンボ不成立」では話にならない。クリーチャー主体のコンボはハンデス(=《陰謀団式療法》)を採用する場合が多い。

 なお、特定のカードに依存するコンボが多いことから、成立コンボが多い=コンボデッキ自体が「勝てる」環境、というわけではない。



2-2-1.エンチャント系コンボ

 エンチャントベースのコンボデッキが多い。エンチャントを数多く並べるReplenish(補充)Mesa Enchantress(エンチャントレス)、特定のエンチャントをサーチし設置して勝負を決めるTrix(トリックス)PandeBurst(《伏魔殿》コンボ)などが挙げられる。

 中でも、妨害力の高い補充、ドローソースが充実したエンチャントレスが人気のアーキタイプである。

 あまたあるミドルスクールのコンボデッキでも筆頭候補に挙げられるのがこの補充である。各種置物によってドロー能力と妨害能力が高いにもかかわらず、1枚のソーサリーを通せば勝ち、という点でスロット的な無駄がまったくない、美しいコンボデッキである。
 クリーチャー依存のないコンボデッキのため除去で妨害しづらい点、青の打ち消しでバックアップが可能な点も強さを後押ししている。ただし、警戒され過ぎており、意外なことに、使用率は高くない。

 往年の名コンボ、《補充/Replenish》から《オパール色の輝き/Opalescence》で勝負を決める。道中は《パララクス》シリーズで相手を妨害しながら戦える点で、非常に対応力が高い。さらには《静寂の命令/Decree of Silence》を釣り上げてハーフロックをかけてしまうコンボが凶悪。非常に重いが、道中打ち消しで使用できる点も採用に拍車をかけている。

 アンクタイドとのハイブリッド、つまり《パララクスの潮流/Parallax Tide》+《ミシュラのアンク/Ankh of Mishra》に寄せた形も存在するが、《補充》依存をどう避けるかという点では《オパール色の輝き》素出しに軍配が上がる。



 白緑軸のエンチャントデッキであり、その本質は《大地の知識/Earthcraft》+《聖なるメサ/Sacred Mesa》の無限トークンコンボである。《繁茂/Wild Growth》系との3枚コンボであり、すべてがエンチャントである点から、補充とのハイブリッド構築も可能である。また、非青デッキでありながら《中断/Abeyance》《オアリムの詠唱/Orim's Chant》など妨害要素にも事欠かない。

 基本は《女魔術師の存在/Enchantress's Presence》《アルゴスの女魔術師/Argothian Enchantress》でカードを引き増す形でコンボパーツを揃えていくが、《真の木立ち/Sterling Grove》《悟りの教示者》を使えば一瞬で揃えることもできる。

 実はランドスティルや一部コンボ、部族系ビートダウンなど、《謙虚》が非常によく効く環境なので、メインから無理なく仕込める点もこのデッキの評価が高くなる要因である。自らのコンボにまったく影響しない点もよくかみ合っている。



2-2-2.リアニメイト系コンボ

 続いて人気なのがクリーチャーを墓地から釣り上げることで完成するコンボデッキ。単純に釣り上げて殴るReanimator(リアニメイト)が主流だが、瞬殺コンボDementia Drake(玉虫アルター)、ワンパン系リアニメイトのAngry-Hermit2(アングリーハーミット2)など一撃必殺のコンボ系リアニメイトも多い。

 クリーチャーベースのためパーツは揃いやすいが、《剣を鋤に》が存在する環境のため、エンチャントベースのデッキより安定性は一段劣る。

 《玉虫色のドレイク/Irricident Drake》+《狂気の祭壇/Alter of Dementia》+《誘拐/Abduction》を揃えて無限ライブラリーアウトを揃える即死コンボデッキ。2マナランドや《モックス・ダイヤモンド/Mox Diamond》を採用して速度特化した、当時の構築をそのまま持ち込む例が多い。

 《吸血の教示者/Vampiric Tutor》が禁止ではあるが、当時との差異化として《陰謀団式療法/Cabal Therapy》があり、妨害とサクリ台を兼ねる軽量スペルとして破格の性能を誇る。これにより《直観/Intuition》からの《猟場番/Gamekeeper》がスムースにつながる。

