ああ あったかくて ぐんにゃりして 動きまわるものが うちの中にいる (本書より) 猫や犬など、動物と暮らしている人なら こいつ、いま何考えているんだろう? と、思った事があると思います。 この漫画は、1人暮らしの女性と愛猫の生活を、お嬢様と有能?な執事に見立てて淡々と綴ったエッセイ漫画です。 実際の動きの猫と執事に見立てた猫が不自然なく作中に混在しています。 事件らしい事件もなくのんびりとした、猫と過ごす愛しい日々のお話です。 蝶ネクタイ姿の猫のしつじは直立して何
海辺の町に住むふたりの女子高生、吉川ロカと柴島美乃の物語。歌手を目指すロカは美乃や周りの人々に支えられながら、プロの道へと進んでいく。 こう書くと、 まあそういう話あるよね という感じなのですが、そこは「がんばれ!!タブチくん」「となりの山田くん」のいしいひさいち作品、味付けが独特です。 物語はほぼほぼ4コマ漫画で綴られていきます。 画面では容赦なくデフォルメされた登場人物たちがわちゃわちゃと掛け合い、いしいフォントとも言える個性的な書き文字のセリフが舞います。 もちろん
今年の大河ドラマ「光る君へ」 紫式部が主人公です。紫式部といえば源氏物語。 昔ちょこっと読んだけど忘れちゃったから読み返そうか、いや長すぎるし…と思っている方、源氏物語ってどんな話??と思っている方にオススメです。 主人公の光源氏が栗の姿という物語。 栗ですが光源氏ですから、ちゃんと色好みです。 長い長い源氏物語をぎゅっと凝縮させて2頭身漫画にした作品です。1帖が基本見開き8コマのフルカラーで描いてあり、1帖ごとにさりげなく描かれている源氏香図がオシャレです。 主要人物の
本作品は古典落語をベースに食べ物とからめ、現代人にもスッと馴染めるようにアレンジしてあります (まえがきより) 江戸時代、多くの城下には治安維持のために木戸が設けられていました。木戸は決められた時間に開閉され、その木戸にはそれぞれ「番太郎」と呼ばれる木戸番が住み込みで常駐していました。 木戸番は時代劇で「木戸番の爺さんが逃げていく下手人らしい男を見たそうだ」みたいな感じで出て来ますね。 舞台は江戸の町。気は短いが人の良い木戸番の番太郎と個性豊かな仲間達が繰り広げる、ほのぼ
波津彬子著 舞台は明治末から大正あたり。小説家の書生として働く青年が主人公です。 小説家高村先生は独身で、もと武家屋敷だという広い家に猫と暮らしています。主人公の深山君は、隠居するという小間使いの女性に代わってこの家の家事をすることになったのです。彼は先生の原稿の清書も行うのですが、そのなかで不思議な手紙を読むことになります。 細い線できりりと描かれた草木や花が美しいです。古い時代の台所道具も細かく書き込まれています。 作中の猫の置物などは、読み返す度にじわじわと味わい
「猫奥」は、山村東さんの漫画です。 主人公は江戸時代の大奥御年寄の滝山さん。 滝山さんといったら、江戸幕府13代将軍徳川家定・14代家茂時代の将軍付御年寄で、江戸時代最後の御年寄。ものすごく仕事が出来る人だったらしいです。あの徳川慶喜に「あの人ガチでヤバいよ。俺マジ無理だから」(意訳です)と言われたほどの女性です。大奥モノのドラマでは威厳のある女優さんが演じるラスボスっぽい役どころですね。 その滝山さんですが、この漫画ではまだ35歳。出世して御年寄にはなっていますが、まだト