7月末〜8月頭の雲助師匠まとめ書き

書き損ねていた分、そんなに文量ないので、もうまとめちゃう。
今日は三連投、いきますぞ。


江戸落語を食べる会
五街道雲助の「猫定」を味わう

古今亭菊一 たらちね
五街道雲助 お菊の皿
〜仲入り
雲助 猫定

2022730
歌舞伎座 花篭

「猫定」がネタ出し。
このネタ、個人的には毎年絶対聴きたいという感じではないのだけど、雲助師匠の魅力が詰まった演目だなと思っているので、未聴の友人にぜひ聴いてもらいたかった。というわけで、わたしにしては珍しい連れ合いらくご。

博打打ちの男の気だるげな風情。猫なのにどこか魔力のようなものを感じさせるクマさんの不思議な存在感。クマさんと猫定の親分の絆。悪女の色気。闇い雨夜の恐ろしさ。怪談。長屋の連中のドタバタ。
ひとつも取りこぼさず画を見せてくれるんだから、すごいったらない。
三味市つぁんがひとりでお化けの前で拝んでいる画が好きです。

冒頭のまくらでは、炎天下を歩くとなかなかおつむりの検温で温度が下がらないと話していた雲助師匠。下がるまでちゃんと待っているのえらいけど、でも、おじいちゃん。炎天下をそのまま歩くの危ないから、日傘ァ差してよね。

その後の「お菊の皿」の変幻自在の豊かな表情を見ていたら、なんだかまぶしくって、目頭が熱くなってしまった。わたしの涙腺は、近頃どうもおかしい。


鈴本演芸場余一会
五街道雲助一門会

隅田川馬石 四段目
五街道雲助 船徳
〜仲入り
蜃気楼龍玉 もぐら泥
隅田川馬石 中村仲蔵

20220731
鈴本演芸場



白酒さん不在の一門会は、やっぱり寂しい。
冒頭に口上があったのだけど、開演時間を間違えて、逃した。自業自得、悲しすぎる。。

そういえば、終演後には「中村仲蔵」がトレンドに上がっていたようで……そんなことってあるのねえ。
私には「船徳」がとにかく素晴らしかった。贔屓目でなく、と言いたいけど、雲助師匠贔屓だからやっぱり贔屓目なのか?(でも雲助一門贔屓のつもりなんですけど?!)
初めて生で雲助師匠の「船徳」を観たから、というのは確実にあるだろうな。

それぞれの登場人物はもちろん立っているのだけど、キャラの濃さを強めたりすることなく。終始、映像が視えた。
徳さんが船をだしたときの「出、た〜!」という喜びからはじまって、終盤、呼び寄せてしまったかのようにポンポン船が迫る、その船の影まで感じるような臨場感。緻密なのにダイナミック。
日頃、どんなに旦那衆が船の上でどったんばったんしていても、それを外側から眺めている私の位置は変わらなかったのに、この日はいつの間にか、一緒に船に乗っているような心持ちになっていた。徳さんや旦那たちと一緒に、よろこんだり、怖がったり、じりじりと汗ばんだりしていた。

やっぱり雲助師匠の落語は、わたしにとっては「観る」なんだよな。


小満ん雲助二人会 〜 小満んの傘寿を祝う会

春風亭枝次 ぞろぞろ
五街道雲助 浮世床
柳家小満ん 応挙の幽霊
〜仲入り
五街道雲助 商売根問
柳家小満ん 青菜

20220807
日本橋社会教育会館

8月の小満ん夜会に行けなかったのでここで補給!

小満ん師匠が主役の会ということで、雲助師匠はごく軽く。
「浮世床」の〈本〉は白酒師匠に、〈夢〉は馬石師匠にそれぞれ継がれていて、そのどちらも好きだけど、こうして元祖を観れると嬉しくなっちゃう。「商売根問」の口三味線ちゅんちゅんバージョン、ありがとうございました🙏(?)

小満ん師匠の「応挙の幽霊」がね〜!すっごく洒落ていたんですよ。
古道具屋さんの晩酌には薩摩切子に、お酒はウイスキー、その名も「ムーンシャイン」(!)古道具屋さん、自分の好きなものを並べて、いつもああして大人の時間を愉しんでいるんだろうな。

幽さんが出てきてからも、ふたりの会話には横文字がちらほら。たいそうなことは話していないのに、ウィットに富んでいて、それが小満ん師匠のさりげないおしゃべりだと、とっても耳に心地よい。
横文字がたくさん出てきても、ちっとも世界観が壊れなくって。むしろ、小満ん師匠が創り出した箱庭を、こちらが覗き見ているかのような。師匠ならではの遊び心満載で、とても不思議な時間だった。
ほんに、なんて洒落た御人なんや……。



8月の上旬は雲助師匠強化週間とでも言うような。
ネタだしも多く、師匠の人間愛のようなものに浸かった感覚がいまもすごい。書ける範囲で、のんびり書いていきます。

(つづく)

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