【特集】 オヤジの科学 "レコードプレーヤーを作ろう”05 ~アンプについて考えよう~
好評?連載中の「おやじの科学」では、学研さんのトイ・レコードメーカーに触発されて「レコードプレーヤー」をつくってしまおう!という遊びに絶賛挑戦中です。
前回は、プレーヤーのボディについて考えました。それと同時並行で、
「さて、音を鳴らす回路をどうするか?」
というあたりに突き進もうと思います。
そもそもの「学研トイ・レコードメーカー」は、アナログで空のディスクに音を刻むものでしたからモノラルアンプが搭載されていました。ここでポイント!
「5V駆動のモーターと、5V電圧のアンプで、シングルスピーカーを鳴らす」
というのが、トイ・レコードメーカーの大枠の構成です。
CHIPSTAR CS8138S
https://datasheet4u.com/datasheet-parts/CS8138S-datasheet.php?id=978910
というICを使っていて、最大4Ω3.1Wまで出ますが、実際にはカッティングドライバに4Ω3Wのスピーカーもどき、再生スピーカーに8Ω1Wのスピーカーが載っています。
カッティングドライバをちょうど範囲内で鳴らすように設計していることがわかります。
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さて、前回までで比較対照としている「スーツケース型レコードプレーヤー」ではどうなっているでしょう。
◆ ION Vinyl Motion は「CS4863」というアンプICを使っています。
https://datasheetspdf.com/pdf-file/855887/GSW/CS4863/1
このICは5Vで、4Ω 2.2W+2.2Wの出力があります。IONのスピーカーは4Ω3Wでしたから、ちょうどまあまあその域になっています。
◆LP&no.1のほうは「CS8563S」を採用しています。
https://datasheetspdf.com/pdf-file/931853/ETC/CS8563S/1
このICは6Vで、4Ω 4.5W+4.5Wになっています。IONより出力が大きいので、実際に音を比較してもLP社のほうが良い音に聞こえます。
LP&no.1のスピーカーは4Ω5Wが搭載されていました。
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奇しくもすべてチップスター社のICが載っていたわけですが、中国の会社なので、安いのでしょうね。
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ちなみにオリジナルは
◆「CS8138」→「NS4158」
NSIWAYのモノラル最大4.5Wアンプ。チップスターのほうが、若干パワーアップ互換のようになっています。
◆「CS4863」→「LM4863」
テキサスインスツルメンツの2.2W+2.2Wアンプで、実はヘッドホンアンプ回路も内臓しているようです。ノートPCやポータブルテレビなどで使われるもよう。
・・・なるほどなるほど。
TIのアンプといえば、LM386が電子工作初心者でも知っている「定番中の定番」ですね。ギターフリークで、エフェクターやスピーカーアンプを自作する人も、懐かしさを覚える定番品!あの系統と思えば理解しやすい。
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さて、いよいよアンプの選定です。上記のようなICを選択してもいいのですが、実はここ近年、めちゃくちゃ流行している中国製激安ステレオアンプというのがあって、それが
「PAM8403」
を使ったユニット等なのです。
https://pdf1.alldatasheet.com/datasheet-pdf/view/246505/PAM/PAM8403.html
5V駆動、4Ωで3.2W+3.2Wなので、IONとLP&No.1のちょうど中間くらいのICということになりそうです。
このIC、キットやamazonのモジュール販売でめちゃくちゃ出ていて、IC単体だと数十円、アンプモジュールでも200円以下くらいで買えます。中国製のコストのすごさを実感できる逸品かもしれません。
というわけで、今回はこいつを使ってみる予定!
(まだまだ次回へつづきます)
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