 この環境では《直観》のシルバーバレット先として《綿密な分析/Deep Analysis》を採用することが多い。このデッキでは加えて《巻物棚》とフェッチランドのコンボなど、総じてドロー能力は高まっているとみてよい。
 一部クリーチャーデッキに対し、サイドボードからの《ドルイドの誓い/Oath of Druid》で確定サーチをする「裏技」もあれば、サイドボード後にオースに切り替わるアグレッシブ・サイドボードを仕込むデッキもある。



 リアニメイトはどの環境にも存在するコンボではあるが、本環境においても十分な速度を誇るコンボデッキとして君臨する。最速1ターン目の《納墓/Entomb》からの《再活性/Reanimate》は環境最速といっていいだろう。

 釣り先としては《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》《新緑の魔力/Verdant Force》《共生のワーム/Symbiosis Wurm》《戦慄を為すものヴィサラ/Visara, the Dreadful》など様々な選択肢が存在する。
 打点が低い代わりに除去体制の高い《マロ―の魔術師ムルタニ/Multani, Sorcerer of Maro》や《幻影のニショーバ/Phantom Nishoba》などが控えているケースが多い。

 基本5色なのでアシストスペルは選び放題だが、黒ベースのデッキのため、妨害手段として《暴露/Unmask》《陰謀団式療法》を備えており、高速吊り上げをバックアップする。

 ノンクリーチャー相手には《要塞の計略/Stronghold's Gambit》がほぼ《実物提示教育》以上のスペルとして機能するため、サイドボード後に前方確認からこれを叩きつけるオプションも備えている。トップメタの補充やランドスティル相手などに狙いやすい点は高評価。

 当然、《ドルイドの誓い》とのハイブリッドも有効な戦略。墓地対策に《トーモッドの墓所》などが多いため、上記と組み合わせたサブプランとなる。



2-2-3.チェインコンボ

 いわゆるMoMa系コンボも存在するが、なかなか《精神力》のような重いキーカードを通してくれる環境ではない。そのため、軽量スペルで固めたコンボが上位に来る。

 その中で興味深い高速コンボがストームである。ここでは青単《思考停止/Brain Freeze》ストームを紹介する。

 マナ軽減置物からドローを連打し《思考停止》という簡単な構図のデッキで、非常に扱いやすい。《High Tide》こそないものの、特筆すべきは《金言/Words of Wisdom》と《瞑想/Meditate》のドロー効率である。あっという間にライブラリーを掘り進み、余分な土地は《大あわての捜索/Frantic Search》《回想/Recall》のコストにすればOK。フィニッシュまでたどり着いてしまえば打ち消しでは対処できない。見た目では想定できないほど、速いスピードでコンボが決まる。

 相手に応じて《直観》《狡猾な願い/Cunning Wish》などから《枯渇/Mana Short》を持ってくるなどのテクニックを仕込むことも有効。青単ながら《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》など置物避けには事欠かず、聴牌まで持ち込めればフィニッシュ力は高い。

 当然、青黒で《弱者選別》《陰謀団の儀式》を積み《苦悶の触手》を積んだUB Stormも存在するが、安定性は一段劣る。黒のハンデスを用いることができる点はコンボへの対抗策として有効。



2-2-4.その他のコンボデッキ

 コンボデッキは枚挙に暇がないが、基本は現役時代のそれと遜色ない、あるいはそれ以上のデッキになるため、ぜひ可能性を考察してほしい。ここでは思いつく範囲で、ごく一部のデッキ名を述べるに留める。当然、これ以外のコンボも多数成立し得る。各自お気に入りのコンボを思い出してほしい。

「ミドルスクールとは、自身の好きなコンボで戦える環境である」、これを今一度、ぜひ心に留めてほしい。

  • Rector Combo(《アカデミーの学長》コンボ)

  • Devourer Combo(おにぎりシュート)

