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老少年という生き方。

先日6月21日は夏至、ちょうど参禅堂の完成日でした。不動産登記でいう新築年月日でした。そのとき思ったんですね。夏来たりなば秋遠からじと。ちなみに今年の立秋は8月7日とか。こないだ春になったばかりと思っていたらようやく梅雨入りし、連日真夏のような日々が続いています。

まさに無常迅速であります。

老少年の秋

「老少年」という言葉が秋の季語なのをご存知でしょうか。この言葉には、年を重ねてもなお少年の心を持ち続ける、そんな姿が描かれています。人間、70年も生きていると、自ずと「人生の秋」が訪れるという感慨が湧いてくるものです。私も今、その秋の入口に立っているのではないかと感じる今日この頃です。

秋といえば、なんといっても収穫の季節ですね。夏に育った作物が実り、私たちはその恩恵を受け取ります。同様に人生の秋もまた、これまでの経験や努力が実を結ぶ時期といえるでしょう。これまでの人生で培った知識や経験、人々との絆、それらが豊かに実を結び、私たちを支えてくれるのです。

しかし、秋にはもう一つの側面があります。それは、日々の移ろいがよりはっきりと感じられる季節であるということです。日がどんどん短くなり、気温も徐々に下がっていく中で、自然の変化を感じ取り、一日一日を大切に生きることの大切さを再認識します。まるで秋の紅葉が美しさを増すように、生き方もまた豊かで意味のあるものにしたいと思うのです。

これからの人生の秋をどう過ごすか。わたしは「今日という日を大事に生きる」ことを心がけたいと思います。過去の栄光や未来の不安に囚われることなく、今ここにあるこの瞬間を大切にし感謝しながら生きていくこと。それが私にとっての「老少年」の生き方ではないかと感じたのです。

朝目覚めた時には、今日一日がどれだけ貴重なものかと考えます。そして、その日の天気や自然の移ろいを感じながら穏やかな心で一日をスタートさせる。昼間は、自分の好きなことや趣味に没頭し充実した時間を過ごす。夕方には一日の終わりを静かに迎え、感謝の気持ちを持ちながら次の日に備える。こうして一日一日を大切に生きることで、人生の秋もまた豊かで意味のあるものとなります。

風が心地よい季節となりました。その風に吹かれながら自分自身の人生の秋を楽しみたいものです。年齢を重ねても、なお少年の心を忘れずに毎日を新鮮な気持で迎える。無邪気に子供が遊ぶように、日々を無心に生きていく。四半世紀ごとに区切ったインドの四住期になぞらえれば遊行期です。

まさに遊行三昧の日々であります。

秋には、豊かな自然の風景や、美しい紅葉、収穫の喜びといった多くの楽しみがあります。それと同じように人生の秋にもたくさんの楽しみが待っています。私たちは、その楽しみを見つけ、味わい、共有することで、より豊かな人生を送ることができるのではないでしょうか。

例えば、自然の中を散歩する時間を作るのも素晴らしいことです。秋の風景は日々変わりゆく美しさを私たちに見せてくれます。木々の葉が色づき、落ち葉が舞い落ちる様子を観察しながら、自然のリズムに心を委ねることで、心身ともにリフレッシュできます。自然との触れ合いは、私たちに平和と静寂をもたらし、一日一日の貴重さを再確認させてくれます。

新しいことに挑戦するのも良い方法です。年齢を重ねても、新しい趣味やスキルを学ぶことで自分自身を成長させ続けることができます。これまでに興味があったけれど手をつけていなかったことに挑戦してみるのはどうでしょう。例えば、絵を描く、楽器を始める、新しい言語を学ぶなど。これらの新しい挑戦は、私たちの生活に新たな刺激を与え、日々の充実感を増してくれることでしょう。

人とのつながりを大切にすることも重要です。家族や友人との時間を大切にし、共に過ごす喜びを分かち合うことが人生の秋をより豊かにしてくれます。友人との会話や家族との団欒、共に笑い、共に涙することで私たちの心は温かくなり充実感を得ることができます。地域のコミュニティに参加し、新しい人々との交流を深めることも素晴らしい経験となるでしょう。

何よりも、自分自身を大切にすることを忘れない。過去の後悔や未来の不安にとらわれず、今この瞬間を生きること。それが心の平安を保ち人生の秋を充実させる秘訣です。毎日を感謝し、自分の心と身体を大切にすることで私たちはいつでも「老少年」の心を持ち続けることができます。

人生の秋を迎えようとしている今、わたしは一日一日を大切に生きていきたいと思います。今日という日がどれだけ貴重であるかを意識し、その一瞬一瞬を楽しむことで私たちの人生はより豊かで意味のあるものになります。共にこの秋を楽しみ充実した日々を過ごしていきましょう。

まさに旅は道連れ世は情けの心境です。

少年易老學難成
一寸光陰不可輕
未覺池塘春草夢
階前梧葉已秋聲

少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢
階前の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声

Wikipedia

昨日から宮城県に出張で来ています。梅雨の中休み?でしょうか。新幹線の窓から堂々たる富士山がみえました。
出張を旅と言い切る老少年、不二なる日々の楽しみを知る。
お粗末でした。

インドの遊行期のイメージ、徘徊ではありません{笑

ご覧いただき有難うございます。


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