私がポストモダン音楽ゲームを初心者に勧めない理由 / ぼくのかんがえたさいきょうのおとげー

このnoteは小餅(@gpc_na_fa)さん主催の "ここにタイトルを入れる Advent Calendar 2021" 4日目の記事です.


0.導入?

音楽ゲームは面白いです. 様々な部分で私達を楽しませてくれます.
しかし, そのような素晴らしい世界に飛び込む初心者を悩ませる(かもしれない)問題に "どの音楽ゲームをすればいいのかわからない" があると思います.

このnoteでは今回私の掲げる結論 "ポストモダン音楽ゲームはおすすめしない" を解説すべく, ポストモダン音楽ゲームとは何か, なぜそれを勧めないか, そして逆に最も勧められる "ぼくのかんがえたさいきょうのおとげー" はなにかを解説します.



1.3時代の音楽ゲーム

ここで, 私の考える音楽ゲームの時代分類3つを提案, 定義します.
この時代分類については

・必ずしも正確に時代を区分するものではない(違う時代分類の音楽ゲームが同じ時期に現れることがある, 特にここ5年ほどの音楽ゲームは)
・私の適当思考の産物である

などにご留意ください.

1-1.古典音楽ゲーム

まず古典音楽ゲームです. 時代的には2007年以前, 実質2001年以前に登場した音楽ゲーム...例としてはbeatmania IIDX, Dance Dance Revolution, 太鼓の達人など...を指します.

この時期の音楽ゲームの共通点は割と色々あるのでしょうが, 特に転換点といえる2008年リリースの "jubeat" と比較して

・画面と平行な平面上を, 一方向にノーツが流れる(ノーツの流れが奥行きを持たない)

という形式を共通点, そして古典音楽ゲームの定義とさせていただきます. これに当てはまるものは2008年以降のリリースでも古典音楽ゲームとします(おそらくミライダガッキ, ピアノタイルなどはこれ).

1-2.モダン音楽ゲーム

ついでモダン音楽ゲームです. 時代的には2008年以降...jubeat, maimai, SOUND VOLTEXなど...を指します.

2008年以降の音楽ゲームは, それ以前に登場し現在も隆盛している音楽ゲームと比べ, ノーツの出現方法が自由になっています.

・ボタン内のアニメーションで表現(jubeat)
・円形にボタンが配置され, 中央もしくは周囲から出現(maimai, BeatStream, Lanota, WACCA)
・奥から迫ってくる(SOUND VOLTEX, MÚSECA, Chunithm, 他多数)

これ以外にも多数のノーツ出現方法があります.
それら変わったノーツ出現のゲーム, つまり古典音楽ゲームでないものをモダン音楽ゲームの定義としましょう.
無論, 2007年以前でもこの定義に当てはまるならモダン音楽ゲームとしましょう(Toy'sMarchなど)

1-3.ポストモダン音楽ゲーム

そして, 今回の焦点たるポストモダン音楽ゲームです.
さて, 排中律によりすべての音楽ゲームは古典かモダンに分類されることがわかります. ですが, 古典, モダン音楽ゲームのうち一部はポストモダン音楽ゲームにも含まれるような定義を今回採用します.

ポストモダンに関しては先に定義を述べておきます.
"キャラクターステータスなど, 音楽ゲーム外の要因に左右されるスコアシステムである" がポストモダン音楽ゲームの定義です.

この定義に当てはまるゲームは "バンドリ! ガールズバンドパーティ!", "プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク", "東方ダンマクカグラ"など多数です.

