2023年 渋谷教育学園渋谷中 算数分析
設問分析
2月1日の倍率から4倍近くに上る激戦区、渋渋の入試分析です。
当然ですが、1問の結果の差が合否に直結します。算数の入試の傾向としては、実に渋渋らしいセットとなりました。以下、紐解いていきましょう。
大問1 小問集合
失点は1問までにおさめたいところ。(4)と(5)が初めて見かけるような問題でしたが、丁寧に分析・作業していけばどちらも確かめが出来る問題なので正解したい問題です。(6)は難関校対策で一度は触れていそうな作図ですね。
大問2 立体図形
合格するためには3問とも正解したい。(1)(2)は基本的な計算です。(3)もやることは明快ですが、作業でミスが出やすい問題。きっちり書いて正解しましょう。
大問3 速さ・場合の数
ここからは思考力重視の渋渋らしい問題。(1)(2)は愚直に調べ上げていきましょう。(3)は「一つ答えなさい」がヒント。ただ、残り時間を考えると切り上げて4番に時間を費やしてもよいと思われます。
大問4 数の性質・場合の数
(1)は正解しましょう。(2)は想定されるものを書き出しながら答えればよいが、少し場合分けが多い。が、答えは比較的見つかりやすい。
(3)は場合分けが明快なため、調べ上げれば5分弱で答えに到達できます。ただ、ア~カにあてはまる数字の組み合わせを答えるのではなく、計算結果を数えなければならないので、重複する答えに注意したい。2か所重複します。この重複も実は(2)で経験させてくれているため、気づけた受験生もいたかな(特待合格にはこのくらい必要ですね)。
渋渋に合格するために
思考力系の問題と、パターン問題の出題がバランスよく出題されている印象の強い学校です。演習をしても、40~50点くらいはとれるけどなかなか70点に乗らない、という悩みをもっている受験生も多いです。
①パターン問題はとれるけど、思考力問題が意味不明。
②思考力問題は手が出るけど、パターン問題での失点が多く得点が安定しない。
もう少しで合格点に届く生徒は①と②に大別されます。①は普段のテキストではなかなか実力をつけることができません。
渋渋に関しては、過去問演習を通じて仕上げるのがよいでしょう。また、類似の問題に取り組み、様々なタイプの思考力問題に対応できる練習をするとよいです。思考力問題にも様々なレベルがあり、「読めば出来るもの」「読んだうえで調べれば出来るもの」「時間内に処理しきるのは難しいもの」があります。
自分のレベルにあった問題に取り組めるように、担当の先生に考え方の道筋を確認し、一人で再現できるように練習しましょう。
②については、日々の演習量と質がものをいいます。本年であれば、大問1は1つのミスまでにならない場合、日頃の学習に穴があると考えて、地道にトレーニングを繰り返すべきです。渋渋では、ものすごく珍しい解法は出題されづらいものの、やや高度な典型題は小問でも大問でも見かけます。また、本年の大問2のように典型題のミスは許されません。毎回のテストで丁寧に作業・計算をし、1回で仕留められる状態をつくっておきましょう。
際立って特別な対策が必要な学校ではありませんが、6年生の秋以降は個別に過去問を中心にしたトレーニングや指導を受け、合格を目指して頑張りましょう。
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