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笑ってはいけない三線づくり24時! 〜研いで研いで、まわってまわーる♪〜

 

 包丁は研ぐもの、円広志さんは♪とんでとんでまわる〜、ものですが、うるしも

「研ぐ」

ものです。なーんて。

 まあ、いわゆる塗装と研磨はセットで一心同体なんですが、うるしの場合はやっぱり「研磨して塗装する」というよりは、”研いで塗る”というほうが風情がありますね。

 前回ぐらいからいよいよ「水性うるし」ではあるものの、「うるし塗り」が始まりました。

 しかし、「塗る」作業は、やるべきことの半分以下で、大事なのは、「研ぐ」ことです。

 そのために三線づくりでは欠かせない、手作りのツールを先に作ってしまいましょう!

 それは段階ごとに対応した「研磨ツール」です。目の荒い前半はいかにも「研磨」という感じですが、目が細かくなってくると「研ぐ」感じが出てきますよ!

 かなり楽しい作業です。

 ところで、三線は、複雑な形状をしていますが、3つの形に集約されます。それは

■ 直線

■ 外巻の曲線

■ 内巻の曲線

の3つだけです。

 シンプルですが、この3つの形は「ビシッ」と決まらなくてはなりません。そこで、研磨用には、以下のようなツールを作ります。

■ 内巻の曲線を削ることができるもの

■ 直線をバシッと削ることができるもの

です。外巻の曲線は、直線を面にあてがって回せば大丈夫です。


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 こんなふうに、6センチくらいの長さの木材を切って、長方形と半円型を作ります。6センチというのは三線の天の幅なので、ぴったりではなく、多少サイズが変わっても大丈夫です。最大幅のところを削ることができればOK。

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 別に長方形でなくても、小さな板状でもかまいません。ひとつだけ長いのがありますが、これは、棹の表面を長いスパンで削るためのものです。なるだけ平面が出せるように長くしています。

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 木工ボンドで、「紙やすり」を貼り付けて使います。粒度がわからなくなるので、書いておきましょう。

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 もちろん、ふつうの金属やすりも使います。糸蔵の穴の内側などを削るときに重宝します。「木工用」だと目が荒いので「金属用」などを流用しましょう。100均ので充分です。

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 消しゴムサイズのは、ヘッドの一番小さくなっている糸巻の差し込み口のあたりに使います。


■ 塗装前の棹の荒削り用 ■

#100〜120くらいのセット 長いのと、平たいのと半丸

→ 紙ヤスリもしくは、ドライリューブで作ります。


■ 下塗りを始めたころ 形状を整えてゆく段階 ■

#120〜240くらいのセット 小さいのも追加

→ 紙ヤスリもしくは、ドライリューブで作ります。


■ 塗装を何度も重ねる段階 ■

#400、#600、#800 

→ 粗めは耐水ペーパーに切り替え、水研ぎします。


■ 仕上げ ■

#1000〜1500 耐水ペーパー(ブロックに貼り付けない)

そののち、コンパウンド(タミヤ模型用などが安価で使いやすい)


 ドライリューブは、真っ白な紙ヤスリで、目がつまりにくい加工がされています。削っても削っても長持ちします。


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 さて、余談ですが、手作りパテの話をしておきましょう。木工用のパテは水性で使いやすいものが市販されてもいますが、手作りしてもかまいません。

 ただし、以前もお話しましたが、「力がかかる箇所には、パテ埋めしない」ことを守りましょう。そういう箇所は、「木のノコくず+瞬間接着剤」で固めます。力がかからない部分の浅いキズやへこみを隠すには、パテでもOK。

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 との粉+木工ボンドをよく混ぜます。1:1くらいの比率で、ぎりぎり流し込めます。との粉をやや増やすと、流し込めず詰めて押し込むような感じになります。

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 よーく練ります。これで1:1のタイプです。筆で塗れます。もう少し硬く作ると、塗れなくなるので、コテのようなもので押し付けてキズに詰め込むような使用感になります。

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 右はじのが筆。毛のねもとにまでパテがまとわりついているのでわかりにくい。

 塗りこむように、小傷になすりつけてゆきます。乾燥後すこし痩せるのと、あとで研磨するので、ざっくりでも大丈夫ですが、しっかり塗りつけておいてください。

 また「木工ボンド」で作ったパテは、弾力性が残っているので、削りにくいという特徴があります。

 そのため、「木工ボンドパテ」が乾いても、その面を研磨しないほうがいいです。その上に一度「うるし」層を塗って作っておいてから、うるし層ごと削るのがベター。

 そうすると弾力性があることにひっぱられずに、シャキッと削れます。


(まだまだ先は長い)


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