個人的にポストモダン音楽ゲームの時代と言えそうなのは2017年のバンドリ登場以来ではないかと思います. これ以前にもポストモダン音楽ゲームはスクフェス, デレステなどがありましたが, やはりバンドリのヒットはポストモダン勢力の加速に一役買ったのではないでしょうか(実際のところポストモダンには詳しくないのでわからないです ご意見ある人はよろしくおねがいします)

1-4.これはポストモダンか

最後にポストモダンか少々怪しい2つを片付けておきましょう.
オンゲキとMÚSECA(初期版のこと "MÚSECA 1+1/2"は議論の余地なく非ポストモダン)です.
なぜかというとこの2つのゲームにはキャラクターステータスに依存するスコアの他に, 音楽ゲームプレイの要素だけで決まるスコア(オンゲキではTechnical score, MÚSECAではCritical rate)があります.
後に説明するのですが, ハイスコアとして記録されることがスコアとしての存在価値の一つです. ここで, "キャラクター非依存の, ハイスコアとして記録されるスコア"が存在する場合非ポストモダンとします.
この追加された定義により, オンゲキとMÚSECAは非ポストモダンです.


2.ポストモダンの弱点

ポストモダン音楽ゲームの "キャラクターステータスなど, 音楽ゲーム外の要因に左右されるスコアシステムである" ことがなぜ初心者へのおすすめに関わってくるのでしょうか.
結論を申し上げると, "達成感, モチベーションに影響する" ためです.

音楽ゲームというものは本来, 高スコアを狙うものです.

穴冥の3900点付近で数点の更新を競い合うようなランカー層でなくとも, 過去に自身が出したハイスコアを更新することを一つの喜びとしてプレイします. 初心者のうちはそうでなくとも, いつかはそうなることでしょう. ハイスコアの上昇によって, 自身の実力の向上を実感するのです.

しかし, ポストモダン音楽ゲーム特有のスコアシステムがそれを許しません. キャラクターステータスに依存するスコアは, スコアからプレイの実力を測ることができません. 強いキャラクターがいれば高い, 弱いキャラクターがいれば低い, ただそれだけの概念に事実上成り下がります.

このような状態では音楽ゲームの実力はいわゆるクリアランプでしか測ることができません(ポストモダン音楽ゲームはたいていクリアランプの基準もキャラクターで変動しますが). そうすると相当多数いるであろう "結構クリアしてきたけどフルコンにはまだまだ遠いかな" 勢にはモチベ維持の問題がのしかかります.


私がポストモダン音楽ゲームを避ける理由には, "音楽ゲームを長く楽しんでほしい"という気持ちと, "音楽ゲームを長くやるにあたって, 簡単にモチベの問題にぶつからぬよう" という気持ちがあったのです.


3.じゃあどんな音ゲーならいいんだよ

私が音ゲーをすすめるにあたって考慮する点は以下の通りです(他にもなんかあった気もする)

・非ポストモダンである
・判定が優しい
・あまりにも尖った操作性でない

結構な項目を判定が優しいに押し込みましたが, これを満たすゲームとしては

・Dynamix
・Lanota
・phigros

あたりじゃないかなと思っております. これらは全部判定のゆるいゲームですし, 尖りきった難解な操作性というわけでもありません. 無論ポストモダンでもありません.

一方, 非ポストモダンなゲームでもおすすめできないものもあります.

・Arcaea
・Deemo

上の2つは代表例だと思います. Arcaeaの尖りぶりはもはや語るまでもないでしょう. 判定も厳しいです. Deemoもまた判定の狭いゲームです. また, スライドの変態仕様が操作の難解さを向上させています.

ポストモダン音楽ゲームからおすすめできるゲームもないわけではありません.
プロジェクトセカイなどは, ポストモダン性をあまりにも強力すぎるメリットで圧倒している例です. 楽曲ラインナップが強すぎて正直おすすめしてしまいます.


4.まとめ

以上が私の中の音楽ゲームおすすめ基準, そしてそれに付随して出現したポストモダン音楽ゲームの概念の説明でした.
キャラゲーと音ゲーを融合したようなあのゲーム群をどう呼ぶか悩んでいたところで "そういえばこのゲームってだいたいポストモダンとか言われ始めるような世代だよねー"という着想を得た結果この単語が誕生しました.
私もキャラクターステータス非依存のスコア導入に向け, 東方ダンマクカグラ運営の方にかけあってみたりもしましたが, 現状変化は起きていません.

いつの日か, ポストモダン音楽ゲームに確固たる実力指標と, それによる成長の喜びがもたらされるのを願ってやみません.

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