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#41 地域固有の問題ではない

 相模国分寺跡南側隣接地に明和地所が高層マンションを建設するという計画が市民の問題となっていることが、ある海老名市議会議員のニュースに取り上げられていて、「建設業者と地域住民の話し合いを見守りたい」と結んであった。

 それは、ちょっと違う。

そもそも「話し合い」は存在していない
 海老名市住みよいまちづくり条例により、明和地所による説明会が2度開催された。その後、建設内容に納得できない地域住民が再説明会を要望して、異例の3度目の説明会が開催された。それらは業者による説明会であって、両者が同じテーブルについての話し合いではないのだ。果たして説明会は、一方的に建設計画を説明するアリバイ的な説明会となり、地域住民の声は全く無視された。そして、3度目の説明会が終わった後は、業者と地域住民との接点はなくなった。
 つまり、当初から今日まで、業者と地域住民との間に話し合いは存在していないのだ。海老名市議会議員が見守ると言っている「話し合い」は、どこにも存在していない。
 だから、「建設業者と地域住民の話し合いを見守りたい」と言われると、いやいや、それは現実とはズレている認識ですよと言わざるを得ない。

地域固有の問題ではない
 地域に高層マンションが建設されるということのみを問題にしているのではない。相模国分寺跡史跡隣接地に高層マンションが建設されることをも問題にしているのだ。地域固有の問題を取り上げているのなら、「建設業者と地域住民の話し合いを…」と言われても仕方がないが、全国的な問題だという認識をもっているので、それは、ちょっと違うと言わざるを得ない。
 この問題は社会性のある問題であり、決してローカルな問題ではない。日本の政治、経済、環境、文化、法律、それらが絡み合っている問題だと考えている。

市議会議員として「見守る」という姿勢
 読者の中には「…を見守りたい」という市議会議員の、若干、遠くから眺めている感じの発言に違和感をもつという方がおられるかもしれない。市議会議員だったら、このような問題に対して、もっと積極的に発言すべきだと。
 しかし、私は、これでいいと思っている。市・県・国の問題だから、議員は先頭に立って取り組むべきだとは、私は思わない。市・県・国の問題であっても、それを考え、どう対応するかは私たちの問題であると考えている。私たち市民が、どう考え、どのように行動するかを見守り、必要とあらば議員は、議員として動く。そのようなことも必要だろう。そうしなければ、市民の意識は高まらない。政治は議員のみがやること…ではないはずだ。
 市議会議員の仕事は数限りなくあることだろう。ここ十数年、海老名市においては、市民の利益にならないような施策が展開されることが多く起こっている。市議会議員には、市民と連帯しながら、市民の利益のために奮闘していただきたい。私は、そのような市議会議員が海老名市に何人かいることを知っている。
                            (22.10.27)



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