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2023年 高槻中 算数分析

設問分析

2023 高槻 算数

 2023年の高槻中、算数A日程を振り返ります。まず、平均点が例年よりぐっと下がりました。(120点満点中、受験者47.1点、合格者54.5点)
 問題自体は、大問4を除いては比較的有名な問題でしたが、大問2,3,5といずれも気づくのにワンクッション加えられた問題であり、それが結果的に受験生の平均点を下げることにつながったことが予想されます。以下、細かく大問ごとに振り返ります。

大問1 計算・小問集合
(2)②の魔方陣、③の角度の問題に身構えてしまいそう。魔方陣では困ったときに□でおいていく、角度の問題は中心から補助線を引いて二等辺の発見と、基本に立ち返ることができるかが問われた問題でした。角度は★2でもよかったかな・・・。

大問2 規則性
表にまとめてみるとフィボナッチ数列や2乗ー1の数列が発見できます。ただ、設定にびっくりして、樹形図を書き出そうとしてしまうと結局ミスが生じてしまったという受験生は多そうです。案外正答率は低かったのではないでしょうか。

大問3 流水算
(1)と(2)で流水算の基本、(3)で速さを比で解く問題です。いずれも論点は基本なのですが、図が変則的であることや論点が若干隠れ気味になっている問題設定から、ここも苦労した受験生がいたことでしょう。全体の中ではここで稼いでおきたい問題です。

大問4 平面図形
折り返し図形を用いたシンプルな設定。それぞれが独立しているためどの問題から解いてもよいです。(1)はやさしめの面積比ですが、(2)、(3)と続くにつれて凶悪になっていきます。答えの数字もきれいにならず、不安な受験生が多かったでしょう。大問4は(1)だけでも良かったと思います。

大問5 立体図形
(1)は全体の中で唯一、習ったものがそのまま出題された問題でした。こういう問題をとれるかどうかが結局合否の分かれ目になります。(2)は易しい問題なのですが、経験の有無や(1)を利用する習慣が身についているかで正答率に差が出そうです。(今回は誘導もかなり親切でした)

高槻中に合格するために

 どの学校を受験するうえでもそうですが、基本解法の定着と作業力を磨くことが合格への最短ルートです。算数は決して暗記ではありませんが、「こうきたらこうしてみる」といった自分なりの判断基準を持っておくことが大切です。本年でも、円の角度の問題での補助線の引き方、規則性の問題のまとめ方など、結局セオリー通りできるかで得点が変わる問題ばかりでした。また、速さの問題では上手に❝要素❞を拾えるかが重要であり、流水算の出会いや比で計算処理する基本的な問題に持ち込めるかが見極められています。

 基礎的な解法で済む問題に対して、とにかく書いて書いて・・のような取り組みをしているようでは確実にはじかれてしまうのが入試問題です。全部が全部先生と同じ解法である必要は全くありませんが、上手に適切な解法を取り入れ、反復練習しながら学習を積み上げていきましょう。

 具体的な学習の目安ですが、塾や市販のテキストで解法をチェックし続けることは前提として、「平面図形」「立体図形」「速さ」に力を入れましょう。(これら3分野はどの学校でも欠かせない王道の分野です)
 
 「場合の数」「規則性」「数の性質」については出題はありますが、基本的な作業(調べる作業を省いたり効率的にまとめる)必要は大いにありますが、難問を攻略しなければ合格できないかというとそうではありません。正答率が高いであろう問題を確実に得点できるようにしましょう。

 最後に、過去問に取り組む時期ですが、さほど早い必要はありません。基礎的な練習を積み上げ、小6の9月以降は徐々にレベルを上げましょう。関西・関東を問わず中堅~難関校レベルの問題に取り組むとよいです(担当の先生にどのレベルが適しているか相談するとよいでしょう)。その中に高槻中の問題も取り入れ、12月中に4~5回分終えておけば十分です。(第一志望の場合はもう少し重ねておくとよいでしょう)

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