整形された"いい加減さ"の心地よさ|入船亭扇遊・瀧川鯉昇二人会
・・年の瀬にあわてて更新中・・
今日は6月の記録に逆もどり
扇遊師匠の高座のあかるさを知った今年、鯉昇師匠との二人会がにぎわい座さんでスタートすると知り、なんと陽の気が強いおふたり組か! と、いそいそチケット片手に横浜は桜木町へと向かったのでありました。
前座時代からの呑み仲間だというおふたりの会は、なんともごきげんで、ちょっとけだるくて、やっぱり楽しい古典の会でありました。
入船亭扇遊・瀧川鯉昇 二人会
柳亭左ん坊 道具や
瀧川鯉昇 船徳
入船亭扇遊 棒鱈
〜
入船亭扇遊 突き落とし
瀧川鯉昇 粗忽の釘
20230609
横浜にぎわい座
扇遊・鯉昇二人会
— 明李(あかり) (@akari__sano) June 9, 2023
左ん坊 道具や
鯉昇 船徳
扇遊 棒鱈
〜
扇遊 突き落とし
鯉昇 粗忽の釘
師匠方は東横落語会で前座仕事を務めた時分からの呑み仲間とのこと。
脱力感が心地よく途中でダイナミックに展開するw鯉昇師匠に、端正かつ江戸っ子の軽快さが楽しい鯉昇師匠。ともに陽気な高座🌞好き! pic.twitter.com/AtE8HI3EhW
今日は1時間も持ち時間がある…とのっけからボヤく鯉昇師匠。
— 明李(あかり) (@akari__sano) June 9, 2023
前半は頑張り後を軽くしたいとの宣言通り、四万六千日の直虎米の話を盛り込んで船徳をたっぷり45分😂
若旦那が登場時からのんびりした性格で寝汚くてwどこまでも不器用で、イイなあ☺️
言葉の端々から感じる、程よい後ろ向き加減が心地よい
船徳後に上がった扇遊師匠「人間古希を迎えると時間の配分ができなくなるみたいで…」とひと言😂後から師匠はまだ69歳だと知りジワジワ。
— 明李(あかり) (@akari__sano) June 9, 2023
鯉昇師匠のペースに慣れた後で、扇遊師匠の軽快なはこびがまた気持ちよく☺️「棒鱈」の田舎侍の真剣なまなざしよ。超久々に聴いた「突き落とし」も楽しかった〜!
船徳も初めて聞くサゲだったんだよな。冒頭に二階の居候のくだりがくっついて、どこの若旦那かわかるのもここにつながるんか〜!と思って。大ざっぱ(ごめんなさいっ)に見せながら、実は仕込みとか擽りとかが結構細かいんだ〜!という気づき。でも噺の展開が急に飛ぶとこも、スキ😂
— 明李(あかり) (@akari__sano) June 9, 2023
拝見するたび、師匠ご自身が「芸術協会と落語協会の差を〜」なんてことを冗談混じりに仰っていて、その期待(?)に応えるように、「あれ? そのエピソードをお飛ばしにっ?」「所作が、消えたっ!」などという驚きにも出会える、鯉昇師匠のらくご。
ダイナミックだ……! と楽しんでいたのですが、「船徳」をお聴きして、いやいや計算のうえでなさっていることなんだ、ととっても当たり前すぎることに気がつきました(すみません、ヒネクレてる割にはけっこう素直な性分なんです)。やっぱり噺家さんのポーズを信用しちゃあ、いけないのね。なんとまあ、気持ちよく騙してくださるのでしょう。
あらためて噺家さんって、すごいのね。自己演出のプロだ。人から愛されるプロと言ってもいい。
鯉昇師匠の鷹揚さや、ご謙遜をふくむ後ろ向き発言に、嫌味っぽさや卑屈さを微塵も感じないのは、それを受け取った側が楽しめるラインを熟知されていて、それにあわせて整えられているからなんだ、と思ったりしました。
いい加減は良い加減……!ってコト!?(©ちいかわ)
落語氏の"芸"の多様さ、しゅごい。これが大衆芸能の強みですか? たぶんひととして賢くないとできないやつじゃないですか。あと、なんでも究極まで突き詰めれば、芸として昇華できるのかもしれない(?)という可能性すら感じる。
そうそう。この日衝撃だったことがもう一つありまして。
本編に入る前に、喋りながらおもむろに脱いだ羽織を畳み出す師匠。めちゃくちゃコンパクトに畳んで懐におしまいになった。
何とこの高座では、脱いだ羽織を話しながらキレイに畳んで、懐に入れてました。初めて見た。 https://t.co/WjLaxnAMbD pic.twitter.com/sEI3WJIRRx
— 落語インフォby竹書房【公式】 (@takerakugo) June 29, 2023
【落語見聞録】2023/6/27#瀧川鯉昇 独演会 415回県民ホール寄席(ごらくハマ寄席)関内ホール 小ホール
— 落語インフォby竹書房【公式】 (@takerakugo) June 28, 2023
③『蛇含草』瀧川鯉昇
古典を大胆にアレンジする愉快犯でありながら、その面白い解釈から決して批判されない鯉昇師匠。そしてこの噺は、餅の曲食いの所作が必見! pic.twitter.com/Uzd4TzSX1M
↑の竹書房さんの引用は別の会で撮影されたもののようです。幻だったかと己が目を疑っていたので、こうして再び見れて、ありがたい。
(鍵アカ仕様の引用になってるけど、リンク飛べます)
ちなみに。鯉昇師匠の「粗忽の釘」は昨年クリスマスイブの雲助鯉昇二人会で初めて聴いて、もしやロザリオはクリスマス仕様なの?とか思っていたんですけど、通常運転であったことをここに報告いたします🫡 https://t.co/bxGQ5xnLmp
— 明李(あかり) (@akari__sano) June 9, 2023
ロザリオがクリスマス仕様ではなかったことも判明したこの日。
一体ぜんたいどこからロザリオがやってきたのか、あらためて意味がわからなすぎて、鯉昇師匠のこともっと好きになっちゃった。
第二回は2024年1月9日開催です!
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