  • Pande Burst(《伏魔殿》コンボ)

  • Trix(トリックス)

  • Draco-Erruption(うつろうドラコ)

  • Stifle-Naught(スタイフルノート)

  • Aluren(アルーレン)

  • Loop-Junction(ループ・ジャンクション)

  • Pepples(エンデュアリング・ボンバー)

  • ProsBloom(カタベラスドレイン)

  • Angry-Hermit2(アングリーハーミット2)




2-3.クロックパーミッション

 テンポデッキはメタゲーム上、戦略としての最有力候補である。なぜなら、コンボに対抗するための打ち消しと軽量クロック、という組み合わせが環境にフィットしているためである。コントロールも要所のカードさえ捌けばイージーウィンが見込める。

 テンポ戦略はほぼ青緑マッドネスの一強である。下手なアグロよりも展開力が高い上、打ち消しによるバックアップも可能である。他にもいくつかの選択肢があるが、早期決着が見込める点で青緑マッドネスは他のデッキと一線を画している。


2-3-1.UG Madness(青緑マッドネス)

 国内外を問わず非常に人気が高いのがこのUG Madness(青緑マッドネス)で、いわゆる「マナをズルする」方法が非常に少ない本環境において、テンポデッキ筆頭の地位を確立している。また環境にはコンボやコントロールが多いため、クロックパーミッション自体が有効な点も戦略を後押ししている。

 基本は《野生の雑種犬/Wild Mongrel》《アクアミーバ/Aquameaba》といった共鳴者や《マーフォークの物あさり/Merfolk Rooter》《入念な研究/Careful Study》で各種カードを引いていく。
 上記カード群で《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》《尊大なワーム/Arrogant Wurm》《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》《綿密な分析/Deep Analysis》を捨ててアドバンテージを取り、《不可思議/Wonder》でフィニッシュするビートダウン。
 《堂々巡り/Circuler Logic》もこのデッキでは構造上非常に強く運用できる。
 基本除去が《剣を鋤に》《稲妻》であり、基本サイズが2/2前後である環境上、パワー4以上やタフネス可変型、飛行持ちのクリーチャーが強い。

 構築方向性は大別して4つ。《ワームの咆哮》などを採用した「マッドネスに全寄せしたテンポ重視型」、「スレッショルドとのハイブリッド型」、「フラッシュバックを意識的に採用したミッドレンジ型」、ドロー連打で《クウィリーオンのレインジャー》を育てる「グロウ型」がある。
 このうち、墓地対策への対抗力が高い「全寄せ型」が選択されやすい。

 とはいえ、《熊人間/Werebear》《適者生存/Survival of the Fittest》《獣群の呼び声/Call of the Herd》など、様々な選択肢が考えられる点がこのアーキタイプの魅力である。想像力を働かせて自分なりの青緑を生み出してほしい。

 青緑という色もミドルスクールでは有効で、サイドボードに対青《反論/Gainsay》、対赤《水流破/Hydroblast》、対黒《たい肥/Compost》をナチュラルに採用できるのは大きい。



2-3-2.Counter Level(カウンターリベリオン)

 ほぼ当時そのままのカウンターリベリオンも戦略として有効である。やはり色が強く、《剣を鋤に》《マナ漏出/Mana Leak》を軸としながら、少ない隙で出せるリクルーターによって疑似的なフラッシュデッキとしての性質を併せ持っている。
 メインで押し付けていく青緑マッドネスを「動」のテンポデッキとするなら、こちらは「静」のテンポデッキと表現でき、コントロールに主眼を置いている。

 やはり《果敢な勇士リン・シヴィー/Lin Sivvi, Defiant Hero》の強さが際立つ。単体でのクロックは心もとないが、多少捌かれたところで、その蘇生能力によって全く手数が尽きない。エンドに呼び出す《鞭縄使い/Whipcorder》でちくちくとライフを削っていく戦略が有用だが、横並べから《共同の功績/Shared Triumph》で一気に削り取る戦略も興味深い。
 なお、当時とレジェンド・ルールが異なるため、《リン・シヴィー》への除去には自らリクルートで2体目の《リン・シヴィー》を出し対消滅で除去を避け、さらに最後の能力で1体目をライブラリーに戻す、という運用ができてしまう。マナさえあれば実質的に除去が無効化できてしまう。ここは当時からのルール変更がプラスに働いている。

