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ヴィーガン給食で「豊かさ」について考えてみた

 こんにちは、占い師のトナカイです。

 先日こんな記事を見かけまして。

 その後、フォロワーさんから「この記事炎上してるんです」というご報告を頂きまして。

「まぁ、そうだろうな」という感想でした。

 ここから、ちょっと占い師として考えるべき事があるんじゃないかと思いまして。

 今回このように筆を取った次第です。

1.ヴィーガンってなに?

 最近、色々な場所で聞く機会の多い「ヴィーガン」という言葉。

 この言葉の意味が一人歩きしているようでして。

 ヴィーガンとベジタリアンが混同されていたり。

 自称ヴィーガンが動物園に行くのはOKなのかが物議を醸したりしているんですが。

 実はヴィーガンが初めて歴史上に登場したのって、確認される限りでは1944年のイギリスです。

 動物の体・卵・そして新たに乳も食さない協会の会報創刊号で”vegan”という言葉が提案されました。

 Vegetarianの頭3文字と尻2文字で、従来のベジタリアン主義の終わりと新たな始まりという意味もかけたそうです。

 その後 Vegan Society(ヴィーガン協会)と呼ばれるようになった同協会は1951年、ヴィーガニズム(ヴィーガン主義)の定義を定めました。

 その定義によるとヴィーガニズムとは

「THE DOCTRINE THAT MAN SHOULD LIVE WITHOUT EXPLOITING ANIMALS」

すなわち

「人間が動物を搾取することなく生きるべきであるという主義」

と訳す事ができます。

 つまりヴィーガンという考え方は、食に限定されたものではありません。

 にも関わらず、今回のこの記事ではヴィーガンが菜食主義者の事であるような誤解を与える内容になっている事が残念でありません。

2.アレルギーってなに?

 よくこの類の記事で対比されるものとして食物アレルギーがあります。

 今回の記事に関してもそうですね。

 食物アレルギーとは、特定の食物を摂取することにより免疫システムが過敏に働き、体に不利益な症状が現れることです。

 これよく混同されるんですが、牛乳で下痢をするといった乳糖不耐症や、食中毒などは食物アレルギーではありません。

 原因物質は、食物に含まれるたんぱく質です。

「原因がたんぱく質なら、動物性を避ければ良いだけじゃん!」

 って思うかもしれないんですが、たんぱく質には動物性のものと植物性のものがあります。

 それ故に食品表示法で「必ず表示される7品目:乳、卵、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)、えび、かに」があるのです。

 で、アレルギーは思想や主義とは無関係です。

 例えばヴィーガンの方が大豆のアレルギーだった場合、大豆を食べる事はできません。

 肉食主義の方が豚肉にアレルギーを持っていた場合、その人は豚肉を食べる事はできません。

 つまり、アレルギーはその人の意思や趣味嗜好が介在する余地がないのです。

 よくアレルギーと好き嫌いを混同して、子どもにアレルゲンを摂取させ子どもが死亡する事件が起きています。

 一応事故と処理される事が多いですが、トナとしては「それって殺人じゃね?」って思います。

 あと「アレルゲンを少量ずつ摂取すれば体が慣れる」っていう減感作療法があるから少量ずつアレルゲンを食べさせるべきとかヌカすクズ占い師もいますが。
 そういうセリフはトナより医療知識を持った状態で言って下さい。
 少なくとも毎日臨床現場に出ていているトナの知識、手技、経験程度では「ご家庭で誰でもできる減感作療法☆」は提供できないし、そんなんで治るならこの世から花粉症患者絶滅しとるわ。

3.何が問題なの?

