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2023年 城北中 算数分析

設問分析

2023 城北① 算数

<2023年 第1回入試データ>
 受験者平均点 56点  合格者平均点 69点  試験時間 50分

 2023年の城北中の入試を振り返ります。城北中の出題はここ数年、計算・小問集合に続いて、速さ・立体・思考力系の文章題といった構成になっています。本年の第2回、第3回入試はまだ問題を見れていませんが、傾向自体はどの回も同じです。立体図形は共通部分の体積は過去にも出題されていますが、高い難度の論点です。また、大問5に見られるような思考力系の文章題も普段なかなか接することの少ない問題です。
 設問やテーマがやや高度なこともあり、平均点も若干低めになりますが、それでも65~70点以上確保したい内容です。

大問1 計算問題
毎年2問、有名分数(0.125など)を交えた計算が出題されます。それほど時間もかからずに解きましょう。検算は忘れずに。

大問2 小問集合
比較的入試において典型的な問題の出題が多くなっています。図形問題の比重が高めなのは要チェックです。

大問3 速さ
グラフから距離を比で求めていく問題です。速さと比の基本からダイヤグラム内の相似の発見、最後は旅人算の計算など基本事項がしっかり確認できる大問です。ここは完答できるかで合否に影響したと思います。
数値も整数で明確に出るので、正答率は高かったでしょう。

大問4 立体図形
展開図が与えられ、それを組み立てながら作業する問題。頂点を正確に写しながら組み立てなければならず、雑に対応すると失点します。(2)の最短距離は相似の発見という若干レベルの高い要求も。(3)は城北中では過去に出題のある共通部分。ここも難しく感じる受験生もいたはず。得意でないとなかなか厳しかった大問でしょう。

大問5 文章題
A、B、Cどのパターンが一番お得になるか検証しながら調べる問題。方針は明確ですが計算力と時間が必要な大問。ここまでの正答率と相談で深入りするとよいでしょう。

城北中に合格するために

 城北中は受験生のレベルを考えると若干ハードルの高い問題が出題されます。それに安定して対応するためにはなぜそうなるのか、理屈を説明することが必要です。過去問を解いて得点が大きくブレてしまう受験生は、この点が説明できないことが多いです。感覚はいいけれど、完璧に理解しきれていないと、立体図形や思考力タイプの問題に太刀打ちできていないことになります。また、速さの問題もグラフや図を用いて解いていない場合、実は理解していなかったというケースがあります。
 対策ですが、まずは模試や過去問で得点ばかり気にしないようにしましょう。城北中の問題に限った話ではありませんが、算数の問題を解く際に重要なのは「整理しながら解く」ことです。式・図・グラフ、問題によって使うツールは違えど、それをベースに組み立てていかなければなりません。頭の中で処理する=暗算で解くことは構いませんが、書いた方が早いケースも少なくありません。答え・正答かどうかや正答率だけでなく、内容・過程もチェックしていけるとよいでしょう。特に、正解のケースでも中身はよくなかった、というケースがあります。算数に精通していないとなかなか見抜くことは難しいですが、添削を通じて発見することをおすすめします。

 さて、出題分野ですが、やはり立体図形と速さ、そして全体的な図形問題の多さは特徴にあげられます。中には難関校向けのテーマが出題されるものもあります。合格点をとるうえでは必ずしも必要ではありませんが、余裕があればぜひ取り組んでおきましょう。

 最後に、過去問に取り組む時期ですが、11月以降で十分です。ただ、前述のように図形問題の多さとある程度の難度の高さを確かめる目的で一度触れておき、普段の学習のペースにフィードバックをしていけると理想的です。

<まとめ>

  • 図形問題の出題が多くやや上位校向けの技術も要求される。

  • 大問では「速さ」「立体図形」が定番。

  • 理解優先の学習を。答えが合っているだけで安心しない。

  • 過去問は焦らなくてOK。11月以降に取り組み始めて十分間に合う。

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