 クリーチャーデッキの性質を持ちつつも、自ら《謙虚》を入れるデッキも散見される。《共同の功績》でサイズ差をつけてしまうと、一方的なサイズ優位が取れてしまう、というプチテクニックもある。
 一定数クリーチャーを採用しなければならない都合上、コンボへの耐性は低くなっているが、打ち消しと置物破壊をサイドボードに置き、コンボへの耐性を高める戦略となる。



2-4.アグロ

 アグロは古典的な戦略ではあるが、現代マジックに比べクリーチャーの質、アドバンテージ確保の点で苦労することが多いのは、紛れもない事実である。
 とはいえ往年の名クリーチャーから選択できる点、極端に速い動きは環境的に限られるという点から、アグロデッキにもベネフィットはある。データが示す通り、実際にミッドレンよりもアグロの方が勝っている。


2-4-1.Mono-R Sligh(赤単スライ)

 いつ、どの環境でも存在する、クラシックな赤単。クリーチャーの性能が現代マジックからすると3ランクぐらい落ちるが、その分スペルは強力なものが揃っている。基本的にはスペル偏重の構成となることが多い。

 往年の赤単を支えた《モグの狂信者/Mogg Fanatic》《ジャッカルの仔/Jackal Pup》に懐かしさを覚えるプレイヤーも多いだろう。しかしクリーチャーの貧弱さは否めず、よりバーンに寄せた構築が増えつつある。

 そんな赤単を支えるのが《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》《呪われた巻物/Cursed Scroll》《硫黄の渦/Sulfuric Vortex》という固定ダメージソース、そして《火炎破/Fireblast》《蛮族のリング/Barbarian Ring》《発展の代価/Price of Progress》などの土地によるダメージソースである。
 特に《発展の代価》は特殊土地が多く並ぶミドルスクールでは大ダメージが期待でき、逆転の一手となることが多い(そのぐらい、ランドスティルの存在が大きいことの証左でもある)。

 なお、Baller Oathという《ドルイドの誓い》とのハイブリッドデッキも見受けられる。フルバーンに近いが、急に《ドルイドの誓い》から《ボール・ライトニング》が転がってくる、という構成のもので、クリーチャーデッキ相手にも無理なく《ドルイドの誓い》が運用できる他、アグロ相手のサイドボード後に《新緑の魔力》や《賛美された天使》《アクローマ》を出したりするプランBも可能となる。正直、対戦するのが怖い。



2-4-2.部族系アグロ

 主にGoblinsElvesが部族系デッキとして成立する。レベルも部族デッキではあるが、ミドルスクールのアグロはとにかく速度を求められるため、この二者の人気が非常に高い。

 部族系デッキとして成立し得る筆頭がGoblinsである。オンスロート・ブロックで強化されたアーキタイプで、ほぼブロック構築のようなノリであるが、《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》がそこに加わると一気に速度が上がる。赤単バージョンもあるが、黒をタッチし《総帥の招集/Patriarch's Bidding》か《死せる生/Living Death》をタッチしたバージョンが主流。これらにアクセスできる《燃え立つ願い/Burning Wish》という柔軟性の高いカードが戦略を支えている。

 とにかく《ゴブリンの従僕》を通して《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》、が基本。ブロッカー排除に火力や《宝石の手の焼却人/Gempalm Incinerator》《ゴブリンの名手/Goblin Sharpshooter》を用いて道をこじ開けていく。
 並べた後は《名手》で焼き殺すなり、《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》《つつき這い虫/Clickslither》で一点突破するなどの方法が主流。

 《ゴブリン徴収兵》が禁止であり、アドバンテージ源が《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》頼みになるため、黒をタッチして大量リアニメイトによる一発逆転要素を仕込みつつ、ハンデスを絡める形のゴブリンが結果を残している。