 トナは今回の、ヴィーガンの食事を教育に取り入れるという活動自体に反対していません。

 ただし、例えばヴィーガン食を毎食続けるという行為は、栄養素の観点から見るとどうしても不十分であると言わざるをえません。

 特に発達時期の子どもに対してのヴィーガン食では健康被害が報告されています。

 鉄やビタミンD、カルシウム、タンパク質の不足は否めず、どうしてもそれらは動物性食品から摂らざるを得ないのです。

 ところで、宗教上の理由で輸血をしない人っています。

 また、宗教上の理由で延命治療をしない人っています。

 これって間違っているんでしょうか。

 トナはそうは思えないんです。

 本質的に、思想というのは医学的な立場から切り離されるべきだとトナは考えています。

 医療従事者は「医学的価値観」から延命や治療を推奨しがちですが

 極論、公衆衛生上問題がなければ(例えば放置する事で感染症が撒き散らされるとかがなければ)

 トナは、その患者の思想を可能な限り尊重してあげたいと考えています。

 で、これらの思想は本件のヴィーガンにも通ずるものがあって。

 確かに医学的見地から見ると、栄養は足りていないのかもしれません。

 だからと言ってこの思想を否定して良いかというと、そんな話にはならないとトナは思っています。

 ただ、ここで一番よくないのは。

 それに巻き込まれ被害を被るのが子どもである事が多いという点です。

 極論、大人でヴィーガンで栄養素が足りなくなろうと

 喫煙で本人がガンリスクを上げようと、正直どうでも良いと思っています。

 それはその人が選択した結果だからです。

 でも、子どもはどうでしょう。

 子どもは、どうしても「親の言う事が絶対である」という前提を持っている事が多いです。

 そんな親を見て、子どもが親を真似て同様の選択をする事があります。

 それは、果たして子どもの「意思」として扱うべきなのでしょうか。

 実際、子どもに対しヴィーガン思想に基づいた食事をさせた事による被害は数多く報告されています。

 日本小児科学会雑誌には、母親の極端な菜食主義により、くる病(ビタミンD欠乏症により、骨が弱くなり変形する病気)を発症した3歳児の例。

 ヴィーガンの両親に完全母乳栄養で育てられた11か月児が、嘔吐で来院し体重のひどい増加不良と発達の遅れ、貧血などがあった症例(ビタミンB12欠乏による嘔吐と汎血球減少が原因)などがあります。

 つまり、今回の場合

 きちんとヴィーガン食のリスクを親ないし、生徒に対して説明し理解を得た上で実行したのかどうか。

 ここが問題の本質になるとトナは考えています。

4.「豊かさ」って?

 さて、以上の問題点を踏まえた上で

 果たして、このヴィーガン給食を継続して行うべきかどうか。

 トナの考えは「給食としては行うべきではない」というものです。

 ヴィーガン食に触れるという文化交流は非常に大切なものです。

 また子どもが、自らの考えや地球環境や他の動物の事を考える機会になるという側面があります。

 そして、ヴィーガンという思想は守られるべきものです。

 今回はそのメリットをゴリ押ししている事により心理的誤謬を招いている事。

 またヴィーガン食とアレルギー対策が同列に扱われている事。

 そして最も大きな理由が

「生徒から選択の自由を奪っている」

 事です。

 給食という文化は素晴らしいものです。

 ただし、中にはアレルギーの関係で、例えば牛乳が飲めない生徒がいます。

 卵が食べられない生徒がいます。

 パスタが食べられない生徒がいます。

 それは紛れもない事実です。

 そして、そんな生徒には、「アレルゲンの入っている食事をする」という選択の自由はありません。

 故に、食物アレルギーを持つ子どもの食の問題は解決すべきなのです。

 これは食物アレルギーを持っていない生徒が「卵を食べる/食べない」という選択ができるのに対し

 卵アレルギーを持っている生徒は「卵を食べない」という選択しか行えないからです。

 トナカイは、豊かさとは「選択肢が多い事」だと考えています。

 1食に1000円しかかけられない人と、1食に3000円かけられる人がいるとします。
 1食3000円かけられる人が(食にかけるコストという視点において)豊かなのは、「1食を1000円で楽しむ」こともできる、選択の自由があるからなのです。

