広瀬和生の「この落語を観た!」Vol.3

6月29日(水)

「鈴々舎馬るこ勉強会 まるらくご爆裂ドーン! 第47回」@しもきたドーン(6/28の会を配信で視聴)


6月29日の演目はこちら。

鈴々舎美馬『子ほめ』
鈴々舎馬るこ『あとさき』『小言幸兵衛』

馬るこの月例ネタおろし勉強会。今回のネタおろしは新作落語『あとさき』。あとさき考えず競馬に金を注ぎ込む父に毎月5万の小遣いを与えて家計を管理している母が、実は父よりもっとあとさき考えない性格だったと知って愕然とする大学受験生の娘。この娘も頭がいいのにあとさき考えない性格は親譲りだった…。某落語家に取材したエピソードを基に作った、笑いの中でホッコリさせる親子の噺。

馬るこの『小言幸兵衛』は、大家の田中幸兵衛の妄想癖がケタ外れ。丁寧な言葉遣いの仕立て屋が、「お前の息子と古着屋のお花との間で心中騒ぎが起きる」と言われて「うちの息子は堅いので大丈夫」と反論すると、「お花は凄い肉食系なんだ!」とお花の周到な色仕掛けを妄想し、「では息子はよそに修業に出して夫婦で引っ越してきます」と言うと「お花は肉食系だからお前を狙う! お前と心中してお前の女房が長屋中を皆殺しにする!」と断言。この仕立て屋が諦めて帰った後、幸兵衛が「私はお花のことを思って言ってるんだ」と婆さんに言っていると、それを聞いていた肉食お花が幸兵衛をターゲットに……というトンデモな展開でオチへ。イラッとさせる乱暴な言葉遣いの男をはじめ、馬るこの圧の強い“顔芸”が炸裂するバカバカしさ全開の爆笑改作だ。

次回の広瀬和生「この落語を観た!」もお楽しみに!

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