 《遺産のドルイド/Heritage Druid》こそいないものの、ロード、マナ加速に加えフィニッシャーを備える高速アグロコンボデッキとして君臨するのがElvesである。とにかくマナが出る構成のため、《マナ漏出》などものともせずに展開してくる爆発力が魅力である。マナ差を生かしたハーフロック戦略が取られていることが多い。

 基本はManaDocksからの一斉展開で、ロードは《エルフのチャンピオン/Elvish Champion》、マナ加速はレガシーでお馴染み《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》《クウィリーオン・レインジャー/Quilion Ranger》から《ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary》《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》が務める。これに《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle》が絡むと膨大なマナが出る。
 
 手札補充は《森の伝書士/Sylvan Messenger》に加え《適者生存/Survival of the Fittest》《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》を入れる型が多い。《共生虫》と相性の良い《血統のシャーマン/Bloodline Shaman》も見られる。フィニッシュは《激情の共感者/Fierce Empath》《自然の秩序/Natural Order》からのサーチにも対応できる《クローサの拳カマール/Kamar, Fist of Krosa》。大量のマナから一撃必殺、が可能。

 サイドボードはコントロールを意識、《神の怒り》対策に《鉤爪の統率者/Caller of the Claw》、単体除去対策に《頑強な決意/Steely Resolve》が採用されるのが鉄板である。よく出される《仕組まれた疫病》対策の《帰化/Naturalize》も嗜み。

 なお、《からみつく鉄線/Tangle Wire》《すき込み/Plow Under》などを採用しロック色を強めた妨害特化型エルフ「トリニティ」もあるが、マナ妨害を絡める場合、白をタッチして《ハルマゲドン/Armageddon》を入れる「エルフゲドン」タイプが最近の流行りで、直近の大会で優勝するなど結果を残している。白のユーティリティスペルが採用できる点も大きい。



2-4-3.Zombie Spark(ベリード・アライブ)

 リアニメイトはコンボ色が強いが、アグロ色が強い墓地利用デッキがこのベリード・アライブ。墓地を参照するカードを多用することでダメージを積み重ねていく、いわばミドルスクールのドレッジである。全体除去への耐性が高い点が他のアグロとの差異であり、一度スイーパーを打たれてもあっという間に復活し、ライフを削り取る。

 デッキ名にもなっている《生き埋め/Buried Alive》で《冥界の影/Nether Shade》《灰燼のグール/Ashen Ghoul》《Krovikan Horror》を墓地に送り込み、そのリアニメイト能力で一気に並べて殴りかかる。特に《Krovikan Horror》は《剣を鋤に》耐性がある点でも非常に強力。打点向上のために《不吉の月/Bad Moon》を採用するケースもある。

 それぞれリアニメイト条件が窮屈だが、《ゴブリンの太守スクイー/Squee, Goblin Nabob》によってカバーする。手札を捨てる手段は早期打点確保の観点から《ゾンビの横行/Zombie Infestion》を採用することが多いが、赤をタッチして《Death Spark》《炎の嵐/Firestorm》を採用する構築も散見される。

 構造上《陰謀団式療法/Cabal Therapy》を最もうまく使えるデッキのひとつであり、コンボやコントロールにも対抗しやすい。
 追加の共鳴者兼ダメージソースとして《ヴォルラスの地下牢/Volrath's Dungeon》というマイナーカードが使われたり、《底なしの奈落/Bottomless Pit》で相手リソースを枯らしつつ共鳴者代わりにしたりなど、構築幅は思ったより広い。



2-5.ミッドレンジ

 さて、ミドルスクールにおいて、取り得る戦略は「コンボを使うか、倒すか」であるが、打ち消しに頼ることなく他の妨害手段を用いて戦う戦略も成立し得る。
 先述の集計において、ミッドレンジ自体の勝率は低く出ているが、決してデッキが弱いわけではない。全方位型の回答を持てるデッキであり、どの戦略と対峙しても対等に戦える点は、デッキバリエーションが多いミドルスクールでは魅力である。

