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短編小説

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今まで書いた短編集です。
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記事一覧

「私小説」夏は夜が…#シロクマ文芸部

夏は夜が好きだった。 町外れの行きつけの小さな寿司屋で、彼と私は飲んでいた。引き戸の向こ…

sanngo
10日前
59

「掌編小説」ラムネの音#シロクマ文芸部

ラムネの音がした。 ボンッ 目を覚ますと見知らぬ部屋に寝ていた。 うーん…此処は何処だっけ…

sanngo
3週間前
51

「掌編小説」スキャンダル#青ブラ文学部

寂しかったの、ええ、それだけよ。 えっ、他に何かなかったのか?って それしか私には、何の…

sanngo
1か月前
47

「掌編小説」金魚鉢は知っている#シロクマ文芸部

金魚鉢を床に叩きつける。 ガチャンと言う音を立てて粉々に砕け散った様子を見て作業療法士のY…

sanngo
1か月前
50

「白い靴〜パクリ小説〜」#シロクマ文芸部

ー白い靴が欲しい ミカは思った。私の足の裏は、そんなに強くない。 この星は清潔だから、憧れ…

sanngo
2か月前
55

「掌編小説」〜白い靴〜#シロクマ文芸部

白い靴がコツコツとアスファルトの道路に足音を響かせて、私の背後から近付いて来る。 コツコ…

sanngo
2か月前
50

「赤い月」#春弦サビ小説

大好きなnoter Blue handさんのこの声にヤラレて、サビ小説を書こうかな?!なんて口走ってしまった(苦笑) よく考えたら「恋愛小説」は苦手だった(よく考えなくても苦手だ 苦笑) ああ、なんて無謀なことを!? でも、この声だよ♡ 言いたくもなるでしょう(うっとり)      「赤い月」        小さな頃から、優秀で可愛い姉と比べられて生きてきた。 「お姉ちゃんは成績が、もっと良かったわ」 「お姉ちゃんは学級委員だったのよ」 「お姉ちゃんはピアノコンクールで

「掌編小説」トイレットペーパー

「ねぇ、ママ、私のトイレットペーパーは何処?」 高校生になった娘のマキが、朝のキッチンで…

sanngo
2か月前
48

「短編小説」花吹雪#シロクマ文芸部

花吹雪が新郎新婦を祝福するために人々の手から放たれた。 「おめでとう」 「お幸せにね~」 …

sanngo
3か月前
69

「短編小説」祈りの雨

二階の寝室の窓に打ちつける風の音が、うぉーうぉーとまるで狼か野生動物のような音を響かせて…

sanngo
3か月前
55

「短編小説」〜ムーンリバー&手のひらの恋〜NNさん企画#青ブラ文学部

海に浮かぶ月光を「ムーンリバー」と呼ぶと覚えたのは、幾つの歳だっただろう。 母方の祖父の…

sanngo
3か月前
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「ショート」手のひらの恋#青ブラ文学部

恋なんてものは、始まりはドラマティックだけど終わりは、どれもありきたりなものじゃない? …

sanngo
3か月前
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「ショート」桜色の人生#シロクマ文芸部#青ブラ文芸部

あくまでもフィクションです。 本文はここから↓ 「桜色の人生だったな…」 火原 三平は病室…

sanngo
4か月前
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「ショート」桜色の口紅#シロクマ文芸部

桜色にほのかにパールが入った口紅を見た時、私は欲しくて欲しくて堪らない衝動にかられた。あれは確か中学生の時だった。持っていたお小遣いで足りる金額だったが。中学生だった私は、レジでその口紅を買う勇気がなかった。 きょろきょろと辺りを見渡すと店員らしき人の姿は見当たらなかった。防犯カメラも此処は死角になっているってクラスの女の子達から聞いて知っていた。 どきどきしながら、その口紅を制服のポケットにそっと入れた。そのまま足早にドラッグストアの外へ出ると後ろから肩を叩かれた。 「