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五十音短歌

あかべこのゆれを見るときあかべこも私のゆれを見ている筈だ 行き過ぎてちょっと戻って着地した 一言で言えばまあそんな風 打ったなら走れ 打っていないなら走るな こっちを見るな 助けて 駅前のマックのポテトをつまむ手の人差し指にとまった蚊の死 落ち着いて息をゆっくり吸い込んで 吐かずに俺を殴れ 顔を 界隈でちょっとは名前の知られてるあいつはネカマで親が金持ち 気が狂う コーヒーを飲む 二の腕と小指を舐める コーヒーを飲む 唇とぎりぎり呼べない位置にだけキスをしてから

    • 五十音短歌2

      Amazonの箱を収納ボックスにしてる以外はていねいな暮らし 意地悪な魔法使いにかけられた呪いが解けてアコギを捨てた 裏庭に生えた巨大なチンアナゴは母親の声で俺の名を呼ぶ 液晶のひびを指紋がなぞるたび夢の記憶が削られていく 甥っ子の写真をLINEの口実にしてきた誕生日の父親よ 蚊柱は歩きスマホを見咎めて顔中の穴という穴を刺す 義務めいた入浴を終えリンスなど使ってなるものかと呟いた 曇り空は半袖の僕を戒める 秋晴れもまだ見ていないのに 珪藻土マットは普通にカビま

      • 今更『天気の子』を見たよの記録

        天気の子を見た。初めて。今更。ので、感想を、書く。ネタバレには一切配慮してない。 少年少女と、ダメな大人と、ちゃんとした大人天気の子を見る前の漠然としたイメージは、「セカイ系リバイバル」って感じだった。実際それはそんなに間違ってないとは思う。 孤独な少年と少女。2人を社会と緩やかに繋ぐ存在としての「大人になりきれない大人」。「敵」としての「ちゃんとした大人」。 少年少女は疑似家族(家族の「暖かさ」のみが強調され、その責任や義務は捨象される)を手にいれ、少年と少女はダメな

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