2023年 立教新座中 算数分析
設問分析
2023年の立教新座中の算数を振り返ります。1月の終わりに入試が実施され、2月に上位校を目指す男子受験生がたくさん受験します。早慶附属校を中心とした上位生の試金石となるのですが、結構波乱が起きます。その原因となるのが算数だったりします。まず、設問数が多い上難易度がそこそこ高いです。そのため、平均点が40点前後になることも珍しくありません。
2023年の平均点は39.4点とやはり例年通りの結果となりました。まずは設問を振り返ってみましょう。
大問1 小問集合
例年、数の性質や場合の数でキツい設定の問題が出題されることが珍しくありませんが、本年はやさしめでした。強いて言うと、(4)の角度の問題は解いたことがあるかどうかで決着がつく問題でした(知らないで解くとかなり難しい有名な問題)。限りなくパーフェクトに近い出来にしておきたいところです。
大問2 売買損益
こちらも比較的取り組みやすい大問でした。(2)から少し目新しい捉え方でしたかが、結局はつるかめ算や不定方程式に持ち込めて答えも絞りやすい問題でした。
大問3 図形の回転移動
いつも通りの回転移動ですが、動いた面積が与えられ、そこから逆算する問題。(1)は答えも素直でやりやすかったはず。(2)は問われ方が気になった受験生もいたかもしれませんが、結局いつも通りの形に落ち着きます。(3)は面積から最短距離(=高さ)を求めてドーナツ型の面積を求めます。実力差が出る大問です。
大問4 影の問題
(2)までは普段のテキスト通りの問題といいたいところですが、三角すいの影と言われて戸惑った受験生もいたはず。(2)(3)は過去に駒場東邦中でも類題が出ています(こちらの方が易しいですが)。また、(4)の壁にうつる影の面積は最近の流行りです。本年は四谷大塚の合不合判定テストの最後の大問(11月か12月だったはず)でも見かけました。今後は算数が得意な受験生はバッチリ対応できるようにしたいですね。
大問5 数の性質
これまでの問題が解法がぱっと思いつく問題なのに対して、一気に思考力重視の大問に変わりました。しかも難易度は高いです。よい問題だとはおもうのですが、あまりに唐突(本来こういう問題が大問1にあったりするのが立教新座らしいのですが)で、解きづらかったことでしょう。一つ一つが独立している問題でもあるので、1個合っていればOKくらいの心構えでもよかったかもしれません。
立教新座中に合格するために
さて、この中でどう合格点をとっていくのかという話になります。まず、思考力系の問題が比較的少なかった今年ですら、平均点は例年通りでした(典型題といってもやや応用的なものも多く見られましたが)。制限時間50分で解ききるには量も膨大です。多くの受験生はこれらの量と難易度にやられてしまったといえます。
まずは時間を気にせずどこまで自分が解ききれるのかを試すとよいでしょう。立教新座中の問題は方針がたっても計算量も多いため、合わせ切ることが大変です。おそらく受験しよう、と考える受験生は、時間無制限・何度でもやり直しOK!という条件であれば合格点は超えるはずです。
ただ、これを50分間一発勝負で攻略するには、訓練が必要です。「方針は分かるけれど、作業量と正解できる可能性を考えると割に合わないから捨てる」という判断も時には必要です。50分の中でより多く正解する、という観点で取り組めるようになると合格の可能性が上がるでしょう。
取り組むレベルとしては、比較的難易度の高いテーマまで扱いたいところです。しかし、合格点ということだけを考えるとそこまで準備していなくても到達できます。併願校と合わせて準備しておくとよいでしょう。
立教新座が第一志望 ⇒ 難しめのテーマまで扱っておく。
立教新座は併願校 ⇒ 第一志望の学校が難しめのテーマが出題されるなら準備しておくが、そうでなければ正答率を重視した学習をしておく。
担当の先生にもぜひ相談してみてください。
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