「エッセイ」観葉植物が枯れた2


男は好きだ(またしてもとんでもない出足だ)
此の世に女性として生を受けた以上、ジェンダーではないので男性は当然の如く好きである(もちろんイケメンに限る)

が、しかし、
我が家に集まる男どもは、私の思う「男」ではない。
ただのヨッパーの気のいいオッサン達である。
コロナ禍で奴らのおかげで食材に困ることはなかったが、その分私は無償労働に明け暮れた。横文字で言おう「ボランティア」と言うヤツだ。
ちゃんと彼女を伴って来るヤツは稀れだった。
(我が家をデート現場に使うってのもなんだが…)
女性はいいよね。
「sanngoちゃん、お手伝いするわ~」
って、肉切ってくれたり、洗い物手伝ってくれたりしてくれてさ。
最初のうちはね、でも会が進むにつれて酔いが回る。酔いが回ると男にしなだれ掛かる。
「あ〜ん、私、酔っちゃったみたい」
私も言ってみたい台詞だ(泣)
「眠くなっちゃった」
ますます言ってみたい(泣)
するとバカ男は女を伴い去っていく…
後に残された私(ぽつん)

……

食べたり飲んだりすれば洗い物が残り「ゴミ」が出る。私は「女性の一人暮らし」にも関わらず真夜中に空き缶のゴミ袋を両手に持ってゴミ置き場を何往復もしたものだ。
やがて私の健気なボランティアの末にコロナは終結を迎えた。
努力が報われた!
バンザイ、人類!バンザイ、私!

さて、
「あれ、sannちゃん、太陽は何処へ行った?」
とお気づきの方の為に長ーーーい前置きは、そろそろ終わりにしよう。

居候も去りコロナ禍も去った現在、私は再び完全なる「一人暮らし」を手に入れた。
これで元のお洒落で生活感のないシンプルな暮らしに戻れ……るはずがなかった。

「すき焼き鍋」を私の家に持ち込んだ貴方!取りに来てください。
「ダブルたこ焼き器」の君!取りに来てください。一人でいっぺんに30個以上焼ける大型たこ焼き器は要りません(私にたこ焼き屋を開業させる気か?)
その他、捨てるわけにもいかない諸々の物達が残るキッチン…

さぁ、居間の方を見てみよう。
コタツの上に散乱するリモコン、葉書、領収書、灰皿、化粧品…
生活感そのものである。しかし私は「お洒落でシンプルな暮らし」の代わりに「楽ちんで快適な暮らし」を手に入れてしまった。何でも動かずに手に取れる事の便利さに目覚めた私は、二度と物に住所なんて与えなくなった。

「ささ、もっとこっちへ、ちこう寄れ」(大奥口調で頼みます)

あんなに憧れたかっこいい生活は、どうやら私には向かなかったようだ。今もコタツに潜りヌクヌクとスマホでこの記事を書いている。

おっと!肝心な「太陽」だったよね。
引っ越し当初の目標「お洒落で生活感のないシンプルな暮らし」実現の為に私は観葉植物を揃えた。
部屋の中で観葉植物と暮らすsanngo!
うーん、お洒落さん(今回初の自画自賛)
いや、前から飾ってたけど、もっと優雅でもっとかっこいい植物達を買い求めて並べた(サボテンも枯らしたくせに)
そいつ等に囲まれ、朝コーヒーを飲む生活がつい最近までは実現していた(生活感は勿論あったが)
それが今年の夏!あの暑さで…出窓はサウナ状態、居間も留守中に酷い暑さに見舞われたらしい(泣)
私は外出してたから知らないが(笑)

か、枯れた(泣)

観葉植物って確か熱帯地方に生息してるんですよね?
私の部屋の外にあったアイビーは無惨にも全滅した。今年もクリスマスを彩るはずだったのに(泣)
出窓に置いたモンステラよ!
名前の割りに君は強くなかったね。
誰でも育てられると言われて買ったパキラよ!
パキッとさようなら(泣)
太陽のせいで私の観葉植物は、ただの散財で終わってしまった。お水だってあげたのに…どうやらお湯になっちゃったのね。

今、私に残された観葉植物はサンセベリアだけだ(泣)
あの細長いヌベっとした子達だけが生き残っている。増えるに増えて5鉢に育った。
何故、生き残れたのか!?
サンセベリアは太陽を好まない。陽の光なんて要らない子達は「地球温暖化」にもめげず、寂しい私の元に居る。
でも残念ながら、サンセベリア一本勝負はあまりお洒落とは言えない。

「太陽さん」よ!来年からは遠慮がちに照らして欲しい。私の右手の薬指が、またポチッと観葉植物を買おうとしている(笑)






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