 ミッドレンジ代表格はThe Rockではあるが、対抗軸がアグロではなくコンボやコントロールである点で、当時と組み方が幾分異なるデッキがある点は留意すべきだろう。
 とはいえ、最初は自分の好きなカードを詰め込んで構築し、後から調整する、という組み方で問題ない。



2-5-1.ハンデス系ミッドレンジ

 マナ加速、ハンデス、除去、フィニッシャー、というシンプルかつ強力な戦略を地で行くThe Rockは、ミドルスクールにおいても有用な戦略のひとつである。特にノンクリーチャーのコンボやコントロールは、《ブラストダーム/Blastoderm》に対処する手立てが限られる。ここまでの道筋をいかにつくるかがカギとなる。

 基本はハンデスからの《ブラストダーム》によるマウントだが、マナクリーチャーと《陰謀団式療法》で締め上げる形でコンボ耐性を高めている。打点不足は《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》で補う。マナクリーチャーの有効活用も兼ねている。アグロにも《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》の釣り上げ連打はかなり有効。

ミシュラランド絶対許さない置物

 置物によるコンボが多いため、《破滅的な行為/Pernicious Deed》は十分なプレッシャーを与えうる。特に3マナ以下の置物に依存しているデッキは《ブラストダーム》を殺すことなく一掃できる。場合によってはミシュラランドの起動も潰すことができ、抑止力としても一級品。

 The Rockとコンセプトは同様ながら、黒単タッチ白という形式でよりゲームの早期決着を見込んだデッキがDeadguy Aleである。優秀なスペルが多く、選択肢は非常に多いが、やはり《強迫/Duress》《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》《ジェラードの評決/Gerrard's Verdict》からの《剣を鋤に》《名誉回復/Vindicate》という軸が非常に強い。
 黒タッチαのデッキは《汚れた/Tainted》サイクルが使えるためマナ基盤の安定性が高いのも見逃せないメリットである。

 フィニッシャーには浮いたマナを有効活用できる《ナントゥーコの影/Nantuko Shade》が据えられるケースが多い。《ストロームガルドの騎士/Knight of Stromgald》も《剣を鋤に》が効かない点で頼りがいがある。(《黒騎士/Black Knight》が《花の壁》などで止まりやすい点を意識した採用。)

 本来は《闇の腹心/Dark Confident》が務めていたアドバンテージソースは《ファイレクシアの闘技場/Phylexian Arena》《ネクロポーテンス/Necropotence》が、《陥没孔/Sinkhole》は《押し寄せる砂/Chocking Sands》《腐臭の地/Rancid Earth》が代役を務めることが多い。

このカードが使える数少ないフォーマット。事実愛好家が多い

 派生として《ネクロポーテンス》《もぎとり/Mutilate》を擁するノワール・ネクロディスク系デッキがあるが、《名誉回復》の問答無用感には勝てず、《汚れた原野》《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》で白をタッチするDeadguy Aleのほうが安定感が増す。いずれにせよ、黒ベースで墓地使用が控えめのデッキには《ネクロポーテンス》がフィットする。



2-5-2.マナ否定系ミッドレンジ

 2マナランドと特殊土地で早々に相手の動きを制限するプリズンは、コンボデッキ環境でこそ輝く。マナの封殺という点ではエルフゲドンと同種だが、よりマナ基盤の封殺に力点を置く。

 《修繕/Tinker》といえば瞬殺コンボデッキをイメージする人も多いが、《修繕》依存度が高くなる点からあまり見られないのが実情である。

 基本は《からみつく鉄線/Tangle Wire》《冬の宝珠/Winter Orb》でのハーフロックで締め上げ、《マスティコア/Masticore》《銀のゴーレム、カーン/Karn, Silver Gorem》《ファイレクシアの処理装置/Phyrexian Processor》でゲームをクローズする。後半でも《ミシュラのらせん/Mishra's Helix》《リシャーダの港/Rishadan Port》でわずかの抵抗も許さない。

