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フィッティングという作業

私の友人に「ワインフィッター」というお仕事をされている素敵な女性がいます。


初めはよくわからないお仕事でしたが、話をお聞きすると素敵なお仕事で「なるほど~」と思った次第です。

彼女のお仕事は、状況や場面に合わせて「ワイン」をセレクトしてくれるというもの。


例えば、彼女・彼氏へのプレゼントでどんな相手でどんな関係性でどんな気持ちでプレゼントしたいのか?を聞いて、そこに合うワインを提案してくれます。


また、食事の内容やパーティーでのワインを複数のワインでストーリーを作って提案もされます。

彼女と共同主催でワイン会を開催しますが、参加される方はワインを楽しむのと同時に彼女のワインの話やどうしてこのワインにしたのかというストーリーに夢中になってます。

フィッティングというと、ちょっと前にTVドラマで「陸王」というマラソンシューズの話がありました。

そこに登場したのが、歌舞伎俳優の市川右團次さん演じる「シューフィッター」です。ドラマの大きなキーマンでした。


選手の体調や状態、そしてシューズの開発コンセプトやそのシューズの特徴から選手に最適なシューズをアドバイスする仕事です。

色々な分野において「フィッター」というのは、とてもキーになる様です。

ビジネスの場においてもフィッティングをすることが大事になります。マーケッティングやブランディングと呼ばれる作業がこの部分を行うことになります。


市場(顧客)の要望を分析し、世情を考えて企業の戦略、戦術を検討し行動へ展開していきます。

フィティングの事例として、吉野家の話をネットで見ました。
牛丼の吉野家の売上減少に伴い、新商品を発売するものの中々結果に繋がらなかった。そこで、あるマーケッターが吉野家の来店顧客の注文や食事の様子を細かく分析しました。

その結果、来店客の現状に気が付きました。
来店する女性顧客は、普通盛の牛丼でも量が多くてご飯の残す場合が多いこと。男性顧客は、大盛の注文が多いこと。


そこで、新メニューではなくサイズの違うメニュー「小盛」「超特盛」を販売したところ、売上が急激に伸びたそうです。
顧客のライフスタイルにフィティングして成功した例です。


また、別の例としてうどんで有名な丸亀製麺さんは、新メニューやセットメニューでライバルと競い合っていましたが中々結果に繋がらなかった様です。

そこで、あるマーケッター(日本で数々の成功事例を作られた方ですが。。。)の分析で、お店の伝えたい事が伝わっていないと判断して「キャッチコピー」を変えてPRしました。


ご存知の方も多いと思いますが、「ここのうどんは、生きている」


お店で毎回粉から作っている麺をPRし、顧客の興味と食感に訴えて結果を出した例です。

他にも沢山の成功事例がありますが、ポイントは「フィッティング」です。

単にマッチさせるのではなく「適切に合わせる」フィティングが大事だということです。

しかしながら、このフィッティングは中々難しい作業です。

必要なことは、表面的な一致でなく本質的な一致であることです。顧客の要望が目の前のことでなく本来どこにあるのか?

例えば、お客様が「ハサミ」が欲しいと来店されたとします。

その時に持ちやすく切れ味のよいハサミや手にフィットして使いやすいハサミを提案するのは、表面的な課題の解決です。

それよりも本来何のためにハサミをお求めになったかを聞き、ハサミよりもカッターナイフの方が本来の課題をスムーズに確実に解決できるのであれば、「カッターナイフ」を勧めるべきだということです。

必要なことは、分析です。

それを「Why(なぜ)」をキーワードにして掘り下げいく作業が大事です。「ロジックツリー」と言われる手法ですが、とにかくどんどん分解していく。


「細分化」とも言われます。分解して行くと、隠れていたものが見えて来ます。

そこに表面的な要望(要求)から本質的な要望(要求)を見出し、そこにフィッティングして提案することが大事になります。

「ニューノーマル」という言葉が多く見かける中で、新しい考え方ややり方が登場してくるでしょう。

今までの「あたりまえ」を考え直し、あらたなスタイルをつくることが必要となってきます。


しかし、本質の要望を分析し、そこに「最適な」ものを提供していくこと
今後はこの「フィッティング」の作業がより一層大事になってくるでしょう。


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