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ハテルマを大音量で聴く

ハテルマ1976と千のナイフ1978の間にあるもの

 坂本龍一の死から少し時間は経った。土取利行・間章から渡辺香津美・細野晴臣への、あまりにもわかりやすい付き合う人間と音楽の変化。たった2年しかないが、フリージャズからフュージョン前衛ポップに坂本龍一の環境が変わったことを今は面白く聴ける。どちらも素晴らしいアルバムであることにまちがいはない。が

 音楽雑誌で評判の良かった千のナイフを買った当時20歳の私はまだ新宿の前衛芝居や音楽に憧れ、住んでいた西荻窪のアケタの店はに顔を出していたから、好みは今聴いているディスアポイントメント・ハテルマです。1曲目から頭がガンガンするが、徐々にフリージャズの狂気的な音の出し方とは違う冷静さが見えてくる。

 ちなみにハテルマは土取利行+坂本龍一とクレジットされている、500枚しかプレスされず売れなかったアルバムです。坂本龍一が大物になったから彼の最初の音源として2人にいろんなオファーがあったようですが、お互い興味無かったようです。(土取さんとの話の中で)

 一方、千のナイフは良くできた音楽が展開されて、渡辺香津美も活躍していて、少なくとも私にはYMOよりずっと聴く気になるアルバムでした。この後1枚も坂本龍一のレコードは買ってないから偉そうなことは言えないが。

 更に、土取さんとのお話の中で、私が阿部薫や近藤等則との70年代についてフリージャズはあまり好きではなかったと言われたのでびっくりしたが、その後の銅鐸・サヌカイト・縄文太鼓と繋がる音楽を聴いていると、なるほどなあと思った。

サヌカイトとの1980年代前半

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