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2023年 渋谷幕張中 算数分析

設問分析

2023 渋幕① 算数

 2023年の渋谷幕張中の算数の分析です。本年は受験者平均点47.8点、合格者平均点58.7点と渋幕の入試の中では標準的な難易度となりました。合格のためには、12問中7問正解しなければなりません。問題も渋幕らしさ全開といった内容でした。

大問1 場合の数
本年は取り組みやすい年度でした。(1)はサイコロ2個ですから、表にまとめて36パターン調べてしまえば確実に正解できます。問題は(2)とどう向き合うか、結果から言えば飛ばしてしまってもよかったと思います。時間を使って合わせられないというのがマズいので・・。
(2)は筆者は表ではなく、4個のサイコロの並び替えをしました。詳細は割愛しますが、結果的に4パターン調べて96+36+16+4=152通りとなりました。

大問2 規則性
本年の合格には欠かせない2問です。周期を見破り調べてしまえば比較的あっさり自信を持って解答できたのではないでしょうか。渋幕の規則性は易しめの問題が多いです。とはいえ、油断するとずれやすいですから注意しましょう。

大問3 水グラフ
これまた渋幕おなじみのグラフ問題です。今年はシンプルに一つずつ長さや面積を明らかにして解き進める問題でした。(2)はなかなか先に進まず焦ってしまった受験生もいたことでしょう。大問2に自信があればいったん後回しにしてもよかったと思います。

大問4 平面図形
(1)はほぼすべての受験生が2問とも正解したでしょう。(2)が腕の見せ所です。色々な解法がありますが、筆者は分割して(1)の形にしてしまいました。

渋幕2023大問4(2)

3つに分けなくても2つで十分できますね。ひらめき要素に見えますが、(1)を使いたいと強く願って解き進めていくと必然的に思いつくものです。

大問5 立体図形
厄介な大問です。(1)は正解しなければなりませんが、(2)からは図形の性質として面がくっついて一つの大きな面になるということに気づけないとごっそり失点してしまいます。(3)はそれに作図が加わりますが、こちらはそこまで難しくはありません。

大問5の(2)(3)は落としても仕方がないと考えると、今年の入試で合格点をとるには、やはり大問2と4が重要だったように思います。

渋谷幕張中に合格するために

 渋谷幕張中は関東屈指の名門校であり、開成や桜蔭といった最難関校に合格する受験生でもあっさり不合格になることが珍しくありません。
 本命受験ならば問題ないのですが、事前受験として気軽に受けるのは危険だったりします。また、受験するからには対策を万全にしておきましょう。

 まず、近年は出題傾向が固まってきました。本年に見られる「場合の数」「規則性」「グラフ」「平面図形」「立体図形」がセオリーです。その中で特に練習を積んでおきたいのが「場合の数」と「立体図形」です。
 立体図形は本年は図形の性質の理解を問うものでしたが、例年は複雑な切断や影の問題が出題されています。かなり高度な技術や作業力が求められる問題であり、過去問を中心に解ききれるだけの実力をつけておきたいです。
 また、場合の数は読解力、作業力、注意力のバランスがとれた問題の出題が多く、仮に正解できないとしても限りなく近い段階まで調べられるようにはしておきましょう。

 渋幕の問題の特徴として、与えられた数値やグラフから何となく答えても当たってしまうことがあります(途中式を書かないから罪にはならない・・・指導者としては正直改善してほしい点です)。ただ、確実に合格を狙うために、やはり王道の調べる・作業するといった緻密さ、正確さを追求できるように準備しておきましょう。
 本年は作図問題が出題されましたが、例年は2月に行われる第2回入試で作図問題がよく出題されます。今年の傾向の変化から来年以降も念のため簡単な作図の練習はしておいた方がよいでしょう。

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