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CDツトム・ヤマシタ+サヌカイトその1

佼成出版から発売されたCD 1~3の音とその頃のお話
上の写真は1988年京都府京北町ツトム・ヤマシタステージアンコール場面

佼成出版から発売されたCD 1~3

 その音楽を聴いたのは1990年京都府園部町の会館の階段でした。ツトム・ヤマシタさんが監督していた国際芸術祭が園部であったのです。(前年は京北町)ツトム・ヤマシタがサヌカイトを演奏する最初のCD、その冒頭一曲目(後に「石の詩」と名付けられた)の短いサンプル音源でした。制作者である佼成出版の後藤光恵さんがとてもうれしそうにCDウォークマンのヘッドフォンを渡してくれながら「素敵なんです」と言った。シンプルだけどサヌカイトらしい音が続いていた。思えば1986年12月、私がサヌカイト楽器SOUのセットをヤマシタさんがリハーサルをしている京都市内の建物に運んでから3年半が経っていた。87年春から何度もコンサートをしていたがレコーディングはされてなかった。

 なぜメジャーレーベルではない佼成出版(立正佼成会の)からリリースされたかは、1980年代後半に立正佼成会高松教会の教会長をされていた清水さんという方がサヌカイトの音が好きで、皆さんに紹介しているうちに会長及びその周辺の方を巻き込んで熱心にレコーディングを望んだという事です。佼成ウインドオーケストラを持っている会ですので、音楽に造詣の深い方がたくさんいたという事だと思います。ヤマシタさんにとっては、1984年の映画「空海」サントラ以来。

3つの曲 それぞれのCDから1曲(短く2分程度)抜粋してYouTubeにアップしました。
太陽の儀礼 Vol. II サヌカイトの幻想 (1990)  石の詩・土の詩
太陽の儀礼 Vol. Ⅰ久遠之今 (1993) 真如の月
太陽の儀礼 Vol. Ⅲ 神々のささやき (1997) Peace & Love

 最初のCD「サヌカイトの幻想」(最初だけれどもⅡと名付けられている)のレコーディングに立ち会ったのは、京都にあるシンプティスタジオ(粕谷和弘氏オーナー)でした。全くのアナログ録音で最先端とは言えないけど最少人数で時間をかけて作るには良かったのだろうと思う。(3部作すべてこのスタジオ録音)写真を撮っていないので機材のことは忘れてしまったが、レコーダーはタスカムMS-16(1インチ16トラック)とリバーブはLexicon PCM70とだけ覚えている。シンセはコルグDW8000とか。

 私もレコーディングをするのでどこのレコーディングでも勉強になる。機材はもとよりサヌカイトとマイクの位置関係が一番重要でいまだに答えはない。サヌカイト自身の余韻が長いので基本的にリバーブは使わないのだけど、作品の奥行き感に必要な時があり、可能な限り高級な(密度の高い)リバーブマシンを使う事が大切だと理解している。当時の小さな規模のスタジオでは30万円弱のPCM70がベストだったかな。私はSONYのMU-R201(13万円弱で傑作 私はいまだに使う)しか買えなかったのです。

 私は2,3作目のレコーディングには立ち会っていない。ヤマシタさんは自身でキーボードも演奏してBGMを作りそこにサヌカイト音をかぶせていく手法をとっていて、多くのサヌカイト楽器は京北町の練習場に置いていたので、そこでも録音していた。サヌカイト楽器は重く割れやすいので運搬も大変です。

 私のように普通の人間は3作目の「神々のささやき」の美しさが好きだと思う。とてもきれいなサヌカイトの音が聴ける。ヤマシタさんが体調をひどく崩していた時期を乗り越えたときの音なので、優しさに包まれているかのような音楽です。3枚のCDはすでに新品を買うことは不可能(私は未開封CDをそれなりに残している)に近いので、中古でも買って聞いてくれたらうれしい。

1988年8月エジンバラ国際芸術祭
1988年1990年の2回参加 会場は同じセントブライト教会
1990年京都国際芸術祭園部での粕谷茂さん
フェアライトCMIによる編鐘サンプリングのデモンストレーション
1992年9月比叡山延暦寺根本中堂での供音式
天海大僧正350回忌における織田信長焼き討ち犠牲者慰霊とある種の仲直り的思いを持つ
1990年9月ストーンヘンジ・センターサークルでのサヌカイト演奏 夜明けとともにサヌカイトの演奏が始まったその瞬間の写真 もちろん私の撮影

その2はソニーSACDレコーディングのことを

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