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2023年 豊島岡女子学園中 算数分析

設問分析

2023 豊島岡① 算数

<2023年 第1回平均点>
受験者 62.12点  合格者 73.05点

 2023年の豊島岡女子学園中の振り返りです。全体的な難易度と平均点はほぼ標準的といえる結果になりました。

大問1 小問集合
特にいうことはありません!(3)の桁数の周期も難関校では2桁、3桁と出題されることがありますが、方法論は同じです。

大問2 小問集合
これらもいたっていつも通りの難易度。(4)で補助線を引かせてから二等辺探しなどワンクッション入っていますが、解けるようにしなければなりません。

大問3 売買損益
どちらも基本です。安心して解けたことでしょう。

大問4 平面図形
一番の曲者はこの平面図形かもしれません。(1)が出来ずそのまま(2)まで失点してしまった受験生は多いでしょう。BE:ECはすぐに求まったけれど、そこで撃沈・・となりやすい問題です。「三角形の」等積部分を見つけます。AEとBDの交点をHとすると、条件から三角形GDH=三角形BEHとなるので、等積変形のちょうちょ型が出来ます。よって、BGとCDが平行になり、砂時計型の相似が表れて、GH:HE=BH:HD=2:3となって解けていきます。難易度は高いと思います。
それでいて、(2)は方針は立つものの、AF:FBを求めるのに一苦労。こちらの方が(1)さえできれば解きやすかったでしょう。

大問5 規則性
16秒まで調べてしまえば簡単です。(3)のみ、倍数の性質を使いますが、8の倍数−2の形ですので、そうは難しくありません。

大問6 立体図形
やや難しく感じるかもしれませんが、(1)は錐体であることに気を付けて求めます。(2)は重なりを引けばOKです。どちらの問題も全体から上の部分を引くことを忘れずに。(3)は(2)のように、重なりを・・と思いきや、上の部分はすっぱり消えてなくなりますので、下の三角すいけ体積比で求めて3つ引いておしまいです。計算力というよりは捉え方、の問題ですね。

安心して合格点を狙うためには、得意ならば80点以上、どんなに苦手でも65~70点に収めなければなりません。

豊島岡女子中に合格するために

 都内最難関校の女子高の一つです。受験日程が2/2~2/4となっているため、御三家受験者や第一志望を合格して勢いに乗った受験生がどしどし集まります。倍率も非常に高い学校です。
 出題される問題は今年はマイルドでしたが、難しい年度は平面図形や立体図形を中心にかなり難易度の高い問題も見られます。逆にそれ以外の分野は基本的な問題が多く、「基本問題で落とさないこと」「図形問題で差をつけること」の2点が合格のキーになります。この2点に絞ってお話します。

 まず、基本問題について。これはある程度の難易度の模試の問題と同じイメージです。関東でいえばSAPIXの合格力判定模試、四谷大塚の合不合判定テストなどです。豊島岡女子の入試が比較的偏差値通りの結果になりやすいのは問題がこれらのレベルと近いことが一つの理由に挙げられます。
 模試の解き直しももちろん重要ですが、基本事項に穴がないか、受験直前まで確認しましょう。

 2点目の図形問題の演習についてです。どちらも男子校の上位校に匹敵するレベルの問題が見られます。扱うテーマも立体のダブル切断や平面の補助線を自分で引く問題など、レベルがやや高めです。
 対策として、桜蔭中の立体図形は取り組んでみてよいでしょう。計算はそこまでキツくありませんが。また、男子校でいえば、ラ・サール中、海城中などの平面図形や立体図形はマッチしていると思います。
 授業の進行具合などと合わせて担当の先生に取り組むべき課題をもらうとよいでしょう。

 最後に、過去問についてです。取り組む時期は11月以降で構いませんが、出題傾向が似ている点もあり、ある程度問題慣れはしておいた方がよいです。通し演習でなくとも構いません。出題分野が比較的明快な学校ですから、平面図形だけ特訓、立体図形だけ特訓など、ある程度目標を立てて取り組んでみるとよいでしょう。


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