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#43 相模国分寺跡史跡隣接地マンション問題掲載 <東京新聞>

 東京新聞に相模国分寺跡史跡隣接地マンション問題が掲載された。以下、要点を抜粋する。

史跡隣のマンション計画
景観としては疑念も
「進めざるを得ない」海老名市長が見解

◆内野市長は10月27日の定例記者会見で、計画は法令を順守しているとして、「淡々と事務を進めざるを得ない」と述べ、撤回を求めるのは困難との考えを示した。
◆内野市長は「(史跡の隣接地を事業者に売却した)地権者の意識の問題だ」と指摘した。
◆内野市長は「文化財の景観としてどうかと思う」と疑念を呈した。一方、建築基準法や海老名市住みよいまちづくり条例に抵触しない計画を差し止めた場合、「建築主が損害賠償請求で訴えれば確実に負ける」と発言。計画の見直しは「お願いしかない」と述べた。
◆内野市長は、事業者が計画を撤回するため、数億円とされる土地の購入を住民側に持ちかけたとも明かした。
************************** <以上、抜粋>

 内野市長は淡々と市政を進めるのがお好きなようだ。まるで遠くの世界のことを語っているよう。相模国分寺跡史跡は海老名市にある。近隣の市町村が羨むような史跡である。海老名市は史跡を整備して、多くの人が利用する公園となってきており、その取り組みは評価されている。どこか他人事のような発言を市長は繰り返すべきではない。
 そして、あの土地を事業者に売却した「地権者の意識の問題」を持ち出したことにも疑問を感じる。売却した者に問題があるのか、購入した者に問題があるのかと問われれば、やはり土地を購入して、市民が反対するような計画を立てた方に問題があるだろう。
 市長は「お願いするしかない」という。そうであれば、お願いしよう。海老名市には住みよいまちづくり条例と景観条例がある。何度も何度も何度も、お願いしよう。断られてもお願いしよう。「淡々と事務を進めざるを得ない」などと淡々としていてはいけない。

 それにしても、数億円とされる土地を誰かが購入してくれれば、この計画を撤回してもよいと明和地所が住民側に持ちかけたとのこと。これには驚いた。そして呆れた。どういう意図なのか。住民の建設反対の声に対応するという譲歩の姿勢とでもいうのか? 全く理解を超えている提案だ。出来の悪い映画を観た後のよう。これについては正確な取材をして、後日レポートしようと考えている。

 東京新聞がこの問題を取り上げたことを高く評価したい。東京新聞はデジタル版のニュースでも、この問題を扱っている。見出しは、海老名の国指定史跡隣接地 マンション計画 周辺住民「景観を守って」 事業者「法・条例は順守」 市「粛々と手続きを」というものだ。

 この問題が、海老名市の問題ではなく、この国の文化に関わる問題であることを多くの人たちと共有できることを願っている。
                             (22.11.3)


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