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【化学メーカーDXの歴史】おしえてクロコくん! 日本ガイシ編

化学メーカーのMI活用やDX推進を盛り上げたいサンカク製作所です。

世界最大級のセラミックメーカーとして名高い「日本ガイシ」。
今回は、「日本ガイシ」のMI活用/DX推進の経緯や現状を公開情報からまとめました。

自社のMI/DX推進や、就職先の参考等にご参考ください。


企業概要

電力用がいし・セラミックス製造を主力する。

売上高(2023年3月期):5592億円
研究開発費の売上に対する割合(2023年3月期):4.7%
従業員数:連結19,695人(2021年3月31日時点)

【参考】

ガラス・土石製品業界の研究開発費ランキング|研究開発費データベース - 研究ネット (wdb.com)

MI活用/DX推進の推移

概要

2021年から本格的にMI/DX活用が開始されているようです。
MIでは材料開発期間を1/10にすることを目指し、下記に取り組んでいます。

  1. データベースの構築

  2. 実験の高効率化・高速化

  3. AI技術の高度化

人材教育にも力を入れています。
DXリーダーに選ばれた主任級の層が、1年間、所属部署が抱える課題を解決することをテーマに実践的なデータ分析力をつける社内留学制度を設定していることが特徴です。
また、人財教育の中ではロジカルシンキングや、IE(インダストリアルエンジニアリング)やTPS(トヨタ生産方式)といった業務変革手法を重視しており、業務変革のためのデータ分析・DXという思想が見えます。

年別の活動内容

2021年
 ・選抜した社員が業務から離れて1年かけてデータ分析を学ぶ社内留学制度を開始
 ・DX部門を設立
   5年程度でデータベースを構築し本格運用を目指す
 ・全社プロジェクト「MIプロジェクト」をスタート

2022年
 ・経済産業省の「DX認定事業者」に認定
 ・データの活用に関する基礎知識を外部講師から学ぶ制度を開始
    ・MIの基本仕様を確立し、半導体製造装置用セラミックスのような緻密質材料のMIを試行して材料開発期間を3分の1に短縮する効果を確認

2023年
 ・ChatGPTの社内活用を開始
 ・DX推進ロードマップのSTAGE1が完了予定
   デジタル活用の基盤づくり

2025年:予定
 ・DXエキスパート:6人
 ・DX推進ロードマップのSTAGE2が完了予定
   推進体制の確立と実績の積み重ね

2030年:予定
 ・DXエキスパート:20人
    ・1,000人のデータ活用人材
 ・DX推進ロードマップのSTAGE3が完了予定
   DX活動の全方位展開

教育プログラムに関して

人財レベルを4段階に分けて教育を行っている。
レベル別教育として、各事業部が推薦した30~40歳の主任級の中核人材を「DXリーダー」として、1年間DXについて学ばせる社内留学制度をとっていることが特徴。
日本情報通信など外部の力を借りて教育も進めている。

参考資料

  1. 日本ガイシ、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定, 日本ガイシHP

  2. 日本ガイシ、DX人材1000人育成 部門超えた開発力磨く, 日本経済新聞

  3. 日本ガイシはロジカルシンキングを重視、DX人材育成にデジタル以外のスキルも, 日経XTECH ACTIVE

  4. 来るべきデジタル社会に向けて全社DX人材の育成を加速させる,  日経ビジネス

  5. 自社専用の対話型AIで業務効率化を図る,日本ガイシHP

  6. DX加速のカギとなる、データ活用人材を育成, 日本ガイシHP

  7. NGK REPORT 2022


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