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2023年 東邦大東邦中 算数分析

設問分析

2023 東邦大東邦 前期 算数

<2023年 前期入試 平均点>
 受験者 71.8点(100点満点)

 2023年の東邦大東邦中の前期入試の算数を振り返ります。本年度は大問の数がこれまでの7→6に変化しました。総設問数はほとんど変わりませんが、出題された問題のレベルがぐっとやさしくなったこともあり、平均点は上がりました。倍率が2倍強であったことを考えると75点以上取ればよさそうに見えますが、問題のレベルを考えると80点以上狙いたいセットです。

大問1 計算問題
(1)は2023を外して計算するなり、工夫をしたい問題です。(2)(3)は普通の計算です。

大問2 小問集合
それぞれに意図が込められた小問集合です。さほど難しいものはないものの、全問余裕で正解となるにはかなりの実力が求められそうです。

大問3 食塩水
(1)が分析力が問われる問題です。結局水と食塩を混ぜて10%になるということに気づければあとは完答です。

大問4 速さ
3人の池の周りの旅人算です。どの塾のテキストにも類題が載っているような問題です。(3)だけ設定をリセットし、比で計算していく問題ですが、こちらもそうは難しくありません。

大問5 平面図形
本年の平均点が上がった一つの要因としてこの平面図形の大問が易しかったことがあるでしょう。特別な技術はほとんど要求されず、5年生で相似を習っていればすぐに取り組める問題です。

大問6 立体図形
段ごとスライスもどの受験生も勉強してきているでしょう。ただ、作業にミスが出やすい問題なので、慎重さが必要です。

東邦大東邦中に合格するために

 本年度は難易度が易しくなったほかに、条件整理や場合の数といった思考力系の問題がほとんど出なかったこともトピックスです。ただ、12月に行われた推薦入試では思考力要素のある問題も見られたため、来年度以降は元通りの形式に戻るのではないかと予想しています。

 分野として強化しておきたいのは、速さ・平面図形・立体図形です。もちろん全分野出題される学校ですから、文章題や数の性質といったそれ以外の分野もしっかり対応できるようにしておきたいのですが、設問の難易度として少し高めの出題になるのが上記3分野です。テキストの標準レベルの問題に加え、平面図形の角出しや立体のダブル切断など、少しだけ先の技術まで習得しておくと幅が広がるでしょう。

 また、文章題系の問題についてですが、問題の形式として見たことがある問題そのままが解けるというよりは、線分図や表にまとめて分析しながら解き進める力が求められます。式だけでなく、普段から図にまとめたり必要なポイントを考えながら解き進める姿勢が求められています。

 最後に過去問演習についてです。東邦大東邦中の算数は、45分の制限時間を考えると、決して多い分量ではありません。大問1,2を確実に仕留め、大問3以降は(1)~(2)は得点するが、残りは得意・不得意と相談しながら解けばよいでしょう。その練習をする意味では過去問演習は通し練習をしてもよいのですが、それ以外の目的では単元強化に充てた方がよいでしょう。もちろん過去問を題材にしてもかまいません。先に述べた「速さ」「平面図形」「立体図形」で他の受験生に差をつけられるように充実した演習を重ねていきましょう。

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