なぜ小学校でプログラミングを学ぶのか
「なぜプログラミング教育が必要なのだろう?」と疑問に思っている方も多いようで、教室の保護者からも色々と質問を頂きます。
その昔エンジニアだった私自身も「scratchでプログラミングを学んだって、コンピュータが本当はどんなことをしているかはわからないし、たいして意味がないのでは?」とさえ思っていました。
明日(2020年3月29日)の、Kids Code Club(https://kidscodeclub.jp/)
とシアトルのSIJP(https://sijp.org/)が合同で企画するのシアトルからの素晴らしい講座をご紹介するに当たって、改めてscratchの開発者の一人、ミッチェル・レズニック博士の話をTEDで聞いてみました。もしも「なぜ今プログラミングなの?」「scratchで学ぶ意味はあるの?」と思うお父さん、お母さんがいたら、是非TEDを見てみて下さい。
TEDの内容は例えばこんな感じです。
例えばコードを一から打ち込むプログラミングではなく、scratchで簡潔にプログラミングすることで文脈が見えやすくなります。自分が作るデザインの中で「変数」を学ぶ必要性を感じることもあるでしょう。
将来プログラミングを使う仕事をしなくても、
・複雑なアイデアをどのように単純なアイデアに分割するのか
・どのようにバグ(間違い)を見つけるのか
・仲間との協力の仕方
など、販売員、機械工、コミュニティオーガナイザーになる場合にも必要な力がつくのではないか、と博士はいいます。
〇ミッチェル・レズニック博士(Mitch Resnick)「子供たちにプログラミングを教えよう」https://www.ted.com/talks/mitch_resnick_let_s_teach_kids_to_code?language=ja#t-989365
そして明日、3月29日9時30分からは、だれもが楽しく学べる無料オンライン講座です。私は塾を企画運営する立場なので、様々な教育教材の見本市などにも出向くのですが、それらと比べてもこの講座は秀逸です。
〇CS in English【番外編】休校中の子供達のために「プログラミングの基礎」 https://note.com/kidscodeclub/n/nb80a05bd515f
<なぜお勧めするのか>
①computer scienceを専攻した人たちが授業をしている
なぜ専門家に教わることが大切なのかは、学習科学(認知心理学)の
研究や理論を知ると納得して頂けると思います。
ここでいう専門家というのは教えることの専門家ではなく、教科知識
(computer science)の専門家をさしています。
教える側には、箇条書きの暗記の知識ではなく、体系化された知識が
必要です。
②受講後も、教材、コンテンツを無料で使うことができる
Kids Code Clubで利用されているCode.org(https://studio.code.org/courses)のコースの開発などは、(おそらく)ボランティアに支えられ、コースは世界で数千万人の生徒が利用しています。
豊富なコースは終了後も自由に利用することが出来ます。
全体的に魅せ方がとてもうまく、日本人の多くの人たちが持っている
プログラミングのイメージを変えてくれそうです。
③日英バイリンガルの講師に教えてもらえる
シアトル在住の専門家の先生たちが、日英バイリンガルで授業を
進めてくれます。
コンピューター用語はもともと英語ですので、これをきっかけに
英語にも興味を持ったお子さんの話も何人か聞いています。
<少し粗いかなと思う点>
(決して非難するわけでは全くなく、Code.orgがボランティアでここまで開発されることに大きな敬意を持っています)
①コースのつなぎめの問題
例えばコース1(4才~6才)からコース2(6才以上)に移行する時に、コマンドの指定の仕方が変わります。「→」で行っていたコマンドも「ターンする」「前進する」という2つのコマンドの変わります。また、座標の見方も変わります。
ただ、この点は子どもたちは問題なく適応しているとのことです。
②computer scienceの知識体系のどの部分を学習しているのかはわからない
これは、Cord.orgの問題ではなく、私が今まで見てきた日本のプログラミング学習のコンテンツも同じです。
ですが、ミッチェル・レズニック氏のTEDでの話を聞いてみると、
それは後回しでもいいのかなと思えました。
色々と疑問を感じそうな小学校のプログラミング教育ですが、この機会に親子で学んでみると先が見えてきそうですね。
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