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2023年 洛南高校附属中 算数分析

設問分析

2023 洛南 算数

<2023年 平均点>
 合格者 3教科型 98.0点  4教科型 89.5点 (150点満点)

 2023年の洛南中の算数を振り返ります。全体的には標準的から若干難しめの年となりました。難関校向けの技術が問われたのは、大問3(2)、大問5(2)、大問6、大問7でした。ほかの問題を8割以上正解してもこれらの問題から逃げることは出来ず、難易度の高い解法技術を身につけていたかどうかが問われる試験でした。かといって、絶望的に大変な問題は出題されておらず、得点差のつきやすいセットでした。

大問1 計算・小問集合
特に癖のある問題もなく、ここは全問正解したいところです。

大問2 小問集合
(1)は有名な典型題。(2)は36の倍数でびっくりした受験生も多かったでしょう。筆者は36と100の最小公倍数である900まで調べて、そこから探しました。

大問3 数の性質
(1)はいいとして、(2)が難しいです。思いつかなければ後回しにする方が全体のバランスを考えるとよかったでしょう。

大問4 速さ
合格のためにはここは落とせません。速さの比をきちんと求めて(2)まで正解しきりましょう。

大問5 平面図形
こちらは図を書きなおすことが出来たかどうかで勝負が決まります。(2)が若干難しいですが、いろいろな解法があります。なんとか面積比まで持ち込みましょう。

大問6 平面図形
折り返し図形の難しいタイプの問題です。長さのヒントをどう使うか、手も足も出なかった受験生もいたことでしょう。対称軸から上手に直角さんけっけいを作り、長さにもっていくと解けます。5:12:13の形に綺麗に収まる問題でした。

大問7 立体図形
灘中でも出題があった立方体の対角線を軸にした問題。(1)は感覚も大切に解きたい問題ですが、(2)は正確な分析力が求められます。形さえ求められてしまえば、体積や表面積は比較的簡単に求められる問題でした。

大問8 場合の数
道順を利用した問題ですが、しつこく探していきましょう。時間さえあれば十分(2)まで解ける問題だったと思います。

★1だけでも52%、合格には悪くても60%は必要です。得意な分野で★2や★3を解ききれたか、特に速さと平面図形が勝負を分けたと思います。

洛南中に合格するために

 関西の最難関校の一つです。入試においては例年出題分野がある程度決まっています。大問として出題されやすいのは、

  • 数の性質

  • 規則性

  • 速さ(必出)

  • 平面図形(必出)

  • 立体図形(必出)

  • 場合の数

です。特に、立体図形は複雑な切断(に見えて実はシンプルなことが多いですが)も出題されるため、十分な対策が必要です。また、規則性や速さの問題は難易度が抑えられていることも多いため、得点を稼げるレベルに引き上げておきたいです。

 洛南中の入試のもう一つの特徴として、思考力系の問題(現場で考えるタイプの問題)が少なく、解法が決まった問題が多いことが挙げられます。もちろん、その解法のレベルが高いのは言うまでもありませんが、学習の指針が立てやすい学校とも言えます。
 通常のテキストのみならず、全国の最難関校で出題されるタイプの典型題は解法が再現できるように練習しておきましょう。身についてさえいれば、緻密な作業が求められる問題はさほどありませんので、見たことがあるかどうか、が大きいです。様々なタイプの問題に触れておきましょう。

 過去問についてですが、通し練習は数回で十分です。70分の制限時間の使い方だけ練習しておきましょう。取り組む時期は、夏頃から問題自体には触れておきたいです。ただ、得点を取る練習としては11月くらいからで十分です。基礎を強化し、解法の幅をしっかり広げておきましょう。

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