いちもんじ

眠いよー!

いちもんじ

眠いよー!

最近の記事

架空小説書き出し②

 デートで水族館に行く恋人はすぐに分かれるなんてジンクスがあったが、あれは照明に使われる水銀灯が顔色を悪く見せるからだという話を聞いたことがある。とはいえ、最近のオシャレな水族館は水銀灯なんて使っていなし、むしろ幻想的な空間をウリにしているところも多い。なにより、若い子たちはそんなジンクスを気にしたりしないだろう。  都市型の水族館とでもいうのだろうか。都内の大型商業施設に併設された「ゆめはら水族館」が今日の仕事先だった。平日の午前中だというのに家族連れやカップルの来館者の列

    • 架空小説書き出し➀

       バスケットボールの硬い表面が体育館の床を跳ねる音と、威勢のいい女子たちの掛け声が混ざって聞こえてきた。 大変だな、と思った。夏の下校時刻は19時で、今はその5分前だ。この時間まで練習を行っているということは、顧問だかコーチだかが特別に延長を申請していて遅くまで部活動を行っているということだろう。そういえばうちの女子バスケ部って強かったよな。体育館の横の通路を歩きながらぼんやりと考える。  家まで徒歩15分。今日は本屋に寄って新刊の漫画でもチェックしようかと帰り道のプランを立

    架空小説書き出し②