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#42 説明会報告⑨ 「ダメなものはダメ」と言う人はいないのか? 明和地所

 ある県に流れる川の魚が大量に死んだ。調査をしたところ、ある会社から有毒な薬剤が垂れ流しにされたことが明らかになった。その薬剤を安全に処理するには高額の費用が掛かるとのことで、その会社では、会社の経営上、会社の方針として薬剤を垂れ流しにすることを決めたという。少なくない社員がそのことを承知していた。
 恐ろしいことだ。やった行為そのものも恐ろしいことだが、更に恐ろしいことは、会社の中に「それはダメだ」という人がいなかったこと。いや、いたのかもしれないが、黙殺されたこと。

 8月24日、明和地所によるマンション建設再説明会が開催された。9月21日には第3回目の再説明会が開かれた。明和地所の社員らしき若い人が10人くらい来て、受け付け、資料配布、会場設営などをしていた。説明会が始まったら、その人たちも会場内外にいて参加住民の質問・意見、そして明和地所・ねお設計の担当者の回答を聞いていた。私は、その若い人たちの顔を一人一人見ながら、今この人たちは、目の前で展開されている議論をどう受け止めているのだろうかと考えてしまった。

 マンション建設をする明和地所に就職した。マンションに住む人たちに幸せで豊かな生活を提供したい。マンション建設により地域を活性化させ、環境的にも文化的にも高める。理想と希望に満ちている職種だ。そういう思いをもって明和地所を選択して就職したことだろう。
 ところが、目の前で展開されている話は、それとは真逆なことだ。
  ・近隣には4階建て以上の家屋はない。
  ・史跡という文化財の隣接地だ。
  ・史跡の景観を損ねる可能性がある。
  ・工事では騒音・振動で近隣住民には耐え難い苦痛を与える。
  ・一般住宅の境界から50センチのところに高層マンション建設。
  ・地域住民は建設に強く反対している。
  ・その地域に住むことになるマンション購入者は、果たして幸せな人生
   を送ることができるだろうか。

 若い社員の方々に、このようなことに疑問や心の痛みを感じた人はいなかったのだろうか。己の利潤追求を最優先。他者は切り捨て。そのような職場で、誇りをもって仕事をすることができるだろうかと。

 社内経験豊富な人で「ダメなものはダメ」と言える人は明和地所にはいないのか。「それはちょっとおかしいよ」と言う人はいないのか。明和地所は、自由な発言が許される懐の深い職場ではないのか。

 「おかしいことはおかしい」
 そう言える職場・社会であってほしい。
                            (22.10.31)


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