 コントロールには《防御の光網/Defence Grid》《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》がとにかく強い。2マナランドから1ターン目に置ければほぼ勝ちだろう。茶単といいつつサイドボードのラインアップは頼もしい限り。


 「土地を攻める」戦略の優位性は非常に高いが、当然、全部壊せれば文句がない。オールドスクールと違いマナ・アーティファクトも少ないので、《ハルマゲドン/Armageddon》さえ通ればあっさり勝つこともある。
 マナクリーチャー&中軸生物、という点ではThe Rockに通ずるものがあるが、コンボへの対抗軸をマナ基盤の破壊に頼っている点で異なる。

 構築方向性はいくつかあるものの、自らも土地を失うので《リシャーダの港》《不毛の台地》などで後続を断つ形を取るのが一般的。中には《土地税/Land Tax》でリソース差をつける構築もある。白マナの捻出のためパワーはないが《極楽鳥/Birds of Paradise》が最優先。

 フィニッシャーはThe Rock同様《ブラストダーム》が一般的。《ゲドン》の返しに《剣を鋤に》されないクリーチャーでなければならない。



2-5-3.Survival

 最後に紹介するのは、《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》といえば忘れてはいけないこのデッキ、《適者生存/Survival of the Fittest》を核とした多色デッキ、nWo(Rec-Sur:ナイトメア・サバイバル)。ランドスティル環境における《なだれ乗り/Avalanche Riders》の頼もしさは絶大であり、アンチLandStillとしての側面も併せ持つ。

 基本は《適者生存》から適宜有用なクリーチャーを引っ張ってきて再利用、または《繰り返す悪夢》でリアニメイトする。《適者生存》に対処されても《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》でサーチ可能。
 《なだれ乗り》連打によるマナ基盤封殺が基本戦略だが、手札破壊、置物破壊、ライフゲイン、ドローなど様々なクリーチャーが脇を固め、対応力は非常に高い。早期に《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》を釣り上げるコンボじみたアクションも搭載している。

 コンボ的な動きに特化したFull English Breakfast型も多く、こちらが主流になりつつある。枠組みはあまり変えず、コンボの項で少し触れた《Phyrexian Devourer》《トリスケリオン/Triskelion》の組み合わせによる「おにぎりシュート」や、《ヴォルラスの多層の戦士》&《触れられざる者フェイジ》コンボなどを搭載させている。《適者生存》のおかげで妨害要素を減らすことなく最小限のスロットでコンボが決められる。

 また、昔のTradewind Survivalよろしく、《対立/Opposition》でハーフロックをかけるタイプのSurvivalも存在する。
 いずれにしてもクリーチャーベースのデッキなので、アレンジは自在だ。

 なお、いずれのバージョンも、前述の《謙虚》が天敵なので、置物破壊を別で用意する必要がある。《強迫/Duress》で抜くか《帰化/Naturalize》で潰すか。
 クリーチャー主体だが速度が遅いため、アグロやダメージ系コンボを《崇拝/Worship》で耐える選択肢もある。




2-6.総括

 さて、ここまでデッキリストを挙げながら紹介してきたが、他にも戦略は山のようにある。

 ここで挙げなかったものでも、コンボ特化型《ドルイドの誓い》、《ネクロポーテンス》コントロールやメガハンデス、ロック系コンボ(《停滞/Stasis》《対立/Opposition》《水位の上昇/Raising Water》など)、毒殺(!)、ワンショットキル系コンボ(《憎悪/Hatred》)やその他の部族ウィニー(ゾンビ、白単)と枚挙に暇がない。

 あの思い出のデッキを現代に蘇らせるもよし、今だからこそ思いつく夢のシナジーを追求するもよし。
 カードプールが増えることは未来永劫ない。それなのに、無限の可能性に満ちているのが、ミドルスクールという舞台だ。





