【特集】 1万円で買えるレコードプレーヤーの世界がめっちゃ面白い件
学研の大人の科学で登場した「トイ・レコードメーカー」にハマってしまい、今更ながら
レコード
の沼に沈みかかっている左大文字です。私は団塊ジュニア世代なので、亡き父親が持っていた数十枚のレコードが実家から引き上げてきたまま物置に転がっていたのですが、今回のレコードに対する興味のせいで、それらがやっと陽の目をみることになりそうな今日この頃。
さて、そんなこんなでトイ・レコードメーカーがどんな部品で作られているのかを見ると、カートリッジと針が「中電 CZ-800」のOEMなのか、模倣品なのか、そのあたりのパーツが使われていることが判明。
またレコードを回すモーターも、「マブチ530」あたりの模倣品が使われていることもわかり、だんだんとパーツの出所が絞り込めるようになってきました。
ところが、素人でもさくっと買える安価なレコードプレーヤーを調べていると、もっともっと面白いことが判明してきたのです。それはなんと
「メーカーや、外装、ちょっとした機能の違いはあるけれど、ほぼベースがまったく同じものが、たくさん出回っている」
ということです。これはけして悪い意味ではなく、パーツが共通なのに、それぞれの仕上げが違うという、面白い現象が起きているので、大いに楽しい事態になっていると言えます。
「CZ-800型カートリッジと、530型モーター」の組み合わせで、1万円以下、あるいは1万円ちょい超えのほぼ全てのレコードプレーヤは、ベースがおなじもの
とわかってくると、けっこう笑いが起きてくるのです。
↓のユニットが載っています。
それではスタートです!
◆ ION(アイオン) 本拠はイギリスらしいですが、中国に生産委託した?レコードプレーヤが多数ヒットしています。Archive LPが、本体にステレオスピーカー内蔵でかつUSBでデジタルに変換できるとあって、かなり売れています。スーツケース型のプレーヤーも当たっているようで。
実はIONの製品だけがオリジナルの中電カートリッジを使っています。交換針として公式にラインナップされているのも中電製(日本製)。他社はおそらく模倣品が載っています。
数万円の上位モデルはエンジンが異なります。
Air LP/Max LP/Archive LP/Vinyl Transport/Vinyl Motion
◆ CROSLEY 本拠はアメリカ。スーツケース型プレーヤーを多くの種類出しているのですが、レトロで本格的なモデルと、安価でシンプルなランナップに分かれます。下位モデルが他社とおなじユニット互換です。
エンジンが異なりますが、3インチレコード専用のプレイヤーなども出しています。
◆ LP&NO.1 どこの会社か不明なのですが、スーツケース型と平型のプレーヤーを多数出しています。基本的にIONのものと似ています。(ただし、純粋なOEMとかではなく、すべてが異なる模様)
◆ VINYL MUSIC ON 上の会社と似たようなラインナップで、スーツケース型と平型を出しています。これもIONとは外装違います。もちろんLP&NO.1とも異なるので面白いのです。
◆ 1BYONE ジェネリック家電メーカーです。日本にも正式に進出しているようですが、本拠は海外だと思います。こちらもスーツケース型、平型とも出していますが、スーツケース型は、この会社のものだけがサイズが大きいです。
◆ KUMAZAKI 日本の会社クマザキエイムさん。平型とCDやラジオも聴けるマルチプレーヤーなども出しています。
◆ CICONIA 日本のジェネリック家電メーカー「チコニア」さんです。スーツケース型のみ。
◆ Amzdeal 日本じゃないジェネリック家電メーカーさんだと思います。スーツケース型が多い。
◆ SPINBOX 手作りする「ダンボール製筐体」で、大人の組み立てモデルとしてスマッシュヒットを飛ばした製品ですが、こちらもエンジンは同じです。
どのメーカーのものもそうなのですが、「エンジン・ユニット」は同じなのだけれど、その他の外装パーツや仕様は全部ちょっとずつ違うんですね。SPINBOXなどは、大き目のスピーカーがガツンとついていて、そうした仕様の違いで「同じもの」とは言えなくなっています。
全部「餃子の王将」なんだけど店主さんによって味が少しずつ違う、みたいなところがあり、面白いです。
◆ ほかにもまだまだ、まったく同じユニット・エンジンを搭載したプレイヤーが販売されています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?