三角山パズルで正三角形と正六角形
三角山パズルのピースは4個の「内接球のある切稜立方体」でできています。平面に敷き詰めて正三角形を作りましょう。球でも一緒なので以下は球で考えます。
一辺がn個の球でできた正三角形を作るには球は何個必要でしょうか。これを簡単に考えるために正三角形を2個作ることにします。1個逆さまににしてくっつければ、幅 n 個、高さ (n+1) 個の平行四辺形になります。その時の球の個数は n x (n+1) なので、1個の正三角形に必要な個数をSとして
S = n x (n+1) / 2
です。
その個数が4の倍数なら三角山パズルのピース m 個で作ることができるかもしれません。全部の個数を4mとします。
n x (n+1) / 2 = 4mとなる整数のn, mがあれば、一辺nの正三角形がm個のピースで作れます。式を整理するとn x (n+1) = 8mとなりますから、n あるいはn+1 が8の倍数の時に三角山パズルのピースで作ることができるかもしれないということがわかりました。
一番小さな n は7です。その次は8なので、1辺が7個の正三角形と、1辺が8個の正三角形にチャレンジしてみましょう。
正六角形も正三角形の計算式を使って考えることができます。
あらかじめ中心に1個置いといて、その周りに同じ長さの正三角形を6個置くと正六角形になります。角は共有するので見かけの長さから1個を引いて考えます。
辺の長さがnの正六角形に必要な球の個数Sは
S = 1 + 6 x { n x ( n + 1 ) / 2 }
{ }の中は一辺 n の正三角形の球の個数です。式を整理して
S = 1 + 3 x n x ( n + 1 )
これが4の倍数になればパズルピースで埋めることができますが、残念ながら中心の1個が災いして必ず奇数になるので4の倍数にはなりません。
諦めて中心は空白で考えましょう。
パズルピースの個数をmとして
3 n ( n + 1 ) = 4m
が成り立つ整数 n と m があれば、一辺nの正六角形がm個のピースで作れます。
n = 3のとき、m = 9
n = 4のとき、m = 15
になります。三角山パズルは14ピースなのでn = 3の場合しかできないことが分かりました。
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