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短編小説

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今まで書いた短編集です。
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#シロクマ文芸部

「掌編小説」ラムネの音#シロクマ文芸部

ラムネの音がした。 ボンッ 目を覚ますと見知らぬ部屋に寝ていた。 うーん…此処は何処だっけ…

sanngo
4日前
53

「掌編小説」金魚鉢は知っている#シロクマ文芸部

金魚鉢を床に叩きつける。 ガチャンと言う音を立てて粉々に砕け散った様子を見て作業療法士のY…

sanngo
1か月前
50

「白い靴〜パクリ小説〜」#シロクマ文芸部

ー白い靴が欲しい ミカは思った。私の足の裏は、そんなに強くない。 この星は清潔だから、憧れ…

sanngo
1か月前
56

「掌編小説」〜白い靴〜#シロクマ文芸部

白い靴がコツコツとアスファルトの道路に足音を響かせて、私の背後から近付いて来る。 コツコ…

sanngo
1か月前
51

「短編小説」花吹雪#シロクマ文芸部

花吹雪が新郎新婦を祝福するために人々の手から放たれた。 「おめでとう」 「お幸せにね~」 …

sanngo
2か月前
70

「ショート」桜色の人生#シロクマ文芸部#青ブラ文芸部

あくまでもフィクションです。 本文はここから↓ 「桜色の人生だったな…」 火原 三平は病室…

sanngo
3か月前
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「ショート」桜色の口紅#シロクマ文芸部

桜色にほのかにパールが入った口紅を見た時、私は欲しくて欲しくて堪らない衝動にかられた。あれは確か中学生の時だった。持っていたお小遣いで足りる金額だったが。中学生だった私は、レジでその口紅を買う勇気がなかった。 きょろきょろと辺りを見渡すと店員らしき人の姿は見当たらなかった。防犯カメラも此処は死角になっているってクラスの女の子達から聞いて知っていた。 どきどきしながら、その口紅を制服のポケットにそっと入れた。そのまま足早にドラッグストアの外へ出ると後ろから肩を叩かれた。 「

「短編小説」 朧月#シロクマ文芸部

朧月が春の夜空にぼんやりと浮かんでいた。 楼主のおやじさまが、ちり紙に包んだ星のようなお…

sanngo
3か月前
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「ショート」卒業の日#シロクマ文芸部

卒業の日、体育館の裏に卒業する一年上の先輩から呼び出された。 「これ」 学生服のボタンが一…

sanngo
3か月前
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「短編小説」閏年に#シロクマ文芸部

閏年に一度、母は私に逢いにくる。 うっすらと覚えているのは、四歳の時、砂場で遊んでいた私…

sanngo
4か月前
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「短編小説」追憶の残り火2#シロクマ文芸部#あの記事の後日談

(まえがき) ↑ 読み返すとなってないな~と思う箇所が幾つもある(泣)スキも26しか付いていな…

sanngo
4か月前
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「ショート」布団から2#シロクマ文芸部

1話のお話しは、こちらです。 布団から手を伸ばして、ベッドサイドのティッシュをつまんで鼻…

sanngo
5か月前
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「ショート」布団から#シロクマ文芸部

布団からそっと抜け出した貴方が肩から足の先までの長くて暗い空洞を作った。寝たふりをしてい…

sanngo
5か月前
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「ショート」雪化粧の富士2#シロクマ文芸部

雪化粧の富士山を眺めるのは、後どのくらいだろう? 僕は男湯の壁一面に描かれた親父自慢の富士山を見上げていた。 我が家の稼業は祖父の代から続く「銭湯」だ。 小さな頃から、ずっとこの「雪化粧の富士山」を眺めて育ってきた。 小さな頃は、まだお客が少ない夕方に 「早く入っちまえよ」 親父が一番風呂に僕を入れてくれた。 「ちっちぇえ、おちんちんだな~」 近所のおじさん達が僕をからかいながら、シャンプーハットの上からゴシゴシ髪の毛を洗ってくれたり「いいか、坊主、足の指の股まで洗わねぇ