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算命学余話 #R56「「返し」を考える」/バックナンバー

 算命学余話は、算命学の初歩を知っている学習者がその先の理解を深めるためのヒントを提供することを目的とした読み物です。技術的な話より思想的な話の方に重点を置いているのは、算命学の観点から見てこの世の仕組みがそもそもどうなっているのかを把握していないと的確な運勢鑑定に至らないと考えるからですが、興味本位で算命学を知って安易に他者を占っている人も少なくありません。そういう人たちは算命学の思想的な側面に注目せず、鑑定技術だけに頼って占っているらしく、そのために鑑定に行き詰りを感じる人も多いように見受けられます。
 算命学は陰占と陽占の二本立てということからも知れる通り、唯一絶対の答えというのをそもそも用意しておりません。それどころか陰占と陽占が互いに矛盾するという鑑定結果も大いにあり得るのです。その矛盾をどう処理して現実に反映させていくかという解決技法にはマニュアルのようなものはなく、算命学の思想面の理解を深めることで自然に身に付くものです。算命学余話はそうした理解と技術の向上を読者に促すために書きつづられております。

 今回の余話のテーマは、「返し」についてです。「返し」については過去にブログ記事の中で触れているので知っている方も多いと思われますが、算命学余話として編纂したことはなかったので、今回改めて論じてみます。既に知っている方にとっては新しい知識ではないので、特に購読の必要はないかと思います。しかしまだ知らない人にとっては、安易な鑑定、つまり他者を占うという行為がどれほどの危険を孕んでいるかという厳しい現実を見つめるよい機会となるでしょう。
 他者を占い助言を出すという行為は、相手の人生に干渉するということです。これがどういうことを意味しているのか、知らずに占っている人は是非読んで下さい。これを知らずに占うことは大変危険な行為なのですが、一体なにが誰にとって危険なのか、その危険を回避する手立てはあるのか、考えてみます。

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