 つまり、本質的な「豊かさ」を追求するのであれば

「ヴィーガン食を食べる/食べない」という選択は生徒自身が行うべきなのです。

 それを「給食」という場で半強制的に行ってしまうのは、ただの価値観の押し付けになってしまいます。

 なので今回はヴィーガン給食という事で記事になっていますが。

 例えばこれが「肉だけの給食にしましょう」とか

 「魚だけの給食にしましょう」であっても

 全く同じ意見をトナカイは言います。

 また価値観の押し付けに加えて、ここに「栄養素の不足」というものが挙げられる為、医療者としても見過ごす事はどうしてもできません。

 ヴィーガンという、本来尊重されるべき思想を

 このような形で炎上させるやり方は好きか嫌いでいうと嫌いですし。

 きちんとヴィーガンの思想を持って生活を送っている方々に迷惑を与えてしまいかねないと考えます。

5.これを読んだ占い師に向けて

 以上が、この記事を読んでのトナカイの意見です。

 この意見は当然、トナカイの独断と偏見によるものです。

 なのでこの考え方が絶対的に正しいというものではありません

 ただ、今回のこのヴィーガン食についての記事を読んで

 占い師のみなさんが

「豊かさ」

 について考えるきっかけになれたら良いなと思って、こんなnoteを書きました。

 特に占い師は占術を提供する際に「こうしなさい」という意見を言いがちです。

 例えば彼氏と別れた方が良いかどうかという質問があったとして

 占術結果によっては、「彼氏と恋人関係を継続する/彼氏と別れる」という選択肢のうち、一つを消す事があります。

 これは直接的に「今すぐに別れなさい」という場合もあれば

 やんわりと心理誘導をする場合もあるかと思います。

 ただ忘れてはいけないのは

 相手の選択を一つに誘導するという行為自体が

 相手の「豊かさ」を奪っている可能性があるのです。

 これって俗に言う「占い中毒者」には特に当てはまります。

 どんな事でも占い師に頼ってしまうという事は

相手の自由意志を奪っている=占い師がお客様の「豊かさ」を奪っている

と言えます。

 なのでトナカイは占術に対してある程度の距離を持って接しているのです。


 勿論、占術の結果をどのように解釈し実行するかはお客様の自由です。

 相談内容によっては「本当に今すぐ彼氏と別れるべき事案」というのも存在します。

 だからと言って占い師は「客の自由だから」とふんぞり返って良い仕事ではありません。

 ただ逆に

 相手にお客様が考えもつかなかった新しい選択肢を提示する事もできます。

 それは占いの勉強だけをしていても、絶対に得られない視点です。

 故に占い師には、様々な視点で物事を見る能力、様々な知識、様々な経験が必要なのです。

 トナカイは占い師という仕事が大好きです。

 ただ、中には占術の知識がないにも関わらず稼げている占い師もいますし。

 占術の知識はきちんとあるのに、一向に稼げない占い師もいます。

 この二人の最も大きな違いは何か。

 それはお客様にメリットを与えてるかどうかです。

 今回は「豊かさ」という視点でお話をしました。

 選択肢を一つしか提示できない占い師

 選択肢を広げてくれる占い師


 どちらがお客様を豊かにしており、メリットを与えているか。

 そして、どれを選んだらどんなメリットがあり

 どんなデメリットがあるのかまでを深掘りして

 それをきちんと説明する為の勉強を欠かさない人

 トナはそんな占い師に囲まれて生活をしています。

 そして彼らの中に

「売れていない占い師」はいません。

 もちろん、「売れているから正義」という話ではありません。

 占い師は、お客様にきちんとした占術を提供し、問題解決のお手伝いをする仕事です。

 すると、「勝手に売れてしまう」職業なのです。


 彼らやトナカイのちょっとした考え方やヒント

 そんな「考えるきっかけ」を占い師全員で共有したいなと思い

 こんなnoteを書いてみました。


最後まで読んでくれてありがトナ┗|´・_●・|┛

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