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2023年 浅野中 算数分析

設問分析

2023年 浅野 算数

 得点の割合としては、受験者が61.0%、合格者が73.4%と、やはり浅野中受験生のレベルの高さが表れる結果となりました。

 問題としては標準的でしたが、テンポよく最後まで進む力強さが求められる試験だったように感じます。以下、具体的にみていきましょう。

大問1 小問集合
(3)の角速度は上位行では頻出。(4)の平均は初見ではかなり難しい。青山学院中等部で過去に2回出題されたことをはじめ、他校でもちらほら見かけるので、解法を完璧にインプットしておきたい問題。(5)はやや珍しい問題であるが、よく読めば難しくないはず。表現力も問われた問題である。

大問2 文章題
ワクチンの偽陽性に関する問題。前提知識は不要であるから、丁寧に読み取り完答したい。ちなみに、2022年の南山女子中でもほぼ同じ問題が出題されている。来年以降でも他校でまだ出題がありそう。

南山女子中 2022年
2023年 浅野中

受験生がなかなか同じ問題を解くのは大変だったとは思いますが・・・。

大問3 数の性質 場合の数
(1)と(2)は調べ上げながら表にまとめる。駒場東邦中でよく出題されるタイプです。(3)は場合の数として組み合わせて余りが0になるようにする問題。上位者は正解したであろう問題。

大問4 立体図形
展開図を中心に図形を考えていく。設問にもあるが、一から組み立てるのではなく、「直方体から三角すい2つを引く」ことで立体を作図しよう。(3)は、(2)までの立体をベースに考えると自然と図形にたどり着くはず。

大問5 図形の移動
丁寧に考えていけば(3)までいけます。(2)は曲がる回数が多くなればよいので、1つ書いて求めてみましょう。(3)は曲がる回数を最大にしたままゴール=右方向にまっすぐすすむのが1回だけ、ということなので、どこで右方向に進むか4本の直線から選べばよいので、4通りです。
(2)まではセンターラインの公式も使えますが、筆者は普通に計算しました。


浅野中に合格するために

 浅野中の入試は難関校の基礎力が問われます。実際に、浅野中を受験する生徒の多くが同レベルまたはさらに上位の中学校を受験していることでしょう。したがって、その受験生にとっては易しく感じる問題なはずです。つまり、勝負はミスをいかにしないかで決まる、ということだと心得ましょう。

 また、例年思考力や表現力を問う問題も出題されます。それらの問題への付き合い方は個々で変わるとは思いますが、全体の得点がより高くなるよう、担当の先生よりアドバイスをもらうとよいでしょう。

 分野の話をすると、立体図形や図形の移動については比較的難易度は標準的ですから、差がつきやすいポイントです。また、場合の数は難しい問題であることも少なくなく、しかも前半に転がっていたりしますから、上手に回避しながら進むとよいでしょう。

 いずれにしても、小6の夏までは普段取り組んでいるテキストの習熟度が最重要です。基本を大切に、ミスをしない学習をしましょう。数値も複雑になってくることがあるので、普段から解法を意識した学習をすることが大切です。

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