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2023年 慶應中等部 算数分析

設問分析

2023年の慶應中等部の入試の分析です。

2023年 慶應中等部 算数

 出題傾向自体は例年通りでした。私の授業では、慶應中等部は得点の目安として、男子70点、女子85点と指導しています。ただ、今年に関しては難易度こそ例年通りでしたが大問4~6まで取り組みづらい問題が並んでいたため、波乱が起きやすいセットだったと考えています。以下それぞれ見ていきましょう。

大問1 計算と小問集合
小4で習う分野の確認。ミスも比較的しづらい問題ばかりです。

大問2 文章題の小問集合
(4)のまとめ方が色々ありそうですが、問題なくねじふせましょう。(5)のタイルの切断は経験の差が出ますね。今年は早稲田中でも出題がありました。

大問3 図形の小問集合
どれも標準レベル。差がつきます。全問正解したいですね。

大問4 速さ
比で処理していくタイプの問題。途中で迷子にならないように確実に完答したいところ。

大問5 立体図形(水量)
受験生が苦手とするところ。設問の意味はスッと入りやすいが、どう解くかで迷った受験生もいたはず。習熟度の差が如実に表れる問題です。

大問6 条件整理
筆算が成り立つように、1~9の整数を当てはめる問題。よく見かけるタイプの問題だが、作業は地道であり大変。残り時間と要相談だが、片方は正解したいところ。本問は大問1も2もそこまで所要時間は変わりません。


慶應中等部に合格するために

 男子と女子で合格のラインが天と地ほど変わります。まず算数入試で合格点をとるためには、苦手分野を作らないこと。入試問題とはいえ、基本~標準問題のオンパレードです。塾の確認テストや模試と同レベルの問題をミスなく素早く解けることが第一の条件です。

 第二に必要なことは、時間配分です。小問集合だけで70点分です。ここまでで解いて残った時間で残りの大問に取り組まなければなりません。得意な大問で完答、苦手な大問や時間がかかりそうな大問はとりあえず解答しておき、残り時間を検算等に上手に使いましょう。

 日頃の学習では、計算ミスなく正しい解法で答えを出す訓練が必要です。授業の復習・反復練習を徹底しましょう。

 また、小6の秋ころから徐々に過去問にも触れましょう。はじめは時間をきっちりはかる必要はありませんが、45分間での訓練も冬にははじめましょう。その際に、
①短時間で正解出来る問題。
②時間はかかりそうだが、正解できそうな問題。
③時間もかかりそうだし、正解できるか不安な問題。

①を確実に正解すること、②を上手に見切る(または勝負をかける)こと、③問題を読んですぐに判断できること、が高得点をとるコツです。

 過去問演習をした際にレベル別に分けて添削してもらうなど工夫をするとよいでしょう。

 人気抜群の慶應中等部ですが、決して難問が並ぶわけではありません。本番で高得点が取れるための逆算をした準備が大切です。各塾での学習も基本~標準問題の習得を大切にし、確実に自分の技術としていってください。

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