みぞおちの永遠なる陥没

心がやすりでごしごしと、擦られる
そして、みぞおちが突然陥没したような感じ

こんな時は焦っている

「俺は俺のペースでやるんで、」
屋根に寝そべりながらタバコをふかす余裕も度胸も私には毛頭無い

大好物の中トロがターンテーブルの中心に置かれ、周りにはその他の平凡な寿司が囲んでいる。私は中トロを食べるのを夢見ながら、周りの玉子やイカやサーモンを取っては腹を満たしている。
その時が、幸せ。
安心安全の保証が付いている、幸福。
目の前にある好物に手が届くというまさにそのじれったい距離こそが、幸福。
間近の未来を現実に引きづり込み、子猫に頬擦りするみたいに、
「離さないよ、かわいい私の夢たちよ」。

鼻で笑ってくれ。
堕ちるとこまで堕ちる坂口安吾のデカダンス。
それは、十分賞賛に値することだ。
堕ちていくことも中トロを真っ先に食べることもできない奴が一番の役立たずである。
目に見える役立たずは本当の役立たずではない。
みんなから時として羨望の目で見られたり、尊敬されたりすることもあるのが実は役立たずだ。
役立たずは涙を流して嫌なことを忘れる術を身につける。
流れゆく現在の絶対的肯定者たち
現実の奴隷たち
かつて激しく嫌悪し蔑んだ彼らと、一体何が違おうか。

歴史は忘却の罪を負っている。
忘却は怠惰で傲慢だ。
忘却は人殺しもする。
それに加担しているというのは大袈裟であるか。否!









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