3.ミドルスクールをプレイしよう

 さて、ここまでいくつかのアーキタイプを紹介してきた。気に入ったデッキはあっただろうか? プレイしたくなってきただろうか? そのはずだ。

 では実際に自分のデッキを組むにあたっては、どうすればよいだろうか。


3-1.デッキリストを探してコピーしたい

 Google検索の出番だ。最近、日本でもnoteにデッキリストを投稿する動きもあるし、ナヤナベ氏主催のミドルスクールWeb対戦会「文化祭」のカバレッジページに情報が充実している。

 ※参考になったという方は、ぜひ氏のページからサポートや記事購入をお願いしたい。

 なお、ETERNAL CENTRALの公式サイトにはあまりデッキリストは公開されていないが、主催する「Middle School Marauders」というイベントのカバレッジページに写真や入賞デッキ名が掲載されているので、参考にしてほしい(リンク先は英語)。
 個人的にはVeteran Explorer Dragonstormが気になる。とても気になる。

 今回デッキリストを集計させていただいたRomancing the Stonesもぜひ訪れてほしい。リンクを再掲する。



3-2.往年のデッキを探して参考にして、自分で組みたい

 ETERNAL CENTRALが推奨している方法がこれで、過去のプロツアーで活躍したデッキを探すことを推奨している。このフォーマットの魅力を端的に紹介しているので、ぜひこちらも読んでほしい(リンク先は英語)。

 大会結果についてはMtG Wikiにもかなりのボリュームがあるので、当時のプロツアー結果やグランプリ結果を参照するのもよいだろう。



3-3.最初のデッキを組む際のアドバイス

 ここまで語っておいてこの結論もどうかと思うが、少なくとも最初は、メタゲームについてはあまり気にせず組んだほうがよい。

 ミドルスクールの魅力のひとつは、その「懐かしさ」、ノスタルジーにある。誰しも思い出のカードやデッキがあって、それに思いをはせる機会となるはずだ。

 デッキを組む際は、まずは勝ち負けにこだわらず、その「思い」に従って組んでほしい、そう切に願う。


3-4.対戦相手を探すために

 デッキを組んだら対戦だ。とにかく対戦するしかない。マイナーなフォーマットのため、対戦相手を探すのにも一苦労かもしれないが、Twitter検索で最寄りのコミュニティを探したり、Discordサーバで対戦を持ちかけたりと、いろいろ方法はあるはずだ。前のめりに探すことをお勧めしたい。

直近では9/10、晴れる屋水戸店にてイベント開催予定あり。

【参考】Discordサーバ:MTGミドルスクール対戦 主催:Jinkai氏

 先述のナヤナベ氏によるWeb大会が開催されているサーバ。定期的にフリー対戦も行われていて、連日誰かと誰かが対戦している。

【参考】Discordサーバ:Romancing the Stones Discord Server

 こちらも前述のRomancing the Stonesのディスコードサーバ。様々なフォーマットでの対戦が楽しめるようだ。




4.最後に

 いかがだっただろうか。
 ミドルスクールの魅力が、少しでも伝わっただろうか。

「皆の思い出のカードでMtGがプレイできる令和のコミュニティ」
「メタゲームは、あってないようなもの」

 デジタル化によって競技性の増した現代MtGにおいて、ひと時の癒しになる、そして熱い戦いに身を任せられる、そんな環境だと思わないだろうか。

 この環境で、しかし一番を決しようという大会が、いよいよ開催される。


第1回 名作杯
日時: 2022年 10月 16日(日)
    第1ラウンド開始 10:00~
    (大会受付:9月10日頃を予定。上記アカウントより後日告知)
場所: オンライン大会 ※Discordサーバ上での開催となります。
フォーマット: ミドルスクール、BO3形式
大会形式: スイス方式+シングルエリミネーション
参加費 : 無料

 名作杯は、皆の挑戦を、そしてあなたの「思い」を詰め込んだデッキの到着を、待っている。


Note: Finally, I'd like to thank Martin Berlin, who is the facilitator of Premodern Magic (https://premodernmagic.com/). He told me a lot of fun in Premodern / Middle School. I have not talked with him a few years, but today I wrote an article about Middle-School MtG with his past contributions.