サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!第1058号『ゲーランダ・サンヒター3:41』

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  サンスクリット原典で、読んで、学んで、深めるヨーガ!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 2022.07.05.◆第1058号◇

  目次 

     ◎ ゲーランダ・サンヒター 3:41
◆ 本文 
◆ 単語の切れ目・意味
◆ 原文の語順訳
◆ 日本語訳
◆ ポイント解説
◆ 編集後記


=◎ ゲーランダ・サンヒター 3:41================

◆ 本文(原文)

画像1

śivaśaktisamāyogādekāntaṃ bhuvi bhāvayet
ānandamānaso bhūtvā ahaṃ brahmeti sambhavet (41)

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◆ 単語の意味(連声を切った後の、各単語の意味)

śiva シヴァ神
śakti 力、強さ、恩恵、精力、シャクティ
samāyogāt 関係した、結合した、合同した
ekāntam 静かな場所、人里離れたところ、他の存在を許さないこと
 唯一の対象への専注
bhuvi 大地、地面、床、土地
bhāvayet ある、従事する、実行する
 
ānanda 喜悦、歓喜、幸福
mānasaḥ 心に関する、心の、精神的の
bhūtvā ~する、なす
aham 私
brahma ブラフマン
iti ~と、以上のように
sambhavet 会合する、出会う、合体する、性交する

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 ◆ 原文の語順訳(原文を原文の語順と発想のままで読むための訳)
  
  シヴァ神・シャクティ・結合から、一つ・究極を、大地において、実行するであろう、
  喜悦・心で、なして、私は、ブラフマンである、と、合体するべきである。


 ◆ 便宜的な意味(上の訳を自然な日本語の語順、流れになおした訳)

  シヴァ神と、シャクティとの結合から、現世における究極の境地を得るであろう。
  私はブラフマンである、と、喜悦の心をもって合体するべきである。

 ◆ ポイント解説

ヨーニ・ムドラー解説の続き(前号の配信ではここがヴィパリータカラニーとなっていました。お詫びの上訂正いたします)です。前節で登場したシヴァとシャクティが続けて登場し、さらにそれらが「samāyoga 結合」するところから「ekānta」が実現すると言っています。

では「ekānta」とはどのような状態なのか、「eka」は「ひとつ、唯一」などの意味があり、「anta」は「端、縁、限界、終局、死、結論、解決」などの意味があります。つまり「唯一のいきつくべきところ」というような意味ですね。訳では少し敷衍して「究極の境地」としてあります。

前号で「熟考すべき」とした「cintayet」をさらに掘り下げて考察してみましたが、この「ekānta」も同様にご自身でご検討くださればと思います。

ちなみに、佐保田さんは「(シヴァ大神とシァクティ神妃とが)会合して合一した状態」とされ、Candra Vasuさんは「the union(of Śiva (spirit) and Śakti (Force or energy))」とされ、James Mallisonさんは、「the ultimate goal」とされています。ここでも同じ語がこれほど読みが違ってしまうという良い例ですね。

後半ではさらにおもしろいことを言っていて「私はブラフマンである」と思うと言っています。これにより合体が実現するということですね。ここで「私は aham」が登場しています。これまでこの教典で「私」の一人称が登場したのは、チャンダカーパーリとゲーランダ、それぞれが語りの中で、直接「私」と説いたわけではないですが、文法的に「私」を表現していたのでした。

ところがここでの「私」は誰かと言うと、文脈から両者どちらでもなさそうですよね。つまりここまでの流れから、ヨーニ・ムドラーの行法をしてきた人物が心の中で唱える「私」、ということですね。

ではさらに掘り下げて、なぜブラフマンなのでしょうか?ここでの根本的な説いとも言えます。これまたご自身でご検討いただきたいところです。

こうして、内容的には佳境と言ってよい内容が展開されてきましたが、次節でこのヨーニ・ムドラー解説が終わりますので、改めて次節を読んでから全体を総括してみましょう。

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  詳細解説はブログで

  https://note.com/sanskrit/n/n4ede84f58576

                       (第1058号 完)
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         発行者  誠  samskritamakoto@gmail.com

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